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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
108/317

108.新幹線での一コマ

私達が乗車するやいなや、新幹線のドアが閉まりました。


ギリギリセーフです。


〝ほッ〟と安堵した三人衆は、座席へと向かったのでした。



“名古屋~京都”の料金は、片道2640円です。


子どもは、その半額となっています。


切符を購入するときに、壱紀(かずき)くんの分も支払ってあげようとしたところ、〝両親から10万円もらってきたから大丈夫〟と断られました。


ちなみに、駅構内には殆ど人がおらず、車内も空いております。



窓際には、我が妹が座りました。


真ん中は私で、通路側は壱紀くんです。


新幹線が京都へと走行するなか、


「昨日の夜に、いろいろ調べてみたんだけど…。」


口を開いた壱紀くんに、


「なにを?」


と、尋ねました。


「その“死者を生き返らせられる人”のことを……。」


「うん。」

「それで??」


「SNSに幾つかの情報があって…。」

「〝京都に存在している〟というのもあれば、〝京都には居ない〟っていう説もあるんだ。」


「え?!」


「他にも、〝京都以外にいる〟と主張している人達もいれば、〝それは嘘だ〟との反論もあって、結局、どれが本当なのかは、不明なんだよね。」


「……。」

「つまり、京都を目指しても、無駄足に終わると?」


「いや、まだ、そうと決まったわけじゃないよ。」

「いつも、琴晴(ことは)ちゃん宛に届けられる手紙には、〝京都に赴くように〟って書かれてたんでしょ??」

「だとしたら、それが一番正しいのかもね。」

「〝あれ(・・)は、割と信用できそう〟って、聡真(そうま)も言ってたし…。」


「ん~、そっかぁ。」

「ま、未来人が送ってきてるしね!」


「あー、……、その件なんだけど…。」

「〝文章が古風だから、違うんじゃないか?〟って、皆で話してた事があってさ……。」


「…、ええッ!?」

「“未来からの手紙”じゃないの??」


「僕には、なんとも……。」

「ただ、その可能性は否定できないかと…。」


「じゃあ、一体、どこの誰が?!」


「さぁ?」

「琴晴ちゃんに心当たりが無いんだったら、誰にも判断できないよ。」


「……、マジっすか??」


軽く混乱する私に対して、壱紀くんが静かに頷きます。


私にとっては予想外で、頭の整理がつきません。


てっきり、未来人とばかり思い込んでいたので…。


でも、まぁ、確かに、この意見には一理あります。


だって、どのようにして未来から手紙を送っているのか、理解できませんし。


んんー……、謎です。


考えてみたとて、答えは出ないでしょう。


壱紀くんの、


「ところでさ?」

「その〝復活させられる〟っていう人は、京都の何処(どこ)に住んでいるの??」


といった問い掛けによって、


「あ。」

「そういえば…、詳しくは、知らないわ。」


今更ながらに気付かされました。


「……、どうしよう?」


逆に質問してみたら、


「…、“観光案内所”で訊ねてみるとか??」

「そこで判明するかは分からないし、難しいだろうけど、取り敢えず。」


との事でした。


「そう、だね。」

「むこうに着いたら、探してみよう。」


ほぼほぼ無計画だった私に、不安が生じてきます。


これで見つからなかった場合には、途方に暮れてしまうのが、火を見るよりも明らかなので。


私たちが、そのようなやり取りをしているなか、車窓から流れる景色を眺めて、どこ吹く風の琴音(ことね)でした―。




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