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Gift~神からの贈り物~  作者: 縫月
9/25

level.3 その2

ハァハァハァ…!


フードを顔がすっぽり隠れるほど深く被った者が

逃げるように山道を走っている


ふぅ~ここまで来れば


足を止め一休みしようとしたが


無駄だ!この俺から逃げられると思ったのか?

騎士らしき男はフードの者を追ってきた様子


汚らわしい一族め

お前らが匿っている神託者を素直に明け渡せば今まで通り命だけは

見逃したものを


彼らも人だ!

オイラ達だって人だ!!

あの人は仲間を救ってくれたその恩人を売り渡すような真似出来ない


馬鹿な事を

所詮奴らは別の世界の奴だ

俺達は粛清しなければならない

長きに渡りこの世界に混乱をもたらす悪をだ!


チャキン…騎士は剣を抜きフードの者の首筋に刃を当てた


先代の国王様は理解のある人だった

どうして今の国王様は分かってくれないのさ


100年前突如王都に魔物が雪崩れ込み国は崩壊しかけた

お前も分かるだろう原因は奴らしかいないんだ

元々このテンダータには女神がいたという

しかし古代の歴史が書かれた書物ではそれも奴らによって

封じられたという話しだ


もう一度だけ言う

神託者を差し出せ!同じ世界の者としての情けだ


オイラは…オイラはそれでもあの人を裏切らない


フードの者は隙を突き崖から飛び降りた


この高さじゃ助からんな…

騎士は剣を収めその場を去っていった


一方ロイとレムは時を同じくして同じ山中の下流の辺りで一息ついていた

ロイ!人が流れてるよ

川を眺めていたレムが意識を失って流れてくるフードの者に気付いた

ロイが引き上げると意識を失っているものの息はあるようだ

レムが癒しを施し意識が回復するのを待った


暫くすると意識を取り戻しここは…と口にした


良かったぁ…覚えてる?川で流れてたのとレムが言うと

助けていただきありがとうございましたとお礼を述べた


何があったんだい?それに何者なんだい?

ロイは彼を引き上げたとき何かに気付いたようだ


オイラは…そう言って被っていたフードを脱ぐ


オイラは人狼族(ワーウルフ)女神ハトラ様に仕えるノーム様の眷属です

そうだ!早く里に戻らないとあの人が危ない


訳ありみたいだね

良かったら話してよ こちらも色々聞きたいんだ女神の事とかね


ロイはこれまでの経緯を話した


アイシス様が目覚めた…すごい

実はウンディーネ様と同じ100年前ノーム様も急に暴走し

何人も一族の者が殺されたんだって

でもおかしい…結界なんてないんだ


えっ?驚くロイとレム


もしかしたら神託者の皆にしか見えてないのかな

レムがそう言うとロイもそうかも知れないと納得した


良かったら里に来てよ族長なら色々詳しいよ


そうさせてもらうよ

ところで誰が危ないんだい?


お兄さん達と同じ神託者だよ

名前はリオンって言ってた


!!ロイとレムはリオン!?と口を揃えて言った


尚更行かなきゃねレムが笑顔で言う


お兄さん達の知り合い?


多分ね自分達の知ってるリオンなら仲間なんだ

行こう!えっと…


オイラはキバ

こっちだよ里はここからそう遠くないよ


3人は里に向かう道中リオンの話しをした

リオンの兄ちゃんは里に巡回に来た騎士に迫害を受けてる所を

助けてもらったんだ

オイラ達ワーウルフは異端だから昔から酷い目に遭ってきたよ…

怒ったリオンの兄ちゃんがその騎士を殺めちゃって

新たに派遣されてきた騎士がその復讐にリオンの兄ちゃんを狙ってるんだ


そんなことがあったなんて

で…その騎士は里の詳しい場所が分からなくて偶然見つけた

君を追い掛けて来てたって訳か


ロイの問い掛けにうんと頷くキバ


心配だね

里の皆もリオンも…レムはシュンとして顔を伏せた


大丈夫さオイラ達は闘えば強いんだ

オイラ達はその昔『大地の覇者』って呼ばれるほど

強い一族だったんだ


代々の国王様はそんなオイラ達を迫害することなく静かに暮らせるよう

心掛けてくれていたのに…

今の国王様は全然違う…


話しを進めるうちに落ち込んでいるキバにロイは尋ねる


国王が…いるのか


居るよ代々このテンダータを治めるクレステア王国に

ディアン=バルト・クレステアそれが現国王様の名前だよ


それはゲーム時代に存在しなかった

やはりこの世界はゲームのグリンローグとは似て非なるものだと

改めて思わされるものなのであった

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