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JK LOOPER  作者: ネコのうた
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
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100.三重県にて・キュウ

温泉を出た面子が、パジャマ姿で、お食事処に行ってみたところ、皆さん、くつろいでいらっしゃいました。


「お風呂、どうっだったぁ?」


【調理師】であるユミさんの質問に、


「良かったよ♪」


【騎士】のハルカさんが、笑みを浮かべながら椅子に座ります。


「何か頼む??」


【錬金術師】たるマリナさんに尋ねられ、


「ジュースにしよう。」


【勇者】のアケミさんが答えました。


「お姉ちゃん、私も飲みたい。」


妹にせがまれて、“リンゴジュース”を、二杯、頼むことにしたのです。


一杯は私の分であります☆


琴音(ことね)が、着席しつつ、


「アケミおねえちゃん、“レイヤー×スレイヤー”の続き、見てもいい?」


と、お願いしたところ、


「勿論!」

「気に入ってもらえて喜ばしい限りだよ!!」


勇者さんが笑顔で“ノートパソコン”を出現させました。


時刻はPM19:30あたりです。


【機工士】であるユウジさんが、


「あれから、幾つかのことを調べてみたんだけど…。」

「まず、〝人類の一割が新たに亡くなったんじゃないか?〟って噂が飛び交ってる。」

「他にも、エネミー達に、畑を荒らされたり、喰われた動物や魚介類がいるみたいだ。」

「政府は明日の朝10時ごろに会見を開くらしい。」


そのように伝えました。


「いずれにしろ、事態は悪化しているようだな。」


【武闘家】のサトシさんが軽く溜息を()きます。


やや重たくなった場の空気を変える意味でも、


「あのぉ~。」

「“セカンドステージ”の人外たちって、スキルを連発できないのでしょうか??」


私が聞いてみたら、


「ああ。」

「どうやら、〝一個体につき一回まで〟みたいだね。」


これまたユウジさんが教えてくださいました。


そこから雑談すること、およそ30分。


従業員の方々が〝ドラバタ〟しだしたのです。


「慌ただしいな。」


【侍】たるジュンヤさんが眉間にシワを寄せます。


私達の所に駆け寄って来た一人の女性スタッフが、


「現在、屋外に敵が現れております。」

「しかしながら、当ホテルの“戦闘職”と“ユニーク職”が出動しましたので、ご安心ください。」


一礼して去っていきました。


「ん?」

「まだ四時間しか経っていないよね??」


ユミさんが首を傾げたところ、


「“ファ―ストステージ”よりも、一時間、早まっているのかもしれねぇな。」


ジュンヤさんが考察したのです。


「……、ちょっと様子を窺ってくる。」

「ヤバそうだったら知らせるから、全員、待機していてくれ。」


立ち上がったサトシさんが、ロビーへと赴きました…。



PM20:30頃に、武闘家さんが帰ってきて、


「大丈夫だった。」


と報告しました。


妹がアニメを視聴し終えたタイミングで、お開きとなり、各自、お部屋であったり、温泉に、足を運んだのです。



ベッドが二つ並んでいる室内にて。


私は、母に電話したのです。


当然、琴音にも喋らせてあげました。



PM21:00過ぎ。


誰かが〝コンコン〟とノックした模様です。


〝ガチャッ〟と鍵を回して、ドアを開けてみたら、騎士さんが佇んでいました。


「あ、コトハちゃん。」

「少し、話したい事があるんだけど…、いいかな?」


いささか申し訳なさそうにしたハルカさんを、


「はぁ。」

「……、とりあえず、どうぞ。」


お部屋に入れてあげます。


私の後ろに付いてくる騎士さんが、


「コトネちゃんは、もう、寝ちゃってるね。」


ベッドを確認したみたいです。


「そうなんですよぉ。」

「疲れが出たみたいで、ぐっすり眠ってます。」


私が説明したところ、


「良かったぁ。」

お姉ちゃんの惨劇(・・・・・・・・)を見せずに済むし…、“巫女”のスキルは何かと厄介だしね。」


ハルカさんが、このように述べました。


「はい??」


体ごと振り返った私の左胸に、


ズブシュッ!!


[中剣]が突き刺さります。


「え?!」


目を丸くする私から、貫通していたソードを騎士さんが抜きつつ、


「心配しないで、コトハちゃん。」

「私が過去にタイムスリップすれば、あなた()死んでいないことになるでしょ?」


冷たい表情を向けてきました。


「がはッ!」


私は、口と心臓から流血すると共に、仰向けで倒れてしまったのです。


私のネックレスを左手で掴んだハルカさんが、


「ごめんね。」

「力ずくで奪おうとしたら殺し合いになって、みんなに気付かれそうだから、こういう手段を取らさせてもらったわ。」


チェーン()を剣で斬りました。


私が朦朧としているなか、


「これで、“ショウ”が生きていた日に(さかのぼ)れる……。」


騎士さんが、[金の首飾り]を掲げます。


ハルカさんは、


「世界を二日前の朝に戻しなさい!」

「さあ、今すぐッ!!」


ライトブルーかつ球体の[ジュエリー]に命令しました。


が。


…………。


[時空のネックレス]は無反応です。


「もしかして……、なんらかの条件が必要ってこと??」


(いぶか)しがって、


「どうやって発動させるのッ!?」


問い詰めてきたハルカさんが、私が出したばかりの[体力回復ポーション]の瓶を、


「させないわよ!」


中剣を払って壊しました。


その騒ぎに、


「ん~、…、お姉ちゃん?」


上半身を起こした妹が寝ぼけまなこを擦ります。


私の意識が途絶えそうになるなか、


「!!」


焦った騎士さんが、


風斬(ふうざん)ッ!」


琴音に対して、ソードを左から右へと振るったのです―。




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