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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
156/317

156.一件落着

後方に弾き飛ばされた少年が、ソファに背中をブツけ、そのまま座る形となりました。


右手で胸を押さえ、


「が、あッ!!」


ネクロマンサーが痛がったところ、残っていた二体の幽霊の全身が揺れて、消えかけたのです。


「確かに、本体(・・)がダメージをくらうと、霊どもに影響を及ぼすみたいだな。」


分析したのは、光沖(みつおき)さんであります。


琴音(ことね)ちゃん、“魔法使い”を、お願い!」

「私は、“機工士”を!!」


そう促した穂乃歌(ほのか)さんが、


「ホーリー・ウォーター!」


幅5㎝×長さ15㎝といった【水の弾丸】を発射しました。


「うん!!」


応じた我が妹は、


「ライト・ボール!」


直径25㎝の【光の玉】を放ったのです。


一方、骨に(ひび)が入ったのか? 或いは折れたのか?? はたまた打撲程度なのか??? どれにせよ、【死霊使い】が苦しんでいます。


[ダガー(短剣)]を鞘に納めた穂積(ほづみ)さんが、ネクロマンサーを床に引きずり倒しました。


この流れで[アイテムBOX]から“超強力粘着テープ”を取り出し、少年を後ろ手にさせて〝グルグル巻き〟にしていきます。


更には、両足首も同様に拘束し、口にテープを貼り付けました。


近づいていった団長さんが、


「罪を償ってもらうぞ。」


[死霊使い]を右肩に担いで、


「地下2階の駐車場から、外に向かおう。」


そう周囲に伝えたのです…。



敷地の西側にて。


「よッ、と。」


少年を地面に仰向けで寝かせた光沖さんに、


「嬢ちゃん、他の二班の連絡先は、分かるよな?」


このように訊ねられました。


「あ、はい。」

「アケミさんとナガハマさんであれば、事前に交換しておきましたので。」


私が答えたら、


「じゃあ、メッセージを、一斉送信してくれ。」

「〝ネクロマンサーを捕まえた〟ことや、〝うちらは、現在、病院の外、西で待機している〟ことに、〝まだ建物内に潜んでいる連中の事は頼んだ〟と、な。」


そう述べたのです。


「では…。」


私がスマホを操作したところ、勇者さんから〝先を越されたのは残念だが、分かった〟〝あとは任せておきたまえ!!〟と、[護衛隊]の隊長さんからは〝了解しました〟〝見廻組には私から説明しておきます〟〝ありがとうございました〟と、返ってきました……。



病院内から、微かではありますが、幾つもの悲鳴が聞こえてきております。


およそ5分後――。


駐車場から走ってくる複数の人影が見受けられました。


高校生と(おぼ)しき“男性6:女性4”の集団が、私たちに気付き、


「げ?!」


驚いて足を止めます。


「やっぱり、こっちから逃げて来たか。」


呟いた団長さんに、


「嬢ちゃん、指示を。」


こう声を掛けられた私は、


「…、それでは、マサさん。」

「あの人達の動きを封じてください。」


と、お願いしたのです。


危険を察知したらしい“高校生10人組”が反転して、戻って行こうとするも、


「フィクス!」


マサさんが道路を〝ボコボコボコボコッ!!〟と隆起させ、彼らの膝あたりまでを固定して、阻みます。


「今です!」

「皆さん!!」


私の合図によって、[シンオウ(神横)連合隊]が総攻撃を開始したのでした。



彼らもまた、〝粘着テープ巻き巻きの刑〟に処されています。


我々が一息ついていたら、辺りからパトカーのサイレンが鳴り響いてきました。


後で知ったのですが、私とメッセージを交わしたナガハマさんが〝警察を呼んでおくように〟と[新・京都見廻組(みまわりぐみ)]に伝えておいたそうです。


何はともあれ。


「これで、今回の事件は、片が付いたわね。」


紗凪(さな)さんが微笑みます。


どこからともなく吹いてきた穏やかな風に、なんだか優しさを感じる私でした―。




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