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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
127/326

127.予選

“角刈り武闘家”が、


「うるせぇ!」

「外野は、すっこんでろッ!!」


“白い特攻服&金髪リーゼント”のヤンキーに怒鳴りました。


「なんやと?!」


キレそうになった“金髪リーゼント”を、


「ほっとけや。」

「アイツらとは二回戦で当たるかもしれへんから、そん時でええやろ。」

「まとめていてまうのわ。」


“黒い特攻服&茶髪ロン毛”の男性が止めます。


これによって、


「……、せやな。」

「そんためにも、一回戦目、必ず勝となッ!」


冷静になった金髪リーゼントが、お仲間に告げました。


あの暴走族たちは“3番”のクジを引いていたので、第二試合に登場する事になっています。


黒髪で“七三分けツーブロック”の審判さんが、ご自身の腕時計を見ながら、


「ボチボチいくで。」


右手を〝スッ〟と挙げました。


「10、9、8、7」


カウントダウンが進んでいくなか、[スラムダンカーズ]がポジションに着きます。


ちなみに、[シンオウ(神横)連合隊]の先頭は、神原光沖(かんばらみつおき)さんです。


二列目は、左から、神澤紗凪(かんざわさな)さん/最神壱紀(もがみかずき)くん、となっております。


その後ろには、神岳穂積(かみかほづみ)さん・ヒデさんが、横並びになっていました。


対戦相手の方は…、“筋肉ダサ()”が最前です。


こちらの二列目は、やはり左から、女性騎士/男性(さむらい)/女性戦士、という並びになっています。


最後尾は、男性剣士のようでした。


彼らも[薄鉄の防具]を装備しているため、それぞれのジョブが判明したのです。


「2、1」

「始めぇえいッ!!」


審判さんが、掛け声と共に、〝ブンッ!〟と手を振り下ろします。


制限時間10分の戦闘がスタートするなり、“角刈り武闘家”がダッシュし、他のメンバーが続きました。


「まずはテメェからだ、おっさん!」


“筋肉ダサ男”が木製ヌンチャクを左から右へと払います。


それを、しゃがんで躱した団長さんが、屈伸のバネを利用して立ち上がるのと同時に、


ガツン!!


木槍で“角刈り武闘家”の(あご)を突いたのです。


「ぶべぇーッ!」


と発して、天を仰いだ“筋肉ダサ男”が、背中を地面に叩き付けました。


もう一度、言いましょう。


〝ぶべぇーッ!〟です。


某・拳法漫画の〝あ○し!!〟や〝ひ○ぶっ!!〟などに比べて、なんとセンスの無いことか。


こういうところもまた、ダサ過ぎであります。


それでも、まぁ、私のなかでは、めでたく、[ぶべぇーッ番長]に昇格した“角刈り武闘家”でした。


なにはともあれ。


一撃で気絶した“番長”に、


「なッ!?」


[スラムダンカーズ]がストップしました。


すかさず、紗凪さんが、女戦士の胸元に、掌底をヒットさせて、グラつかせます。


紗凪さんは〝素手の方が戦いやすい〟との理由で、武器を装備しておりません。


余談かもしれませんが、〝ルール的には問題ない〟と運営委員が認めているため、OKです。


一方、壱紀くんは、右から左へと振るった木斧で、女騎士の胴に衝撃を与えました。


“薄鉄の鎧”に守られてダメージは減少したようですが、彼女もフラついています。


何かと焦りが生じた敵チームに、[シンオウ連合隊]が総攻撃を仕掛けていった結果……、見事に勝利を収めました。


「なんか…、威勢が良かった割には、大したことありませんでしたね。」


私の疑問混じりの感想に、


「あの面子は、エネミー退治を殆ど他人に任せていたというか…、面倒なことは周りに押し付けていたからね。」

「ミツルの威を借りて。」

「アイツが警察に捕まったのを知るなり慌てて中華街から逃げ出した後で、本気でバトルに取り組むようになったんだろうけど……、それだとレベルは低いんじゃないかな?」

「最初っから真剣に積み重ねてきた人たちよりも。」


マサさんが答えたのです。


「なるほどぉ。」


私が納得したタイミングで、意識が戻った“筋肉ダサ男”が、上半身を〝ガバァッ!〟と起こしました―。




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