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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
134/317

134.貴重なジョブ

長テーブルの向こう側には、午前中と同じように、左側:茶髪ロングの女性/真ん中:黒髪ボブの女性/右側:オシャレ坊主の男性、といった順で並んでいます。


腕時計を確認した坊主頭さんが、


「時間やから、始めよか。」


そう述べました。


真ん中に居る女性がメモ帳に目を通して、


「では、そちらから見て、“レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い”は左へ、“シンオウ(神横)連合隊”は右に、お並びください。」

「各代表者に、先鋒から大将までの名前を登録用紙に書いてもらいますが、渾名(あだな)であったり、簡略化したものでも、(かま)しまへん。」


このように告げてきたのです。


「じゃあ、団長さん、お願いします。」

「私達のリーダーですので。」


私が会釈したところ、


「ん? そっか??」

「…、それでは、僭越ながら。」


光沖(みつおき)さんが引き受けてくださいました。


あちらは、当然の如く、[赤髪の勇者]ことアケミさんが、出場者の名を記していきます。


「…………。」

「どちらも済まはったようなので、決勝戦を行う“清水の舞台”へと、ご案内します。」

「皆さん、私の後に、お続きください。」


“黒髪ボブの女性”に促されて、両グループが移動を開始したのです。


なお、“茶髪ロングの女性”と“オシャレ坊主の男性”は、集団の最後尾に付きました。


余談かもしれませんが、坊主頭さんは、脚を折りたたんだテーブルを、右肩に担いでおります。


なにはともあれ。


[本堂]へと歩きながら、真守(まもる)さんが、


「あなた方も“新・京都見廻組(みまわりぐみ)”なんですか?」


そう尋ねたところ、先頭を行く“黒髪ボブ”さんが振り返って、


「いいえ。」

「私たちは、蘇生術士さんの“護衛隊”で……、万が一に備えて、10人で彼女の身辺警護をしとるんです。」

「うちら以外の7人は、現在、蘇生術士さんの側におります。」


と、答えました。


「誰かに狙われているのかい??」


勇者さんの質問に、


「今のところは。」


首を横に振った黒髪ボブさんが、


「ただ…、亡くなった方を甦らせるんに必要な金額を払えんかったり、予選で負けたチームのなかで、逆恨みした人らが襲ってくるとも限らしまへんし……。」

「それに、外におるときにエネミーに攻撃されたりだとか、“結界”を破壊されてしまう可能性もありますんで。」


このように説明したのです。


「蘇生術士は〝闘いには不向きな職種〟という事か。」


アケミさんの所の、アップバングの【侍】である“ジュンヤ”さんが伺います。


それに、後方のオシャレ坊主さんが、


「“ユニーク職”やよ、あのジョブは。」

「で、蘇生術士さんはパーティーを組んどらん“ソロ”やさかい、俺達で護ることにしたんや。」


こう教えてくださったのです。


「にしても、厳重だな。」


穂積(ほづみ)さんの率直な意見に、


「以前、蘇生術士さんが〝この職種は世界各国に一人ずつしかおらへんて、ジョブんとこの項目に書いたったわ〟みたいなことを言うてはったさかい、用心してんねん。」


茶髪ロングさんが伝えてきました。


「つまり…、日本には、これから我々がお会いする方しか存在していない、という事ですね。」


[青髪の神官]ことカズヒコさんの解釈に、


「そや。」


頷いた黒髪ボブさんが、


「もし、ここの蘇生術士さんを失ってしもうたなら、国内では誰も復活できひんようになるし、海外への渡航は不可能になっとるさかい、“護衛隊”を結成したんや。」

「そないに乗り気やなかった本人を説得して。」


経緯を語ったのです。


「こんな状況になってしまった世の中において、最も死なれたら困る人物という訳か……。」


団長さんの見解によって、【蘇生術士】が如何に重要な職種なのかを再認識する私たちでした―。




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