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想定の範囲内ッ!!【伝説の勇者】の希望!!

 ♪てーてってー♪


 意外ッッッ!!





 【伝説の勇者】はチョロかったあああ!!






「わ……わかったわよ!!


 わたしは【オトナチンチ……】じゃなくって、なくって……そう!!


 わたし個人が、あなた個人を助けることにするから!!


 決して【オトナチン……】に所属するわけじゃないから!!」


 イブセマスミはこうして【魔王軍】の対抗勢力として協力することとなったあああ!!


 その真っ赤っかになった、大いなる決意の表情ッッッ!!


 それに王女フローラルは心を打たれたるううう!!


「【伝説の勇者】さま!? どうしたのですか!?


 体のお加減でも悪いのですか!?


 ど う し て 【オ ト ナ チ ン チ ン】と は っ き り 言 え な い の で す か ! ! ? ? 」


「え、だ、だって……」


「これは初代【伝説の勇者】さまがつけられた由緒正しき荘厳な名前なのです!!


 さあ!! リピートアフターミー!!


 【オトナチンチン】!!」


「お、【オトナチ……】」


「【オトナチンチン】!!」


「お、【オトナ……】」


「……どうして【オトナチンチン】がだんだん小さく、そして短くなっていくのですかっっっ!?


 声を!! もっと大きく!! 貴女ならもっと大きくできるはずですっっっ!!」


「(……早く元の世界に帰りたいよぅ……おにーちゃん、たしけて……)」


「うふふふふ!!


 リピートアフターミー!! 【オトナチンチン】!!」


 こうしてイブセマスミと王女フローラルの距離は急速に近づいていくのであったっっっ!!


 ……主にフローラルがはーはー言いながら、一方的にッッッ!!

 だがそこに割り込む者がいたッッッ!!


 近衛隊長を務める女騎士だったッッッ!!


「まてっっっ!!


 我が名は【クッコロ】。 槍を持っては【オトナチンチン】一の使い手。」


「……どっちなのよ……姫騎士なのか、ヤリチ……ごほんごほんっ!!」


「貴殿!! 初代【伝説の勇者】にいただいた栄えある我が家名を馬鹿にするのか!?


 それに……私はまだ貴殿を【伝説の勇者】と認めていないっっっ!!


 魔法は強力だが……剣のほうはどうだっっっ!!」




 意外ッッッ!!


 クッコロは〇.一秒で瞬殺されたッッッ!!




「悔しい……わが身のふがいなさを感じる……」びくんびくんっっっ!!


 肩をびくんびくん震わせて嗚咽するクッコロ!!


 その肩越しに……尊敬の目を向ける王女フローラルっっっ!!!!


「あー……一応わたし、異世界から来たからねえ……それより……」


 【伝説の勇者の剣】を肩に担ぎながら、イブセマスミは憐れむような視線でクッコロを見下ろしながら思うのであった………っっっ!!


「(初代【伝説の勇者】ってのは、いったい何考えて【クッコロ】だの【オトナチンチ…】だのハラスメントな名前を付けたのよ……まあ、日本人だったのは間違いないんだろうけど。


 ……ていうか、ボキャブラリーが低学年の小学生か!?


 ……もういっそ……わたしが世界征服して、このハラスメントな世界を書き換えてやろうかなぁ……なんてね………)」


 イブセマスミは、己の内に湧いた昏い感情を……力なく頭を振って追い出していた……ッッッ!!

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