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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
142/317

142.推しではないけど尊い

黒髪ボブさんの指示に従い、光沖(みつおき)さんとアケミさんが一礼します。


椅子から立ち上がった“蘇生術士の(あや)さん”が、〝パチ パチ パチ パチ〟と拍手して、


「皆さん、こちらに、お集まりください。」


そう促したのです…。



なんとなく整列した私達に、


「どちらさんも、お疲れ様でした。」


彩さんが会釈した流れで、


「今日の試合は、全て見応えがあって、どれも素晴らしかったです。」

「敗れはった(ほう)は残念でしたが、気落ちせんと、また挑戦してみてください。」

「優勝チームは、おめでとさんです。」


このように述べました。


その周囲では、[護衛隊]の半数ほどが、テーブルを移動させたりと、なにやら準備しています。


「これより、ご希望の相手を復活させますが……、その後は、近くのホテルを押さえとりますんで、皆さん、お泊りください。」

「準優勝のグループも。」

「お代は、こちらで支払いますんで、遠慮せず。」


蘇生術士さんが報せたのです。


我々が(いま)だ意気消沈しているなか、護衛隊の一員である“茶髪ロングの女性”が、彩さんに近づいてきて、


「OKです。」


と、伝えました。


頷いた蘇生術士さんが、


「では、取り掛かりましょう。」


こう告げたところ、


「ちょっと待ってもらっていいかい?」


“赤髪セミロングの勇者さん”が止めたのです。


「はい??」

「なんでしょう?」


伺う彩さんに、


「うん。」

「実はね…。」

「ボクらが甦らせたいのは、一人だけなんだ。」

「という事は、枠が四つ余るよね、必然的に。」

それ(・・)を、準優勝の“シンオウ(神横)連合隊”に譲りたいんだが……、認めてもらえないだろうか??」


アケミさんが確認します。


「え?!」

「いいんですか?」


私を筆頭に、こちら(・・・)の誰もが驚いたら、


「ああ、構わないよ。」

「もともと、清水寺に向かう前に、〝ボクたちが優勝したら、そうしよう〟って、話していたんだ。」

「なので、こっちは、全員が納得済みさ!」


勇者さんが笑顔で答えました。


それに対して、


「ありがとうございます!!」


私は深々と頭を下げたのです。


他の人達も、お辞儀しております。


ミサさんに至っては、


「ありがたやぁ~、ありがたやぁ~。」


両手を擦り合わせて拝んでいました。


「や、やめてくれよ。」

「なんか、くすぐったいからさ。」


いささか困惑したアケミさんが、


「どうだろう??」

「この提案……、ダメかな?」


蘇生術士さんに視線を送ったのです。


「まぁ、あなた方が、それで宜しいんなら、私としては何も問題ありませんけど。」


彩さんが承諾してくださった事によって、


「やったぁ――ッ!!」


「よっしゃあッ!」


など、活力が戻る私たちでした♪



1台の長テーブルにて。


生き返らせたい人の姓名(フリガナ付き)/生年月日or年齢/住所を、用紙に記入する運びになりました。


なお、アドレスは簡略なもので良いそうです。


例えば、“東京都神里町”までを書き、これに続く番地(・・)は伏せておいて大丈夫とのことでした。


左から、ハルカさん・ミサさん・穂積(ほづみ)さんが横並びで、ボールペンを手に取ります。


その向こう側では、蘇生術士さんがイスに腰掛けていました。


時刻はPM19:15を過ぎたあたりです。


各試合は、予定よりも早く終わっています。


ペンを置いた三人が、待機している人達の所に、それぞれ合流しました。


「蘇生を始める前に…。」

「他界されている方は、御遺体や御遺骨が安置されとる場所で復活します。」

「斎場、ご実家、お墓、何処(どこ)であれ。」

「そやさかい、関係者は現地に(おもむ)かはるんが、よろしいでしょう。」

「この世に甦らはる人々や、ご家族が、混乱せんよう、いろいろと教えてあげる為にも。」


彩さんが、このように説明したのです……。



「じゃあ、行ってくる。」


穂積さんと、紗凪(さな)さん&真守(まもる)さん姉弟が、[転移の宝玉]でテレポートしました。


「すぐにでも、こっちに戻って来るからね。」


軽く手を振るミサさんは、カナさんに付き添ってもらって、横浜へと瞬間移動します。


「それじゃ、また、あとで。」


あちらでは、お仲間と相談していた“白銀ショートヘアーの騎士さん”が、一人で〝シュンッ!!〟とテレポーテーションしたのです。


お寺に残っている私たちは、各自、〝ワクワク〟〝ソワソワ〟しておりました―。




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