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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
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158.択一

一夜が明けて、朝食を済ませた我々は、外に出ております。


[神里町(かみさとちょう)]の方々を、お見送りするために。


五人は、既に、[シンオウ(神横)連合隊]から脱退しています。


時刻はAM07:40あたりです。


「そういえば、琴音(ことね)ちゃん。」

「昨日、幽霊に全然ビビッてなかったね。」

「お化けとか平気ってこと??」


穂乃歌(ほのか)さんが尋ねたところ、


「んー、…、おっきい虫のほうが、こわい。」


我が妹が眉間に軽くシワを寄せました。


「あー、“エネミー”の。」

「確かに、あれ(・・)は勘弁してほしいよねぇ。」

「視界に入るだけでイヤだもん。」


同感したのは、勇者さんの所の【調理士】である“ユミさん”です。


その意見に女性陣が納得しています。


アケミさん以外は。


彼女は昆虫がヘッチャラであります。


「ところで。」

琴晴(ことは)ちゃんたちは帰らないの?」


紗凪(さな)さんの質問に、


「はい。」

「蘇生術士の(あや)さんを復活させられないか、“護衛隊”の皆さんと話し合いたいので、とりあえず残ります。」


私は、こう答えました。


「それが良いかもな。」


頷いた団長さんが、


「他にも故人を蘇らせたい遺族などがいるだろうが…、もはや、それが不可能になったとなれば、騒ぎ出す連中がいるかもしれん。」

「〝神岳(かみおか)さん()の娘さんだけ生き返ってズルい〟みたいな感じで。」

「勿論、擁護してくれる人達もいるだろう。」

「しかし、それがきっかけとなって、自警団はもとより、神里町そのものが、内輪揉めを起こすかもしれん。」

「こういうのを防ぐためにも、周りに理解してもらう必要がある。」

「その為には、〝現在、海外の蘇生術士を頼るべく、渡航する(すべ)がないか、数人に探ってもらっている〟と広めるのが一番いいだろうな。」


そのように自論を展開したのです。


「つまり……、〝そういった任務を、彼女たちに担ってもらう〟という訳か。」


穂積(ほづみ)さんが確認したら、


「ああ、出来れば、だがな。」

「ただし、断ってもらっても構わん。」

「そのときは、自警団の何人(なんにん)かと代わってくれ。」


光沖(みつおき)さんが、私に視線を送りつつ述べました。


「ん??」

「私達が〝自警団に入る〟という事ですか?」


首を傾げたところ、


「君らは三人とも戦力になるからな。」

「俺としては、放置しておきたくない。」

「なので、どちらを取るか、真剣に考えてほしいんだが…。」


こう説得されたのです。


「それじゃあ、旅を続けます。」


迷わず伝えた私に、


「いいの??」

「そんな、即決で。」


真守(まもる)さんが目を〝パチクリ〟させました。


「ええ。」

「何を隠そう、私は、基本的に人見知りであり、団体行動が苦手ですので。」

「世界が様変わりしてからというもの、いろんな方々と接するようになって、だいぶ慣れましたし、妹と従兄妹が一緒なので気楽な部分もありますが、実は割と無理しています。」

「大所帯である“神里町自警団”で活動するとなれば、きっと私は病んでしまうことでしょう。」

「そのため、私にとっては、〝少数がベスト〟なのです!」


両の(こぶし)を腰に当て、胸を反らしたら、


「いや、琴晴ちゃん、それは自慢にはならないと思うよ。」


左斜め後ろに居る壱紀(かずき)くんにツッコまれたのです。


皆さんが〝くすくす〟と笑うなか、


「そういう事なら了解だ。」

「別の蘇生術士に関する件を、よろしくな。」


団長さんに声を掛けられ、


「はい!!」


と、応じる私でした―。




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