level.6 その1
街の入り口で戦っていたロベルト率いる第1部隊は
1人も欠ける事なく見事勝利していた
しかし激しい戦いだったゆえに皆は憔悴しきっていた
ロベルトさんマジ疲れたっすね
そう言ってクロはロベルトの隣りに座り込んだ
皆お疲れ様…だが中の様子が心配だ
これより救援に向かう一刻も早く戦いを終わらせよう
ロベルトのその言葉に一同は立ち上がり戦いに備える
その時であった
タケルが遠くから近付いてくる人影に気付いたのだ
ロベルトに恐怖が過る
その軍団はまさに更なる地獄へと誘う死の軍団であった
お互いに目視できる位置にまで近付いたとき
軍団の先頭に立つ男が第1部隊に向かって宣戦布告してきたのだ
我々はクレステア王国の騎士である王のご命令により
神託者をこの街ごと一掃するためにはぜ参じた
私はリットゥ!王の七剣の名の元におとなしく首を差し出せ
フフッ…皆すまない
どうやらまだ救援にはいけないようだ
ジェイミー クロ ユウト タケルなんとしてでも
彼らを倒すぞ
やれやれ仕方ないですね…とユウト
まだまだ元気だよ♪とジェイミーも気合いを見せる
その人数で我々に勝てるとでも?
いいでしょう全力で叩きのめしてあげますよ
全軍!突撃!!
うおぉぉぉ!!激しい雄叫びと共に軍団は一斉に
第1部隊に向かってゆく
守りきるぞー!!
ロベルトは武器を手に臨戦態勢に入る
そしてアルバトロスの館では
レオンそして裏切り者に制裁を与えよう
あががががぁ
ゼロスがギフト歪を解放しその姿を変貌させた
なんじゃこりゃー
俺も初めて見た…これがゼロスさんのギフト…
2人はその異様な姿に驚きを隠せない
かつてラーマの泉にて解放したときより禍々しい姿となって
2人に襲い掛かるゼロス
左手からマナを圧縮した光線を放ち右手では鞭のように
しなる腕を振り回す
ワシの吸収でも吸収しきれん威力じゃい
防戦一方のレオン
俺の【高速】でも追い付けない速さです
レジットも為す術なくやられていた
そこでレオンは決断した
一時撤退じゃ!とりあえず王国軍に任せるんや
ゼロスに勝てないと悟ったレオンはあっけなく撤退した
クレステア王国軍が進軍している方向とは逆に北へ抜ける
そして自我を失っているゼロスはただただ暴れまわり館を破壊している
数時間後そこへリットゥ率いる数名が駆け付けた
な…なんだこの化け物は
人の形を為した魔物なのか?
リットゥはゼロスと対峙する
私は王の七剣の1人【天剣】のリットゥ
残るは貴様だけだ化け物め!ゆくぞ!
しかしゼロスに向かっていく王国軍は次々となぎ倒され
全く歯が立たない
リットゥ様このままでは我々は全滅です
1人の部下が危機を感じリットゥに進言する
だがリットゥは撤退は許されないと言う
王の命令によりセルフィの神託者殲滅を命じられている以上
遂行出来ずに帰還は許されないからだ
おそらくこの化け物も神託者だ
神託者にはギフトと呼ばれる特殊な力を使う者がいる
レオンめ!厄介なのを残して行ったな
これだから神託者は信用ならんのだ
リットゥは神託者でありながら王国と協力関係にあるのが解せなかった
おそらく国王の考えは神託者を倒すには神託者を使う
そうリットゥは思うことにしていたが
くっ…私はなんとしても貴様を倒し帰らねばならんのだ
愛する家族が待っているのだからな
うおぉぉぉ!クレステア王国流剣技・天空断!
リットゥは大きく飛び上がりゼロスの左肩にかけて一撃を与える
だがその傷は直ぐに塞がってしまった
クソッ!クソー!!
為す術なく倒れていく部下達を見てリットゥは意気消沈していた
なんなんだ貴様は…
貴様さえいなければ…
涙を流しながら家族を思い…打ちのめされるリットゥは
悲鳴をあげることなく静かに息絶えていった
それから丸1日経ってやっと我に返ったゼロスは
崩れ去った館の上に佇んでいた
どれだけ時間が経ったのだ
皆は…無事なのか…
怒りに身を任せギフトを使ったゼロスは全く覚えてなく
我に返り初めて戦いが終結している事を悟ったのだった
そして気力を失ったままその場にとどまっており
現在に至るのであった
紅炎の騎士団…レオン
その人はどうなったんだろうか
ロイがゼロスに尋ねると
生きている…そんな予感がしてならんと
ゼロスは言った
とにかく今は生存者を見つけ手当てにあたろうか
戦いは終わったんだ君もとりあえず休むんだとリオンが言う
すまぬな
こうしてセルフィでの戦いは幕を閉じた
しかし多くの犠牲を出したこの戦いはまだ序章に過ぎなかった