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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
140/317

140.決勝戦です・カトル

穂積(ほづみ)さんが戻ってきます。


「やった! やったぁー!!」


〝ぴょんぴょん〟飛び跳ねて喜びを表現しているのはミサさんです。


その右隣にて、琴音(ことね)が両手で軽く〝うっしッ!〟とガッツポーズしております。


紗凪(さな)さんと真守(まもる)さんは、同時に、穂積さんとハイタッチしました。


むこうでは、


「ドンマイ、ドンマーイ!!」

「まだまだこれからだ!」

「切り替えていこぉうッ!!」


“赤髪の勇者さん”が、お仲間を盛り上げています。


どちらの様子も窺っていた審判さんが、


「良ければ、副将戦にしまーす!」


このように促しました。


「それじゃあ行ってくるわ。」


“清水の舞台”に向かおうとする紗凪さんに、


「勝てよ、姉貴。」


真守さんが声を掛けます。


「当然。」

穂乃歌(ほのか)を生き返らせるためにね!!」


気合十分で答える紗凪さんでした……。



対するは、【騎士】のハルカさんです。


右手には[木剣]を持っています。


紗凪さんは、相変わらず“素手”です。


ルールを説明した黒髪ボブさんが、


「始めッ!」


と、合図しました。


一気に間合いを詰めた紗凪さんが、パンチとキックを、ハルカさんの胸元や腹部に、次々とヒットさせていきます。


ちなみに、ハルカさんは[薄鉄の甲冑]を装備中です。


一方の紗凪さんは、薄鉄による胸当て・肩当て・肘当て・籠手(こて)・膝当て・(すね)当て、といった格好であります。


なお、足も薄鉄で覆われており、それ(・・)は“脛当てと一体化しているタイプ”の物です。


「くッ!!」


眉間にシワを寄せたハルカさんが、武器を〝ズォッ!〟と突き出します。


これを、紗凪さんは左へのサイドステップで躱したのです。


二人は、呼吸を整えつつ、〝スッ〟と構えました。


互いに隙を与えまいとするなか、


「さっきのラッシュを耐えるなんて…、結構、強いんじゃない?」

「あの騎士。」


カナさんが分析したのです。


「んー、まぁ、騎士は、他のジョブよりも防御力が高いみたいだからな。」

「だが、ノーダメージってことはないだろう。」

「体の内側には、確実に蓄積されている筈だ。」


そのように述べたのは、団長さんであります。


誰もが固唾を呑んで見守っていたところ、ハルカさんが剣を上から振り下ろしたのです。


後方へと逃れた紗凪さんに、今度はハルカさんが猛攻を仕掛けていきます。


紗凪さんは、左右に避けたり、籠手で受けたりと、冷静に(さば)いていました。


数十秒後。


上半身ばかりに攻撃を集中させていたハルカさんが、不意に、紗凪さんの右太腿へと、木剣を横に払ったのです。


紗凪さんの意識が(おろそか)かになっているであろう下半身を狙ったのでしょう。


おそらく、作戦だったに違いありません。


これには反応できないだろうと思われた紗凪さんでしたが、ジャンプするなり、ハルカさんの左顔を、右足で〝ガゴンッ!!〟と蹴りました。


ハルカさんは頭から頬にかけて[兜]で守られているとは言え、かなり強烈だったみたいで、仰向けで〝ドサッ!〟と倒れたのです。


ま、“薄鉄”なので、そんなに頑丈ではありませんしね。


何はともあれ。


「ぐぅ~ッ。」


体を起こそうとするハルカさんに、すかさず紗凪さんが馬乗りになります。


流れるように、ハルカさんの首下(鎖骨)あたりを左の(てのひら)で押さえた紗凪さんが、右の拳を顔面にお見舞いしようとしたら、


「そこまで!!」

「勝者、紗凪選手!」


審判さんが告げたので、〝ピタッ〟と止ました。


このジャッジに、


「ぅぉぉおおっしゃ――ッ!!」


ミサさんが大きく万歳したのです。


更には、我が妹も同じポーズを取っています。


かくして、決着は大将戦に持ち越されるのでした―。




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