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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
136/326

136.決勝戦です・ゼロ

礼堂の“外陣”には、4台の長テーブルを横並びで隣り合わせにしたのが2セットありました。


どちらも、それらのテーブル上に、木製の武器が置かれています。


私たちから見て、右側のテーブル群を[シンオウ(神横)連合隊]が選びました。


左側は、当然、勇者さん達です。


双方の出場メンバーが武器を手に取っていくなかで、真守(まもる)さんが、


「しかし、よく、お寺がOKしてるね。」

「ここで試合したりするのを。」


疑問を呈したところ、


「まぁ、それも、蘇生術士さんのお陰や。」

(あや)さんは、清水寺の近くに住んでおられて、この界隈の為に尽力してくださったんやて。」

「世界にエネミーが現れた初日から、住民や、お坊さんに、観光客と、亡くならはった人らを生き返らせてあげたり…。」

「お寺の破壊されてしもうとった箇所を、知り合いの“修復士”に直してあげるよう頼んでくださったりと。」

「それで感謝したお坊さんたちが提供してくれとるんよ。」

「今は来訪する人も激減しとるさかい、お寺の邪魔にはならんようやわ。」


近くに居た“茶髪ロングの女性”が教えてくれました。


更に、


「で、蘇生術士さんの活動に感銘を受けた者達が集まって来て、“新・京都見廻組(みまわりぐみ)”と“護衛隊”を結成したんや。」


補足したのはオシャレ坊主さんです。


この間に武器のチョイスが終わったようで、


「それでは、東西に分かれてください。」

「約2分後に決勝戦を開催します。」


彩さんに誘導される我々でした……。



[清水の舞台]の東と西には“楽舎”なるものが在り、何脚かの長イスが置かれています。


北側は“礼堂廊下”となっており、パイプ椅子に蘇生術士さんが腰掛けました。


彼女の左右と背後には、[護衛隊]が三人ずつ直立しております。


それこそ彩さんを護るかのように。


ちなみに、お一人は審判を務めるのだそうです。


舞台の南にて、黒髪ボブさんが、


「決勝は、(ひと)試合5分となります。」

「ぼちぼち時間になるんで、両チームの先鋒は、近くまでお越しください。」


このように述べました。


「じゃあ、行ってくる。」


そう告げた【シーフ(盗賊)】のヒデさんが、東側から舞台の中央あたりまで歩いていきます。


西から進んできたのは、青髪ウィッグの【神官】こと“カズヒコ”さんです。


足を止めた2名を、


「では、防具をセットしてください。」


審判である黒髪ボブさんが促します。


「“円山(まるやま)公園”での戦いっぷりからして、あちらさんは、かなり強いよな。」


団長さんが腕を組んで渋い顔つきになりました。


「ええ。」

「予選も準決勝も、余裕で勝ってましたよ。」


罠師(トラッパー)】であるマサさんが答えます。


「どっちも弱かっただけ、じゃなく?」

「“カヤマ”のグループみたいに。」


尋ねたのは、“茶髪のギャル”こと、ミサさんです。


紗凪(さな)さんが、


「いえ、これから対戦するメンバーは、私達と同等以上の印象だったわ。」


冷静に伝えます。


「じゃあ、負けるかもしれない、と??」


“金髪ロング”のカナさんが眉間にシワを寄せました。


「正直、こっちは厳しいだろうな。」


軽く〝ふぅ〟と息を吐いた穂積(ほづみ)さんが、


「ま、優勝できるように務めるがな。」

「無論、全員が。」


そのように締め括ったのです。


あとはもう、皆さんの勝利を信じるより他に(すべ)がありません。


なかでも特に、観戦するだけの面子に出来る事は―。




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