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Gift~神からの贈り物~  作者: 縫月
19/25

level.6 その3

数日後フラウニーにやって来たロイ達はセルフィから逃げ延びた

エレノアと再会を果たした


久しぶりだねエレノア


生きてて何よりねナイト・ウォーカーの皆さん

この世界でもその実力は折り紙つきって訳ね


君のとこのハヤトという少年に会ったよ

君が弟子を取るなんて驚きだ


しつこいからなんだか成り行きでね

でも良かったわ…あの子も無事で


エレノア…頼みがあるんだ

ロイは真剣な面持ちでエレノアの顔を見る


皆まで言わなくても分かってるわ

シンクには昨日会ったわ


本当に!?


えぇ彼はこの村で目覚め火の女神を解放するため

エルマの火山神殿という所に行ってたそうよ

信じられないことに彼1人で女神を解放しちゃったのね


さすがだなシンクは…


それでシンクはどこにいるの??

レムが辺りをキョロキョロしながらエレノアに聞いてきた


ここにはいないわレムちゃん

昨日戻ってすぐに王国に向けて旅立って行ったの


まさか1人で王国に…

リオンは驚いた表情で考え込む


残念ながらそのまさか

この地図を見て

そう言ってエレノアは大陸の地図を広げて

中心辺りを指差した


この辺りがクレステア王国と呼ばれる領地よ

しかも王国内に入るには唯一の関所を通るしか道はないわ

何でも国全体が絶壁に覆われてるらしいの


シンクさんを追い掛けるなら行くしかございませんわ

それにロイさんが当てにしていたアルバトロスもあの状態ですし


私達だけで王国へ…危険過ぎる


行くか行かないかは皆さんの判断に任せるわ

とりあえず村で一晩休んで考えなさいな

この村の人達は幸いな事に神託者を快く迎えてくれる


エレノアに言われフラウニーで休むことにした一行

ロイがエレノアに情報料はと尋ねたら

今回はサービスしとくわと言った言葉に皆固まってしまった

あのエレノアからサービスなんて言葉が出るなんて…


それから村を見て廻るロイ達は他のセルフィの生き残りである

グリンローグの民や神託者に会い話しをした

残念な事にアルバトロスの生存者の姿はそこにはなかった


しばらくして宿に行こうと話しをしていると

1人の神託者が声を掛けてきた


ちょっと良いですか?

その神託者は手に火傷だらけの作業着のような格好をしていた


俺の名前はシロウって言います

チームには所属してはいませんでしたが

鍛冶職人工房『ラース』の一員でした


ラースってあのラースの?


ゲーム時代 エレノアにすら解き明かせない謎に包まれた人々がいた

それが『ラース』だった

彼らは一切姿を見せる事なくまたラースを名乗る事なく

時折武器を製作しNP(ノンプレイヤー)の武器屋に卸していた

ラース製の武器は価値が最高ランクで手に入れられるプレイヤーは

ほぼおらず幻の武器とまで言われていたのだった


武器を製作したとき好きに銘を入れられる

そこに印された銘がラースだったから広まった名前だったね


よく偽物も出回っていたよ

まさかそのラースの一員に会えるとはね


ロイとリオンは内心ドキドキしていた

あのラースの1人が今目の前にいるという現実に


それで御用件はなんですの?

まるで興味のないミリーがその場の空気を一変させた


お…おおおおお嬢そそ…そんな高圧的な態度で失礼だよ

リオンがしどろもどろするが


いえ俺はただ武器を造っていただけのプレイヤーです

あなた方のように戦う事も出来ませんから

今もあの頃も…

シロウはそう言ってどこか寂し気な表情でニコッと微笑んだ


それでラースのあなたが自分達に何の用かな?


付いてきてください

そう言ってシロウは皆を村のはずれにある家へと案内した


どうぞ中へ

言われるままに中に入るとそこは鍛冶場となっていた


俺は元の世界でも刀鍛冶職人で…といってもヒヨッコだったけど

この世界でも…こんな俺でも役に立つ事がないかと鍛えたんだ


するとシロウは壁に立て掛けてあった白い布を手に取り

それをめくり上げたのだそして

そこには3本の剣が並んでいた


この世界の不思議な鉱石と鉄で鍛え上げたんだ

好きなの1本持っていって欲しい

ただ人が剣を選ぶように剣も人を選ぶ

適当に選んだところでその剣は応えてはくれないよ


ロイ…君が選ぶと良い私では違う気がする


俺が…

ロイは緊張して手が震えだした


それを見ていたレムがロイ!自分を信じてと勇気付けた

その言葉にロイの緊張は一気にほどける

そして自らのマナを研ぎ澄まし同調する剣を手にした


それがあなたの選んだ剣なんですね

シロウはそう言って残り2本の剣を手に取った


この2本の剣は俺の鍛えた剣じゃありません

セルフィの街で買った物です

剣があなたに応えたようで良かったです


俺を試したんだねロイが尋ねると

武器は簡単に人の命を奪う恐ろしい物です

俺の魂を込めた武器は命の重みを知る人にこそ手にして貰いたい

だからあなたにはその剣を振るう意味を

ちゃんと理解して欲しいと述べた


ロイはその言葉を真摯に受け止め心に刻み込んだ

最後にシロウは言う

色々噂が飛び交っていたけれど本当のラースは俺だけですと

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