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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
146/317

146.京都のホテルにて・ちゅうへん

「ループ?!」

「それって…、“激アツ”じゃないかぁーッ!」


アケミさんが嬉々となさっています。


ほぼほぼデジャヴです。


勇者さんの左隣にいるカズヒコ(青髪の神官)さんが、


「なぜ内緒にしていたのですか?」

「どんな理由があるんです??」


首を傾げます。


「あー、それはですねぇ……。」

「名古屋城でお会いしたあと、マイクロバスで一緒に三重県のホテルに向かい、宿泊したんですが…。」

「その時に、温泉を共にしたアケミさんとハルカさんに、ネックレスの件を、うっかり教えてしまいまして……。」


私が説明していたら、


「ん!?」

「ボク達の名前を知っているのかい??!」


アケミさんが驚いたのです。


「ええ、まぁ、車の中で教えてくださいましたので。」

「あのとき居なかった、そちらの〝丸メガネさん〟以外は。」


私が伝えたところ、


「あぁ、彼女は“ミオ”といってね…。」

「“裁縫師”なんだ。」


勇者さんが紹介してくれました。


「それで?」

「あなたの妹さんが、仁王門で、ハルカさんを睨んでいた事には、どう繋がるんです??」


カズヒコさんが疑問を呈し、


「それよ、それ!!」

「私って、なんで嫌われているの?」


白銀ショートヘアさんが不思議がります。


「……、殺されかけたんですよ。」

「三重のホテルで、ハルカさんに。」

「私は(つるぎ)で心臓を刺され、妹は“風斬(ふうざん)”を放たれて。」


そう述べたら、


「え?!」

「私が??」

「なんで?」


ハルカさんがビックリしたのです。


「私からネックレスを奪って、“ショウ”とかいう人が生きている頃に戻ろうとしていました。」

「ただ…、どの日時にタイムループするかはランダムであり、操作が不可能なため、自動的に“名古屋城の駐車場”に飛びましたけど。」


私は“もう一つのループ”を隠して〝ネックレスによるもの〟という話しにしました。


ハルカさんは、〝あちゃー〟と、左手で顔を隠し、


「弟がらみだったかぁ。」


と、呟いたのです。


私が〝キョトン〟としたところ、


「あぁ、ハルカくんはブラコン(・・・・)でね。

「弟くんの事となると見境を無くすんだよ。」

「困ったことに。」


アケミさんが〝やれやれ〟といった感じで肩をすくめました。


「とにかく!」

「ほんっと、ごめん!!」


頭を下げたハルカさんが、


「簡単に許される問題じゃないだろうから、この際、私をボコボコにして!」


こんな提案をしてきたのです。


「いえ、それは、さすがに。」


両手を振って断る私に、


「じゃあ、ビンタ!!」

「一発でもいいから、お願い!」

「私の気が済まないから!!」


ハルカさんが詰め寄ってきます。


「うぅ~ッ。」


躊躇した私ではありますが、終わりそうになかったので、


「しょうがありませんね。」


諦めて〝スクッ!〟と立ち上がりました。


「ありがと!!」

「さぁ、いつでも来て!」


歯を食いしばったハルカさんに対し、〝スゥ――、ハァ――〟と深呼吸した私は、


「いきます!!」


そう宣言して、右の(てのひら)で、左頬を〝バチィンッ!〟と平手打ちしたのです。


私は人生初のビンタに“変なスイッチ”が入ってしまい、


「これはクリ○ンの分!!」


左の掌にて、右頬をも平手打ちしてしまいました。


いわゆる“往復ビンタ”というヤツです。


琴晴(ことは)りぃ~ん。」

「そこは、せめて、〝コトネ―ンのぶん〟でしょ。」


ミサさんにツッコまれ、


「そもそも二発目はダメなんじゃない??」

「人として。」


壱紀(かずき)くんに指摘されました。


何はともあれ。


〝ハッ!〟とした私は、


「すみませんでした。」

「すみませんでした。」

「すみませんでした。」

「すみませんでした。」


〝ペコペコ〟と謝り倒したのです。


これを受けて、


「いや、いいよ。」

(もと)を正せば、私が悪いんだし。」

「それよりなにより……、“ドラ○ンボール”って名作だよねぇ~。」


ハルカさんが〝フ〟と遠い目をします。


そんな状況に、


「ぶはッ!!」

「ダメだ!」

「なんだか妙におかしくって、耐えられない!!」

「ツボった!」


勇者さんが吹き出し、誰もがつられて〝ドッ!〟と笑ったのでした―。




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