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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
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154.所懐

廊下を進んで、“総合案内所”に出たところ、[護衛隊]の方々が佇んでおりました。


そこへ、


「ああー、散々だったぁ。」


「薄暗いなかでの“トラッパー”は厄介だな。」


愚痴るアケミさん&サトシさんを先頭とした[レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い]が、東側から合流してきました。


「どなたさんも命を落とさずに済まはったようで、まずは何よりです。」

「散り合えず…、情報交換しときましょか。」


ナガハマさんに促されて、各代表が順番に喋っていったのです……。



腕を組んだ光沖(みつおき)さんが、


「どれも似たような話しばかりだったな。」

「結局、ネクロマンサーの居場所は、しらみつぶしに探していくしかねぇか。」


独り言かのように意見します。


続いて、


「この病院の構造って分かります?」


護衛隊に質問したのは、【神官】のカズヒコさんです。


「あっこに“院内マップ”が設けられとるさかい、確認してみましょう。」


サカイダさんの提案によって、〝ゾロゾロ〟と足を運ぶ私達でした…。



【侍】のジュンヤさんが、


「北と南に病棟が、中央に診察棟が、一つずつ存在しているのか……。」

「どう分担する??」


誰ともなく訊ねたら、


「ボクらは絶対に“真ん中”だ!!」

「正面からの突入は譲ってあげたんだから、今回は引かないよ!」


と、勇者さんが主張したのです。


「ま、ええでしょう。」

「ほな、私たちは南側を受け持ちます。」


このように黒髪ボブさんが仰ったので、


「それでは、北側を」と私が言いかけたところ、


「いや、待ってくれ。」


口を挟んできた団長さんが、


「俺達は、地下に行くとしよう。」


そう述べました。


「なんで?」


穂乃歌(ほのか)さんが不思議がったら、


「あー、…、なんとなく、勘だ。」


光沖さんが苦笑いするも、


「だが、まぁ……。」


真顔になって、


「もし、これらの何処(どこ)にも潜んでいなかったときは、必然的に〝北に隠れている〟という事になる。」

「その際には、一度、また、ここに集まって、全員で移動しよう。」


こう締め括ったのです。



アケミさんとナガハマさんのパーティーを見送りつつ、


穂積(ほづみ)、“探知”を使って、主にB1を調べてくれ。」


団長さんが〝ボソッ〟と催促しました。


「ん??」

「あぁ、了解だ。」


スキルを発動した穂積さんが、


「…、一つだけ反応がある。」


そのように伝えたのです。


「やっぱりか。」


軽く頷いた光沖さんに、


「もしかして、予想してたの?」


真守(まもる)さんが疑問を呈します。


「さっき“マップ”に目を通した時にな。」

「……、おそらく、相手は、俺たちが来たことに気付いているだろう。」

「敵味方問わず、あれだけ騒いでればな。」

「で、だ。」

「B2は“駐車場”になっていて、通路で西側の外(・・・・)に繋がっているから、いざとなれば、そこから逃げ出せる。」

あそこ(・・・)はノーマークだからな、我々は。」

「ネクロマンサーが、ある程度こっちの動きを把握していると仮定するならば、脱出ルートとして選ぶだろう。」


こう解説する団長さんでした。


私が、


「何故、皆さんには内緒にしたんですか??」


光沖さんに伺ってみたら、


「“護衛隊”は、憎き仇に遭遇したら我を忘れて、殺害しかねない。」

「それに、人数が多くなっていくと連携を取るのが難しくなってしまう。」

「日々、一緒に訓練を積んできた仲じゃないからな。」

「だから、伝えるのを控えたという訳だ。」


そう返ってきたのです。


〝なるほど〟と私が納得していたところ、


「では、下に向かいましょうか、エレベーターで。」


壱紀(かずき)くんが周囲に声を掛けました。


しかしながら、


「それは下策だぞ、青年。」


団長さんに止められてしまったのです。


あれ(・・)は空間が狭いだろ。」

「大勢で乗っているところを襲撃されてしまったなら、対応が厳しくなるので、建物内での戦闘のときは利用を避けるべきだ。」

「…、OKかな?」


元傭兵である光沖さんの教えに、


「はい、(ため)になりました。」

「ありがとうございます。」


お辞儀する従兄妹でした―。




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