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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
148/317

148.現状⑧

ロビーの出入り口から、


「ほな、俺らは。」


「うん。」

「よろしくね。」


との声が聞こえてきた後に、黒髪ボブの女性と、オシャレ坊主さんが、私達の所へと歩いてきました。


「どうかしたんですか??」


私の質問を察した黒髪ボブさんが、


「あと5分くらいでエネミーが現れる時間になるさかい、護衛隊の八人は、ホテルの“戦闘職”と“ユニーク職”の従業員らと一緒に、対応してもらいます。」


このように答え、


「その間に、俺たちは、いろいろと話しをしていきたいんで、よろしゅうお頼申(たのもう)します。」


オシャレ坊主さんが続いたのです。


「紹介が(おそ)なりましたが…、私は護衛隊の隊長で“ナガハマ”いいます。」

「こちらは、副隊長の“サカイダ”です。」


黒髪ボブのナガハマさんが会釈して、坊主頭のサカイダさんが(なら)いました。


「まず、蘇生術士の(あや)さんは、清水寺に安置させてもろとります。」

「ご遺族が斎場を選んではる最中なんで、今日中には運ばれるでしょう。」


ナガハマさんが、そう述べました。


「……で?」

「あの小僧どもの行方は??」


団長さんが訊ねたところ、


「今、“新・京都見廻組(みまわりぐみ)”が血眼(ちまなこ)になって探しとるさかい、じきに連絡が入るでしょう。」


サカイダさんが伝えてくれたのです。


「しかし、お化けを操るとは…、あれ(・・)がどういうジョブなのかは分かるのかい?」


勇者さんの問いに、


「こっちで調べてみたとこ、“ネクロマンサー”とかいうらしく、日本語に翻訳すると“死霊使い”や“屍術師”などになるそうです。」


サカイダさんが説明しました。


「それで、彼は、なぜ、彩さんを襲撃したのでしょう??」


私が伺ってみたら、


「ネットによれば、世界中で似たような事件が起きとるみたいなんです。」

「ネクロマンサーは、亡くなった人間と動物の霊を扱うため、これらが復活すると手駒(・・)を失っていき、自分が不利になるんで、蘇生術士を狙っとるとか……。」

「ま、全てのネクロマンサーが、そうとは限らんようですが。」


ナガハマさんが教えてくださったのです。


その流れで、青髪ウィッグのカズヒコさんが、


「ん??」

「あの少年が出現させたのは、“乱世の武士”とかいう一体だけでしたよね?」

「〝他にも呼び寄せることが出来る〟のでしょうか??」

「数に際限なく。」


首を傾げました。


「ま、〝限りは有る〟みたいなんやけど…。」

「あの鎧武者は、アイツが手始めに(もろ)うた幽霊やないんかと思われます。」

「例えば、ヨーロッパ各国のネクロマンサーらは“中世の騎士”を使(つこ)おとるみたいやさかい。」

「“戦闘職”あたりに置き換えると、“最初の武器”ゆうたとこでしょう。」

(つるぎ)とか、槍であったり、薙刀みたいな。」

「で。」

「ネクロマンサー達は、レベルがアップしていけば、操作できるコマ(・・)が増えるらしく……、それら(・・・)は“現代の死霊”みたいです。」


こう解説したのはサカイダさんです。


紗凪(さな)さんが、


「それじゃあ、あの男の子は〝武士以外にも幾つかの霊をストックしている可能性が高い〟という事ね?」

「彼が〝LV.1ではない〟と想定した場合。」


そのように尋ねたところ、


「おそらくは。」


ナガハマさんと、


「十中八九。」


サカイダさんが、ほぼ同時に頷きました―。


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