学校の七不思議
書くのは遅いですがよろしくお願いします!
うちの高校には学校七不思議が存在する。
夜中に音楽室のピアノが・・・とか、理科室の人体模型が・・・とか、まぁ、どこの学校にもあるありふれた七不思議なのだが、他の学校七不思議とは違った七不思議が最近になって追加された。
《誰が告白しても絶対に落ちない兄妹がいる・・・》と・・・。
【放課後、学校の体育館裏に来て下さい。】
朝、学校の下駄箱を開けると一枚のラブレターが入っていた。
「またか・・・はぁ・・・」
俺はそうボソリと呟きそして、ため息をついた。
「なな?朝からどうした?ため息なをかついて・・・なんだ?またラブレターか?高校入ってから何人目だ?」
ダチの津崎 煌が後ろからそう話しかけてくる。
「数えてねーし、興味もねー・・・てか、そのあだ名やめてくんねーか?」
俺は不機嫌そうにそう答える。
「そう不機嫌になんなよ!なえ・・・で、今回は誰からだ?」
「たく・・・えーと、竹野島 結奈だってさ、知ってるか?」
煌に聞かれて、俺はラブレターの裏に書いてある名前を言う。
「えっ!あの一年の?美人で有名な奴じゃねーか!お前、知らねーのか?」
俺が名前を言うと、煌は驚いたように此方を見てそう言った。
「あー・・・わりぃ、興味がない・・・」
「はぁ・・・だよなー・・・お前は誰なら興味があんだよ?」
煌はため息をつきながらそう言う。
「だれって・・・なぁ・・・」
俺は頭を掻きながらそう答えた。
「本当にお前らは変わってる・・・付き合いたい男子No.1川石 那依樹と女子No.1川石 心春兄妹共にこの学校じゃ有名人だからな・・・羨ましい限りだ!」
煌は拳を握りしめてそう言ったところで予鈴がなった。
「おい、煌!予鈴鳴ったぞ!早くいこうぜ!」
「あっ・・・ちょっ・・待てよ!」
俺らはそう言いながら、教室に急いだ。
この高校の七不思議、誰が告白しても絶対に落ちない兄妹がいる・・・
誰が言い出したか、そんな噂があっという間に学校の七不思議に認定された。
「誰が告白しても・・・なぁ・・・」
俺はボソリと独り言を言いながら窓の外を見た。
「えー・・・じゃあ、この英文、川石君?読んで訳してくれますか?」
「誰が言い出したんだかな・・・」
「えーと・・・川石君?」
「えっ・・・あっすいません・・・えーと」
俺は、先生が指差した英文をスラリと読み終え、そして、日本語に訳して答え椅子に座る。
「はい!発音も訳も完璧ですね!」
先生はそう言うとパチパチと拍手をした。
「やっぱり、凄いね川石君・・・」
「一年の時から学年一位をキープだもんね!」
こそこそと女子がそう言っていた。
「では、授業を終わります」
あっという間に午前の授業が終わり、昼食の時間になった。
「なーえ!飯にしようぜ!」
チャイムがなったと共に、煌が俺のところに駆け寄ってきた。
「あぁ・・・そうだな!えーと・・・弁当・・弁当・・・?」
「どうした?」
「あれ?弁当忘れた・・・」
「まぢでか?」
「はぁ・・・仕方ない・・・購買でなんか買ってくる・・・」
俺は残念そうにそう言い席を立つ。
「あの・・・」
俺が席を立った瞬間、聞きなれた声に教室がざわめき、俺はドアを見る。
「心春?」
ドアを見ると、俺の妹にして俺と同じく七不思議の一人である心春が立っていた。
「あっ!お兄ちゃん・・・これ・・・忘れ物!」
心春は、俺を見つけると駆け寄ってきて青の弁当袋を俺に渡した。
「ありがとう・・・でも、なんで俺より先に出た心春が?」
「家に忘れ物して、取りに戻ったら玄関に置いてあった・・・じゃあ、友達待ってるから行くね?もう忘れちゃダメだよ?」
「わりーな!わざわざ届けに来てくれてまぢでサンキュー!」
俺はニコリと微笑みそう言うと、心春の頭をポンッと撫でた。
「おっ・・・お兄ちゃん!」
「んっ?」
「んっ?じゃないよ!」
「心春?」
「あっ・・・じゃあ、行くね!」
少しだけ頬を赤く染めながら心春は教室を後にした。
「心春のお兄ちゃんやっぱりカッコいいね!」
心春の友人達が俺を見てこそこそとそう話していた。
「ヌォォォォォ!」
「キャーーーーー!」
「なんだよあの、もう忘れちゃダメだよ?ってあの顔まぢで可愛すぎるだろ!心春ちゃん!」
「あー・・・私たちも川石君に頭ポンポンされたーい!」
心春が教室を出てから教室内がそんな声で溢れかえったのは言うまでもない。
読んでくださりありがとうございます!