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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
101/317

101.もう一つの・・・・

最大幅20㎝×長さ2Mくらいの“三日月状の風”が放たれた刹那でした。


全てが止まったのは。


(!?)


視界がボヤケている私は、見間違いかと疑ったのですが…、そこから、逆回転していったのです。


私も、他者も、風景も、何もかもが。


まるで、DVDや動画などの映像が“巻き戻し”されているかのように、


キュルルルルッ!!


と……。



改めて〝ピタッ〟と停止したのは、[名古屋城の駐車場]でした。


数秒後に、時が動き出し、眼前のカズヒコ(青髪ロングストレート)さんが、


「――、観光に来たとは思えませんし…。」


なにやら喋った模様です。


私の右隣で、


「え?!」


琴音(ことね)が驚いています。


「ん!?」


私と妹は〝バッ!〟と顔を見合わせました。


「どうしたんだい??」


左斜め前にいるアケミ(赤髪セミロング)さんが、こちらを振り向いて、窺ってきたのです。


「あー、……、いえ、すみません。」

「こちらの事ですので、気にしないでください。」

「それより…、なんでしたっけ?」


おそらく“ループ”したのでしょうが、今までに体験したケースとは異なるので、イマイチよく分かりません。


どうも、[時空のネックレス]による効果ではなさそうです。


なにせ、瞬間的な現象ではなかったのと、琴音までもが“タイムループ”した記憶があるようなので。


ハッキリしたことは謎のため、私は、取り敢えず(とぼ)けつつ、話しを逸らしました。


「〝こんなご時世に、姉妹だけで、観光に来たとは思えない〟と述べたのですが……、いつの間に装備を変更したんです??」


カズヒコさんが首を傾げます。


〝フ〟と確認してみたところ、 [私服]になっているではありませんか。


他の人の格好は“戦闘モード”だというのに、私だけが。


(おや?!)


自分で(いぶか)しがりながらも、


「まぁ、そのぉ…、皆さんが〝和気あいあい〟となさっている時に、ですよ?」


誤魔化しました。


マイクロバスには、マリナ(黒髪ロング)さん&ユミ(ライトブラウンショート)さんが乗っており、二人以外は外に居るので、勇者さん達が合流したばかりの場面でしょう。


「ふぅ~ん??」


釈然としなさげなアケミさんが、


「で?」

「君たちは、これから、何処(どこ)に行くんだい??」


と訊ねてきました。


時系列からして、勇者さんらと[三重県]に赴く流れのようです。


それだと、ハルカ(白銀ショートヘアー)さんに再び襲撃されかねません。


ま、私が、“ループ”に関して教えなければいいだけなんですけど。


ただ、初対面の方々に弱いタイプの私としては、強く聞かれると負けてしまい、情報を漏らす恐れがあります。


〝どうしたものかしらん?〟と返答に困っていたら、ジーンズの左ポッケに入れてあるスマホの着信音が鳴ったのです。


手に取って目を通してみたところ、“母”からでした。


「遠慮せずに出たまえ。」


アケミさんに促されて、


「もしもし??」


電話に対応します。


『あ、琴晴(ことは)ちゃん?』

『ちょっと、いいかしら??』


伺ってくる母親に、


「うん、大丈夫だよ。」

「何かあった?」


尋ねてみたら、


『あのね、もしかしてだけど……、“逆戻り”してなぁい??』


と、質問されたのでした―。




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