表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
109/317

109.京都の案内所

名古屋駅を出発して約43分後。


京都駅に到着した私達は、[総合観光案内所]へと向かったのです。


ダメもとで……。



利用者は殆どいなかったので、すぐに順番が回ってきました。


「あのぉ~、すみません…、こういう事を聞くのは、変な話しだとは思うんですけど……。」


どう尋ねたらよいものか悩みつつ、声を掛けた私に、


「はい?」

「なんでしょうか??」


受付の女性が、微笑みながら返してきます。


年齢は20代半ばといったところでしょう。


「実はですねぇ…、〝京都に、死者を生き返らせられる人が居る〟との噂を耳にして来たのですが、さすがに知りませんよねぇ?」


このように伺ってみたら、


「ああ、“蘇生術士”さんですね。」

「その方でしたら、今の時間帯は、“清水寺”にいらっしゃる筈ですよ。」


と、教えてくださいました。


「はぁー、本当に存在していたんですね。」


ちょぴり驚いていたところ、


「はい??」


相手が〝キョトン〟としたのです。


そのリアクションに、私の左隣にいた壱紀(かずき)くんが、


「SNS上でいろんな情報が飛び交っていて、〝嘘かもしれない〟と思っていたんで……。」


軽く説明してくれます。


「ああー、はい、そうみたいですねぇ。」

「確か…、フェイクニュースが沢山あるとか?」

「でも、ご安心ください。」

「京都にいらっしゃる方は〝本物だ〟との評判ですので。」


担当者の言葉に、私は心の中で〝よしッ!〟とガッツポーズしました。


神岳穂乃歌(かみおかほのか)さんの復活が、現実味を帯びてきたので。


壱紀くんの、


「清水寺へは、どうやって行けばいいんですか??」

「僕たち、京都は初めてなので。」


との質問に、


「はい、それでしたら、タクシーか、バスが、ございます。」

「もし、バスをご利用なさるのであれば、“烏丸口ターミナル”から御乗車ください。」

「“D2のりば”から午前10時に発車いたします。」

「“清水道”というバス停で降りていただいて、そこからは徒歩になりますので、ご理解くださいませ。」

「ちなみに、10時のバスに乗り遅れますと、次の便は30分後になります。」

「世の中がこのような状況になってしまった影響で、本数をかなり減らして営業しておりますので。」


受付の女性が、長めに述べてきたではありませんか。


(……、覚えきれない。)


私が目を〝パチクリ〟するのと同時に、右隣の琴音(ことね)欠伸(あくび)をしていたら、


「なるほど…、ありがとうございます。」


壱紀くんが、相手に会釈しました。


「インプットできたの?」


訊ねてみたところ、


「ん??」

「うん、バッチリね。」


頷いた壱紀くんに、


「それじゃあ、いこうか。」


促されたのです。


「お気を付けて、いってらっしゃいませ。」


担当してくださった方に見送られながら、私達はバスターミナルへと足を運んだのでした―。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ