level.2 その2
皆が悲しみに耽っている中
パチパチと拍手しながら5人の男が近寄ってきた
いや~素晴らしかったデスね
まさかあんなすんごいの倒してくれちゃうんデスから
あっどもどもオレら漆虎ってチームデース
あんたらにはここでリタイアしてもらってオレらが
女神ちゃん起こしちゃいまっす♪ヨロシクー
ロイはここ数日彼らと行動を共にする事で
分かっていた
ゼロスは残虐な人間ではあるがこと仲間に対しては
誰よりも慈悲深いと…
去れ貴様らに割いてやる時間などない
怒りの表情を見せるゼロス
しかし彼らはそれを嘲笑うかの如くチャチャを入れてくる
き、君達やめないかとカズが止めに入ろうとした瞬間
ゼロスがついにギフトを解放した
い、いけない!とライラが止めようとしたが
ゼロスは最早止まらなかった
我がギフトは特殊でなゲーム時代から精神を干渉され
使う度に自我を失ってゆく
故に先の戦いでは使う事を戸惑っていた
だが後悔しているよ…
大切な仲間を2人も失った上に貴様らのようなゴミクズに
我々の尊厳を貶されたとあってはな
そう言うとみるみるその姿を変貌させていく
ば…化け物だ
漆虎の1人が言った
そう我がギフトの名は『歪』
歪み正常さを失い異形の肉体へと変貌を遂げる
さらばだ名も知らぬ者達よ
そう言うと瞬く間に5人は斬り刻まれ死体となっていた
あまりの一瞬の出来事に皆言葉を失っていた
ぐっ…
まだだ我が意識は私の物だ!
ゼロスは必死に自我を保ち元の姿に戻っていく
ホッと胸を撫で下ろすウルモ
おかえりなさいというライラ
はぁはぁ…ロイにレムよ
これが私なのだよと言うゼロスの言葉に
2人はギルドの上に立つ者の…ゼロスの威厳に
心惹かれるものを感じたのだった
しかしどういう事だ女神が見当たらぬがと
ゼロスは辺りを見渡す
うぅん…大きな何か感じる…
カナタは何かを感じるというその時
泉の中心が割れ光りが溢れだした
そしてゴゴゴ…と揺れや音と共に大きな石碑と地面がせり上がってきたのだ
これは…
ロイはその石碑に思わず触れた その瞬間
石碑が光り輝き周囲のクリスタルが水に変わっていく
そして石碑の上空に光りが集まり女神であろう姿が
顕現されたのだった
私の名はアイシスこの世界の水を司る女神
まずはお礼を言わせていただきます異界の者達…
私は意識を閉ざされながらも微かに幾世を見てきました
女神アイシスあなたに聞きたい事が山ほどあります
ロイは冷静に問いかけた
私で答えられることなら何なりと答えましょうとアイシス
ロイはゼロスにいいか?と聞くと
好きに聞くがよいと答えたのでロイが代表してアイシスに
質問する事となった
まずあなたは何故封印されていたのですか?と聞く
分からないのです…
今より1万年前突如世界に異変が起こり
その異変により私達女神は封印されたのです
今でもその異変が何なのか何一つ
それに伴い私達女神の従者も暴走し人々を苦しめていたようですね…
分かりました
次にこの世界グリンローグは実在してるんですか?
「!!」ロイのこの質問に驚く一同
女神アイシスは言う
あなた方にとってこの世界は現実ではないかもしれません
ですが私達にとっては現実に存在する世界なのです
遥か昔この世界が産まれ
いつしかあなた方のような異界の者が現れ始め
世界はその都度開拓されて来ました
幾度となく異界の者と出逢って来ましたがいつしか消え
また新たに現れ
そんな繰り返しの中で異界の者は人々から
『神託者』と呼ばれるようになったのです
俗に言う神隠しだな…
幾度となく我々がこの世界に引き込まれてたとなると
あのゲーム以前に我々が生まれる以前にすら
存在してたことになる
そのゼロスの考えは恐らく当たっている
ロイも同意見であった
そしてアイシスは言う
1万年前に起きたあの異変にこそあなた方とこの世界を結ぶ
答えがあるのではないかと
長い時の中で唯一起きた女神にすらも抗えなかった力
最後にアイシスは
どうか他の女神も解放してあげて欲しい
私達女神は司る者でその場より世界に其々の力を与え見守る事しか
出来ないのですと言った
そのつもりですとロイは答え
一同はその場を後にした
そしてアイシスが異界の者に幸あれと微笑んで姿を消すと共に
1つの結界が消滅したのだった