level.1 その3
出発の朝を迎えロイとレムはアルバトロスの遠征メンバーより先に
待ち合わせの入り口に到着し出発の準備をしていた
レム…ごめん俺のせいで
ロイはアルバトロスの所へ行った事を後悔していた
ううん大丈夫だよ
あの頃からだけど私も少しは対等でありたい
守られて甘えてばかりじゃダメなの
ロイや皆と一緒に冒険してたんだもん
私がんばれるよ
そう笑顔で話すレムにロイの心は少し晴れたようだった
ちょうどその時
アルバトロスの面々が集まりだした
これはこれは立派な心掛けだ
我々より先に来るとは感心したぞ
それからゼロスは今回の遠征メンバーの紹介を始めていく
彼女は円卓の騎士の1人ライラ
よろしくとライラは御辞儀する
続いてライラの右腕ウルモ
それから同じく円卓の騎士バロンに自ら志願してきたエンジ
そしてカナタだ
アルバトロスのメンバー紹介が終わり
2人も自己紹介をする
ナイト·ウォーカーのロイです
よろしくお願いします
同じくナイト·ウォーカーのレムです
皆さんよろしくお願い致します
お二人さん旦那のお眼鏡にかなってよかったなぁとバロンが
2人の肩をポンッと叩いた
門番のおじさんにお兄さんも…昨日はありがとうございましたと
お礼を言うレム
あなたが円卓の騎士だったなんて驚きました
それにエンジさんでしたね
自ら志願してきたなんて
ふ、2人の力になりたくて
僕も勇気を出してみたんだとエンジは肩を震わせながら言う
カッカッカッいいねぇ青春みてーだ
だが臆してたら死ぬぞ?エンジ
そう言ってウルモはエンジを睨み付ける
ひぃ!と怯えるエンジを庇うように
やめなさいとライラが一喝する
ふっ…そろそろ今回の遠征の目的についての説明に入るがよろしいかな?と
ゼロスが割って入るとアルバトロスの一同は失礼しましたと改まった
さて今回はこの8人によるアルバトロスとナイト·ウォーカーの
合同となるわけだが
皆もこの数日で知った通りこの世界においても
我々は死ぬということ
それにギフトを持っている者と持っていない者の差だ
それはなんなのかとロイが聞く
ギフトを持っていない者がギフトを持っている者を攻撃しても
ダメージを与えられないがその逆は違う
論より証拠をみせてやろう
カナタ全力でバロンに斬りかかれ!
ゼロスの命令によりカナタがバロンに斬りかかる…だが
バロンの回りに見えない壁があるかのように身体に触れる手前で
斬撃は止まってしまった
驚くロイとレム
その隙にバロンはカナタに拳骨をおみまいする
イタイ…とボソッっと告げるカナタ
これがあの声の言う条件であろうなとゼロスは語る
次に本題の女神についてだがロイ貴様は女神についてどう考えている?
その問いかけにロイは
恐らくだけどグリンローグの人達の話しだと
女神は眠っていると言っていることから
結界によって封印されている
それに女神が目覚めると魔法も復活すると思うと答えた
なるほど私と同じ見解にたどり着いてるとは
感心したぞ
面白い男だ貴様に興味がわいてきたわ
そう言ってゼロスは満面の笑みを浮かべた
時に貴様ゲーム時代から貴様らナイト·ウォーカーの6人は
そこのレムを除きギフトの情報が一切手に入らなかったがどのような
ギフトをもちいておるのだ
ゼロスが興味深そうに尋ねると
来るべき時が来たら明かすとロイは告げた
まぁいい楽しみは戦場までとっておくとしよう
では貴様らゆくぞ!目指すはラーマの泉だ
ハッ!マスターとアルバトロスの一同
その時ロイが待ってくれと歩みを止める
一つ聞きたい!
ギフト持ちとそうでない者の違いをどうやって調べたんだ
ゼロスは背を向けたまま静かに語り出す
わかりきった事を聞くな…
実験したからに決まってるだろう
ゲームと違いPKは出来るのかとな
殺して見ないと分からぬからな
その言葉に皆がぞっとする…
狂ってる…!とロイは怒りを露にしたが
ゼロスは
物事において実験は欠かせぬであろう
知る事が…情報こそが生きていく武器なのだよ
そう言ってまた歩き出した
ロイは選択を誤ったと後悔しつつレムと共に
水の女神アイシスが眠るラーマの泉を彼らと目指すのだった