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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
126/318

126.モラルは何処へ?

抽選会が始まりました。


くじ引きは、清水寺の[仁王門]で参加登録をした順番なのだそうです。


なので、私たちは〝引くまでもない〟という事になります…。



そんなこんなで、我ら[シンオウ(神横)連合隊]は、最後まで空いていた“2番”となりました。


必然的に。


“1番”は、[スラムダンカーズ]というチームです。


(いや、それ(・・)って……。)


私が、〝赤頭の男子高校生〟や〝カーネ○おじさんに似ている監督〟などを連想していたところ、


「なんだ?」

(しょ)(ぱな)は、テメェらか??」

「そりゃ、好都合だな。」


“角刈りピタT”が声を掛けてきました。


〝ふぅッ〟と息を吐いたヒデさんが、


「つまり…、“スラムダンカーズ”っていうのは、お前達な訳か…。」


少なからず嫌そうにしたのです。


「おうよ!!」


何故だかドヤる“筋肉ダサ()”に、


「この名称って……、バスケットボールを題材にした人気漫画のパクリですよね?」


私が追及してみたら、


「さ、さぁ??」

「なんのことだ?」


おもいっきり目を逸らしたではありませんか。


「いやいや、主に神奈川を舞台とした物語ですし…。」

「ああ、その部活だかサークルに所属しているという訳ですか、あなた方は。」


〝ふむ ふむ〟と納得する私に、ボディコン風の衣服である“ケバ(じょ)”が腕を組んで、


「いいえ、私たちにバスケ経験者は一人もいないわ!」


不思議なマウントの取り方をしてきました。


[旧・ミツル一派]の意味不明な威張り方に困惑していたところ、お団子ライトブラウンヘアーさんに、


「二時から試合になりますんで、武器を選んでください。」

「一番のチームから。」


と、促されたのです。



[スラムダンカーズ]のなかで出場する人らが、ブルーシート上に置かれている武器を、各自、手にしていきました。


木製ヌンチャクを右手に持っている“角刈りピタT”が、


「覚悟しとけよ!!」

「秒で倒してやっかんなッ!」


私に向けて宣言したのです。


負けじと、


「その言葉、そっくり返してあげますよ!!」


私が応酬したところ、


「ふんッ!」

「そいつぁ、楽しみだな。」


薄ら笑いを浮かべた“筋肉ダサ男”が、仲間と共に去っていきました……。



定刻となり。


“ラジオ塔”あたりで、[シンオウ連合隊]と[スラムダンカーズ]の代表が、5人ずつ整列しています。


ちなみに、審判は、黒髪で“七三分けツーブロック”の男性です。


背丈は180㎝ぐらいで、年齢は20代後半といった印象を受けました。


観戦者は、[祇園枝垂桜(ぎおんしだれざくら)]の近くで見守る約束になっております。


そんな状況で、小刻みに〝プルプル〟と震えていた“角刈りピタT”が、


「つーか…、オメェは出ねぇのかよッ!?」


私に対して怒鳴ったのです。


「ん??」

「私、〝出場する〟なんて、ひとっことも、言ってませんけど?」


首を傾げた私に、


「フザケやがって……、本気で泣かすぞ、ゴルァアッ!」


巻き舌になった“筋肉ダサ男”が、歩いて来ようとするも、


「“失格”にすんでぇ。」


審判さんに告げられて、


「ぐぬッ!!」


踏み(とど)まりました。



“角刈りピタT”が並び直し、審判の男性が両メンバーにルールを説明したようです。


聞き終えた双方が、ポジションにつくべく、互いに離れて、[モードチェンジ]で防具を装備しました。


この流れで、


「なぁ??」

「試合の前に、身内で“気合入れ”やってもいいか?」


“角刈りピタT”が尋ねたのです。


左手首の“腕時計”を確認した審判さんが、


「まぁ、まだ時間あるさかい…、構へん。」


そう伝えました。


「うしッ、あれ(・・)、やんぞ!」


“筋肉ダサ男”に促されたグループが、円陣を組みます。


比率は“男性3人:女性2人”です。


“ボディコン風ケバ女”は、参加メンバーではありませんでした。


“角刈りピタT”改め[角刈り武闘家]が、


「オレたちは」


こう発したら、


「強い!!」


他の面子が、そのように続いたのです。


(なッ?!)


私が固まってしまったところ、三つ右隣に居た“白い特攻服&金髪リーゼント”の不良による、


「おもいっきりパクっとるやんけぇえ――――ッ!!!!」


とのツッコミが、晴れた空の下、どこまでも響き渡ったのでした―。




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