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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
151/317

151.突入です。

コンビニから北東に向かって、徒歩で約5分。


[廃病院]の駐()場前に到着しました。


「来たか。」


〝ボソッ〟と呟いた男性が、


「お??」

「あんたら…、確か、“東大路通(ひがしおおじどおり)”で()うたよな?」


そう声を掛けてきたのです。


穂乃歌(ほのか)さん以外の[シンオウ(神横)連合隊]のなかで、あのとき“和風の槍”にて【白炎(びゃくえん)】を放った人と一致しました。


各々に会釈した流れで、光沖(みつおき)さんが、


「四人だけかい??」


首を軽く傾げます。


「あー、他の仲間たちは、東と裏の扉あたりで、それぞれに見張っとりますんで。」


男性が説明したところ、


「君達も戦闘に参加するという訳かな?」


勇者さんが疑問を呈しました。


「いや、俺たちは、もし、建物から逃げ出してくる奴がいた場合、すぐに捕獲できるよう、待機しとく。」


このように述べて〝ふぅー〟と息を吐いた侍さんが、


「本当は、俺らも病院の中に入りたいとこなんやけど……、事前にスマホで“護衛隊”と話し合った結果、納得しさかい…、頼んだで!」


目に力を込めたのです。


「ああ、分かった。」

「任せておけ!!」


相手の気持ちを汲んで答えたアケミさんの後ろで、


「病院から薄っすらと灯りが漏れているようですが……、ライフラインは止まっていないんでしょうか??」


青髪ウィッグのカズヒコさんが、誰ともなく訊ねます。


それに対して、私達を案内してくれた女性が、


「あっこが移転したのは、つい最近で…、荷物の忘れ物がないかなどを最終チェックしてた頃に、世界が様変わりしてしまったさかい、作業を中断したそうです。」

「更には、(あや)さんを殺害した連中が、アジトにしてしもうた所為で、放置されたままになっとるとか。」

「そやさかい、電気、水道、ガスは、まだ使えるみたいです。」


と、教えてくれました。


あれら(・・・)は“非常灯”みたいだね。」


真守(まもる)さんの発言に続き、


「大々的に電気を点けるとネクロマンサーにとって不利になるやろうから、殆ど消しとるんかも。」


推測したのは、オシャレ坊主のサカイダさんです。


「それで?」

「正面と東に裏、どのチームが何処から乗り込む??」


日焼けマッチョであるサトシさんの質問によって、相談する我々でした……。



正面は、[護衛隊]が担当することになりました。


茶髪ショートゆるふわパーマの女性に引率してもらい、私たちと、アケミさん達は、反時計回りに進んでいったのです。



東側にて、


「それじゃ、手筈どおりに。」


「はい。」


勇者さんと挨拶を交わした私は、シンオウ連合隊と共に、裏へと足を運んだのでした…。



到着したところ、男性と女性が一人ずつ佇んでいました。


どうやら、[新・京都見廻組(みまわりぐみ)]のメンバーみたいです。


ゆるふわパーマさんが、


「いろいろと渡しておくもんがあるんで、リーダーの方は、イベントリを。」


このように催促してきます。


「では……。」


私が団長さんに視線を送ると、


「いや、俺の役目は、もう終わっているから、ここは嬢ちゃんが適任だろう。」


そう断られてしまいました。


「え?!」

「私ですか?」


少なからず戸惑ったところ、


「それが一番いいかもね。」


紗凪(さな)さんが同意し、誰もが頷いたので、引き受けざるを得なくなったのです。


[画面]をオープンして、ゆるふわパーマさんが送ってきた幾つかの道具を確認した私が、


「これらは??」


尋ねてみたら、


「犯人らを拘束するんに利用してください。」


との事でした。



全員が[戦闘モード]に装備をチェンジしていきます。


どこからともなく吹いてくる生暖かい風を肌で感じつつ、


(これから、廃墟で、お化けと戦うかもしれないのか…。)


〝フ〟と想像した私は、途端に緊張してしまったのです。


これを察したらしい穂乃歌さんに、


琴晴(ことは)ちゃ~ん。」

「ビビッてる?」


すかさず指摘されました。


「べ、べべ、別に。」

「〝幽霊の全てが、超平和バ○ターズの、め○まちゃんみたいに可愛ければ、怖くないのに〟とか思ってませんけど??」


なんとか誤魔化そうとするも、


「本音が漏れ出してるよ。」


壱紀(かずき)くんにツッコまれてしまったのです。


ご自身の腕時計を見た穂積(ほづみ)さんが、


「時間だ。」

「行こう。」


率先してドアを開けます。


時刻はPM20:40になっておりました。



割と幅が広い廊下を歩いていきます。


それぞれのポジションは……、


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


            ヒデさん     穂積さん


          マサさん    琴音    紗凪さん


            真守さん      琴晴


         壱紀くん    穂乃歌さん    光沖さん


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


このようになっていました。


暗がりのなか、向こうから〝ゾロゾロ〟と10人くらいの集団が近づいて来ます。


互いに〝ピタッ〟とストップしたところ、あちらの先頭に居る男性が、


「おッ!」

「お前たちか…。」

「こいつぁ感謝しねぇとな。」

「アイツに。」


〝ニヤァ~〟と口元を緩めたのです―。


病院は架空のものとなりますので、あしからず。


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