157.リラクセーション
ネクロマンサーはもとより、彼と行動を共にしていた人々が、足首を巻いていた“超強力粘着テープ”のみをハサミで切ってあげた後に、パトカーへと乗せられていきます。
現場にて、警察の方々からの聴き取りを終えた私達は、解散となりました。
明日の朝10時頃に[護衛隊]の皆さんが再びロビーに訪問するそうなので、我々はホテルへと戻る事になったのです。
ちなみに、〝チェックアウトは正午〟との話しでした……。
ロビーにて。
「嫌だ。」
「私も泊まりたい!」
駄々をこねているのは穂乃歌さんであります。
「ダメだ。」
「お前は生き返ったばかりで、オヤジもオフクロも心配してるんだから、帰るぞ。」
説得するは、穂積さんです。
時刻はPM21:20に差し掛かろうとしております。
神岳兄妹の会話を見守っていた紗凪さんが、
「私たちも、自宅に戻る?」
「明日は朝から巡回しないといけないし。」
真守さんに尋ねました。
「いや、二人と団長は、時間に間に合いさえすれば問題ないから、宿泊していってくれ。」
このように勧める穂積さんに、〝うぅ~ッ〟と不服そうな穂乃歌さんが、
「じゃあ、私も、そうする!!」
「お母さんに電話してくるから待っててぇー。」
スマホを片手に、小走りで外へと向かったのです。
「あ、おい!」
穂積さんが追いかけようとするも、
「まぁ、いいんじゃないかな??」
「本人の復活を祝して、今日ぐらいは我儘を許してあげても。」
真守さんの意見によって、
「しょうがねぇな。」
と、諦めました。
その近くにて、
「私は、一度、帰らせてもらいたいんだけど…、いいかしら?」
ハルカさんが、お仲間に確認します。
「うん。」
「明日の10時迄に、このロビーに戻って来るのであれば、構わないよ。」
アケミさんの承諾を得たハルカさんが、
「ありがとう。」
「それじゃあ、行ってくるわね。」
穂乃歌さんとは反対側の外に出て、[転移の宝玉]を使いました。
この流れで、
「ミサとカナも、自分らの家に戻っていいぞ。」
「俺とマサは、明日から、交替で車を運転して横浜を目指すから。」
ヒデさんが促したのです。
「んー、……、“カナりん”は泊まりなよ。」
「せっかくだしさ。」
そのように述べたミサさんに、
「帰るの? ミッサ―ン。」
琴音が伺います。
「ごめんねぇ。」
「でも、明日の朝には、こっちに来るよ。」
「私も、パフェ、食べたいし…、地元の三人とまたドライブしたいしね。」
こう告げたミサさんも外へと足を運び、
「じゃあねぇ~。」
手を振りつつ“テレポーテーション”しました。
そのタイミングで、
「〝お兄ちゃん達が一緒ならOK〟だってぇー。」
穂乃歌さんが合流してきます。
「穂積たちは、いつも〝朝の八時から昼まで〟を担当してたんだったよな……。」
「じゃあ、俺らは、明日、朝食を摂ってから、神里町に帰るとしよう。」
光沖さんが提案したところ、
「それでは、朝7時に集合して、皆でホテル内のレストランに赴こう。」
「ナガハマくんによれば〝料金は我々が支払うんで、とりあえず立て替えといてください〟とのことだったしな。」
勇者さんが、この場に居る全員に伝えました。
そんなこんなで。
お風呂で疲れを癒してから、就寝する事になったのです。
なんだか、とても長い一日でした。
まるで半年以上が経過したかのようであります。
あくまで私の感覚なので、おそらく気のせいでしょう。
多分、きっと―。