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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
141/317

141.決勝戦です・フィニール

「よーし、よしよしよしよし!!」

「よくやった!」


団長さんを筆頭に、私たちは、手を叩いて、紗凪(さな)さんを迎えました。


あちらでは、


「気にするこたぁないッ!!」

「あとはボクに任せておけ!」

「必ず決めてみせるから!!」


アケミさんが宣言しております。


それに気付いた真守(まもる)さんが、


「あの赤毛の人って、“勇者”だったよね?」


私に確認してきました。


「ええ。」

「そうです。」


私が頷いたところ、


「勇者??」

「なんだそりゃ?」


光沖(みつおき)さんが眉をひそめたのです。


「そういうジョブでして……、“蘇生術士”より珍しいかと…。」


私に続いて、


「ロールプレイングゲームの主役だよ。」

「漫画やアニメとかの題材にもなっているみたいだけど……。」

「まぁ、どれも、〝他の職種とは異なる特別な存在〟という扱いになっているね。」

「それこそ“唯一無二”みたいな。」


真守さんが説明しました。


「んん~??」

「要は、〝かなり強い〟って事か?」


尋ねてきた団長さんに、


「はい。」

「アケ…、あの女性の詳しいステータスは分かりませんが、そう思っておいたがよいかと。」

「本人のレベルにもよるでしょうが。」


私は、このように答えたのです。


「ふむ。」

「若さや見た目に惑わされず、用心するに越したことはない、か。」


光沖さんが認識を改めたタイミングで、


「両チームの代表は、こちらまで!」


黒髪ボブさんが述べました……。



【騎士】である団長さんは[木槍]を、【勇者】たるアケミさんは[木剣]を、手にしております。


これまで通り、審判さんがルールを説明していき、


「泣いても笑っても、これが最後となります。」

「どちらも後悔せんよう、お気張りください。」

「ほな、大将戦…、始めぇッ!!」


そのように告げたのです。


光沖さんが、


「むんッ!」


武器を左から右へと払います。


「てぇいッ!!」


アケミさんは剣で逆方向に、槍を〝カンッ!〟と弾き返しました。


この流れで、


「もらったぁあッ!」


勇者さんが武器を上から振り下ろしたのです。


「ぬおッ!!」


団長さんは体を左後方に捻って逃れました。


そこからは、互いに応酬を繰り広げていったのです。


木槍と木剣とが、ぶつかり合う音が響いております。


この闘いを〝じぃ――ッ〟と観察しているのは壱紀(かずき)くんです。


きっと学べるものが多いのでしょう。


暫くして、お二人は、どちらともなく距離を取りました。


アケミさんが、


「なかなか強いねぇ。」


笑みを浮かべます。


「そっちこそ。」


光沖さんも〝フッ〟と口元を緩めました。


真顔になって黙した双方が、〝ジリ ジリ〟と間合いを詰めていきます。


先に攻撃したのは団長さんです。


突きに掛かった武器を、途中で〝ピタッ〟と止めました。


「ん?!」


勇者さんが(いぶか)しがったところで、光沖さんが槍を下から上に〝ぐるんッ!〟と半転させます。


武器の反対側で、アケミさんの顎を狙うも、


「おっと!!」


上半身を反らして躱されました。


しかしながら、


「と、と、と、とぉ~!」


勇者さんはバランスを崩して後退りしています。


“好機”とばかりにダッシュした団長さんが、木槍を右から左へと払いました。


アケミさんは、その一撃を避けきれず、左脇腹に()を〝ズドンッ!!〟と、くらったのです。


「ぐぬぅうッ。」


歯を食いしばった勇者さんが、左手で〝ガシッ!〟と槍を掴みます。


更には、右手に握っている剣の“先端”を、団長さんの喉元に〝スッ〟と付けたのです。


「勝者……、アケミ選手!!」


審判さんの判断に、〝ああ~~ッ〟と肩を落とす我々でした―。




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