表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
138/317

138.決勝戦です・ドゥ

私達が待機している東側の[楽舎]に、ヒデさんが戻ってきました。


「すまない。」


謝るヒデさんを、


「いや、気にすることはない。」

「いい勝負してたぜ。」


穂積(ほづみ)さんがフォローします。


これに続いて、


「そうだよ、ヒデっち。」

「ドンマイ!」


ミサさんが励ましました。


あちらでは、


「よーし、よし!!」

「このまま勢いにノッていこーうッ!」


【勇者】たるアケミさんが鼓舞し、お仲間が〝おおー!!〟と盛り上がっています。


そんな状況にて、


「両チームの次鋒は、近くまで、お越しください。」


審判さんが促しました。


自身の両頬を手で〝パァアンッ!〟と叩いて気合を入れた壱紀(かずき)くんが、


「じゃあ、行ってくる。」


私に告げて、[木斧]を手に取り、“舞台”へと向かったのです……。



[レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い]からは、【侍】のジュンヤさんが登場しました。


左手には[木刀]を握っています。


「 “サウスポー”が出張ってきたか…。」


[円山(まるやま)公園]での予選と準決勝でインプットしていた団長さんが、


「右利きにとっちゃあ、やりづらい対戦になるだろうが……、頑張ってもらうしかねぇな。」


独り言かのように呟きました。


舞台の中心では、“黒髪ボブ”の審判さんが、改めてルールを説明していき、


「第二試合…、始めッ!」


合図を送ったのです。


おもいっきり左足を踏み込んだ壱紀くんが、右から左へと木斧を払います。


これを後方へと躱すジュンヤさんは、〝ブォッ!!〟という風圧に、


「おッ!」


いささか驚いていました。


なにせ、【戦士】は“パワー系”ですからね。


別に壱紀くんの事を見下していた訳ではないでしょうが、明らかに高校生である男子にしては〝予想以上に力がある〟といった感じだったのかもしれません。


何はともあれ。


壱紀くんが、木斧を、縦・横・斜めへと振るいます。


ジュンヤさんは、それらの攻撃を、バックステップやサイドステップで避けたり、木刀で受け流していったのです。


「ちょっと飛ばし過ぎじゃない?」


紗凪(さな)さんの指摘に、


「確かにね。」


真守(まもる)さんが頷きました。


「〝意地でも負けられない〟といった感じで、空回りしちまってるな。」


そう分析した光沖(みつおき)さんが、


「落ち着け、青年!!」

「“じっくり”で構わんぞ!」


声を掛けます。


しかし、これは、少し遅かったみたいです。


壱紀くんが右斜め下から左斜め上に払った[木斧]を、右(我々からは左)へと逃れたジュンヤさんが、隙だらけの左脇腹を[木刀]で〝ドンッ!!〟と叩きました。


[薄鉄の鎧]を装備しているとはいえ、なかなかの衝撃があったのでしょう。


「ぐッ!」


壱紀くんが眉間にシワを寄せます。


それでも止まろうとしない我らが従兄妹は、痛みを堪えて、木斧を左から右へと振ったのです。


ただ、この一撃は、誰も居ない所を虚しく斬っただけでした。


なぜならば、ジュンヤさんが、それよりも先に、壱紀くんの背後を取っていたからです。


壱紀くんの左首に、ジュンヤさんの木刀が〝ピタッ〟と添えられます。


これによって、


「勝者、ジュンヤ選手!!」


二試合目が終了しました。


悔しさのあまり項垂れる従兄妹に、


「悪くは無かったが……、全体的に動作が大きかった。」

「武器をコンパクトにも扱えるようになれば、もっと成長できると思うぞ。」


ジュンヤさんがアドバイスします。


それを受けた壱紀くんが、


「あざっす!」


深々と頭を下げたのです。


柔道経験者である彼は、礼節を重んじたのでしょう。


これは素晴らしいことなので“良し”として…。


二敗目を喫し、後がなくなる[シンオウ(神横)連合隊]でした―。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ