level.4 その3
着いた…
丘の上にポツンと建つ平屋の白い家
家の周りは花畑一杯で色とりどりの花により美しい景観となっていた
ちゃんと手入れされてるとこを見ると
ここに人が住んでるのは間違いないね
ミリーだといいね
行こう!
3人は緊張の面持ちで家のドアをノックした
コンコン…ノックしてしばらくするとガチャッとドアが開いた
王子様~♪
ドアが開いた瞬間女性が飛び出しロイに抱きつく
あ…相変わらずだねミリー
そうロイが抱きついてるミリーに言うと
あら?ロイさんじゃないの
てっきり王子様かと思いましたのに
そう言ってミリーはロイから離れた
その横でレムが顔を赤くして膨れている
まぁまぁリオンさんにレムさんまで
シンクさんとエドさんはおりませんの?
久しぶりだね お嬢
2人とはまだ再会出来てないんだ
お嬢はやめてといつも申してますでしょうリオンさん
とりあえず中に入れてくれるかな?とロイ
えぇご自由にここは皆の家ですものと言い
3人を中に通した
4人は居間でくつろぎながらこれからについて
話し合いを始めた
俺からの提案はまずセルフィに戻り彼女にシンクとエドについての情報を
仕入れてもらう
彼女というと情報屋のエレノアだね
そうゲーム時代からソロプレイヤーとして活動し
色んなチームに情報を提供して報酬を得ていたことから
付いたあだ名が情報屋
彼女が居ることは間違いないと思う
アルバトロスの件でそれは確信できる
次に王国の神託者狩りだけど
多くのプレイヤーが殺されてる現状を放っておけない
クレステア王国に行き止めたい…!
そのためには力と仲間がいる
だからアルバトロスにもう一度力を借りる
ゼロスならきっと分かってくれるはずだ
アルバトロス…
確かにあの高名なところが組んでくれれば王国の騎士とも
渡り合えるかもね
でもおそらく負けるよロイ
!!
統率のとれた一国と真っ正面から武力でぶつかっても
それは無謀でしかない
グラム達彼ら1人とってもその強さは経験済みでしょ?
ただ仲間を死地に追いやるだけだよ
リオンの言う通りだ…ごめん
いいんだよ
私の意見を言わせてもらうと王の七剣
彼らを1人ずつ崩していくのが妥当だと思う
今のところ神託者狩りを行ってるのは彼らだからね
そうだねさすがリオンだ
2人もいいかな?
私はそれでいいよ
わたくしは行かないわよ
え?3人は意外な答えにあっけにとられた
わたくしここで王子様を待っているのですもの
ここを離れるつもりはなくてよ?
ミリー…君の力も欠かせない
お願いだ
ロイさん申し訳ありません
その時リオンが機転を利かせる
お嬢クレステア王国に行けば当然王子もいるよ
その言葉に反応するミリー
そうですわよね
王様がいるんですもの王子様がいるのは当然ですわよね
さぁ行きますわよ
そのままミリーは外へ駆け出していった
助かったよリオン
御安い御用だよ
お嬢とは長い付き合いだからね
リオンは現実世界のことを思い出していた
確かリオンとミリーは元の世界でも…
レムのその言葉に
うん…10年来の付き合いだよ
お嬢は足を患ってて小さい頃は歩く事が出来なかった
私は近所に住んでてその当時
窓から外を寂しそうに見つめるお嬢をよく見ていたよ
だからこの世界はお嬢にとって良い世界だと思う
病気にもならない身体だしね
ミリー…
ミリーを思うと皆胸が苦しくなった
さぁお嬢が待ちかねてる行こうか
そして彼らはセルフィを目指し丘の上の白い家を後にしたのだった
ーーーーーエルマの火山神殿ーーーーー
はぁはぁ…
そこにたった1人イフリートと戦い続ける男がいた
今日で7日目…今日こそ倒して見せる!
愚かな人間よワシを超えようなどおこがましいわー
フレイムレイン!
バババババッ…
炎の雨がシンクの頭上から降り注ぐ
その魔法はもう対策済みさ
はぁぁ!
シンクはマナを放出して炎の雨を弾いた
喰らえー!!
シンクの一撃がイフリートの身を貫いた
ぬぐぅ…このワシが敗れるというのかー…
認めぬ…クリュシナよ…もっとワシに力を…
イフリートは炎に包まれ消滅していく
ありがとうイフリート
この長い戦いでオレは成長出来た
オレのギフト【英雄】は逆境を乗り越える力…
相手が強ければ強いほどオレも強くなる