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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
110/317

110.甦りの条件

バスに揺られること、およそ16分。


“清水道”のバス停で降車した私達は、お寺へと歩いたのです。


だいたい15分が目安だそうですが、琴音(ことね)の足に合わせたので、20分程かかりました。


途中の“清水坂”あたりは、なんとも風情があって、〝京都に来た感〟を味わえます。


そんなこんなで…、やって参りました、清水寺!


(これで、穂乃歌(ほのか)さんを復活させられる。)


と思ったら、自然とテンションが上がってきたのです。


この後、〝なんやかんや〟が巻き起こるとは知らずに……。



正面入り口にあたる[仁王門]の階段前に、長テーブルが設置されており、スーツ姿の男女が一人ずつ立っています。


私たちから見て、左側は茶髪ロングの女性/真ん中は黒髪ボブの女性/右側はオシャレ坊主の男性、といった計三名です。


中央の女性が、


「“一般依頼”は左に、“特殊依頼”は右に、それぞれ、お並びくださーい。」

「参拝の(かた)ぁらは、そのままお進みもろぉて、(かも)おりませーん。」


と、呼び掛けています。


左側には7~8人の列が出来ているものの、右側は皆無でした。


〝何が、どう違うのか〟分からなかったので、右の男性に、伺ってみることにしたのです。


年齢は30代半ばといったところで、身長は170㎝ぐらいでしょう。


「あのぉ~、ちょっと、よろしいでしょうか?」


「ん??」

「なんかな?」


「そのですねぇ…、皆さん、なぜ、左側にだけ並んでいらっしゃるのでしょうか?」

「右側は空いているのに……。」


「あー、“一般”と“特殊”やね。」

「…、君らは、“蘇生術士”のことは知っとるんかいな??」


「はい。」

「生き返らせたい人がいて、それで、お寺に訪問したのですが……。」


「ほうか。」

「…、まず、彼女が蘇らせられるのは〝5人まで〟や。」

「けど、ま、そこは、うちらのように雇われとる“戦闘職”や“ユニーク職”が、“魔力回復ポーション”を渡して補のぉとるんやけど……。」

「とは言え、ポーションの数に限りがあるさかい、〝一日に復活させるのは20人まで〟と決められたんや。」

「本人がレベルアップしてけば、これから、生き返らせられる数も増えていくんやけどね。」

「ちなみに、やけど…、人間だけでなく動物も蘇らせる事が可能やよ。」

「……、ここまでは、ええかな?」


「はぁ、…、蘇生術士さんって、女性なんですね。」


「ああ、そうや。」

「……、よければ、話しを進めても??」


「あ、はい。」

「お願いします。」


「…、それで、や。」

「午前10時の部・午後2時の部・午後4時の部、ほして、午後7時の部、といった構成になっとるんだが……。」

「〝一人あるいは一体〟を復活させるんには、500万円を払ぉてもらわんとあかんねや。」


「ごひゃッ!?」

「〝一回につき〟ですか?」


「うん。」

「でも、まぁ、それらのお金は、殆どが寄付などに使われとるよ。」

「困っている人達に、救援物資を購入して届けてあげたり…、“修復士・栽培士・畜産士・養殖士”の活動資金を援助したり、と、ね。」

「あと……、残りは、うちらの給料になっとるんやけど…、彼女は、けっして、私利私欲のために、お金を稼ごうとしとる訳やないから、そこのトコは、ぜひ、理解してほしい。」


「なるほど。」

「ですが……、私達には、そのような大金は支払えません。」


「そこで、や!!」

「君たちみたいに、金銭的に厳しい人らのため、この“特殊依頼”が設けられとるんよ!」


「……、それ(・・)は、どのような??」


「単刀直入に…、五人一組のチームを作って、参加者同士で(たたこ)おてもらう!!」


「はい?!」


「これは、なんと、〝優勝チームは、タダ(無料)で、5人まで生き返らせてあげる〟という、特別措置なんよ!!」


〝ニカッ!〟と爽やかな笑みを浮かべる男性でした―。


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