level.4 その2
クレステア王国・クレステア城地下
ローブを身につけた女性が水晶を見つめていた
レーヴァさん…
グラムさんのマナが途絶えました
所詮は奴の代理か
二つ名を授かったとはゆえ王の七剣の中では末端の男だ
やはり奴には遠く及ばんよ
彼が王国を去ってからもう2年ですね
どこで何をしてるのでしょうか
さあな
だが愛弟子が死んだとなれば表舞台に出てくるだろうよ
それよりグラムを打ち破った奴がどんな奴か気になる
アイギスお主は気にならんか?
あたしは興味ないです
そもそも戦いは嫌いですから
つまらん女だ
神託者か…奴らの目的も多種多様で何人かは女神を復活させようと
躍起になってるらしいな
現にアイシスが封印から解放されたみたい
暴走した精霊を倒すのはあたし達でも容易じゃないわ
先日捕らえた神託者の話しからしても彼らも突然この世界に
送られてきて混乱してるし
本当に彼らは悪なのかしら…
そんな事はどうでもいい
王が悪と言えばそれに従うのみよ
…そうね
一方その頃ロイとキバはリオンを連れ里に戻ってきていた
この度は里の皆さんに多大な迷惑を掛けてしまった
申し訳ありません
こちらも助けられたとキバの祖父である長が
リオンに頭を下げる
レムの姉ちゃんのおかげだ誰も死ななかった
レムありがとう
皆がレムにお礼を言うと照れて手で顔を覆っていた
でも良かったリオンにもまた会えて
他の皆にも会えそうな気がする
他の3人か
そうレムの言葉にリオンが返すそして
シンク ミリー エド…
懐かしいな まだそれほど経ってはいないのに
と話しを続けた
時に2人はどこに向かっていたのかとリオンが聞くと
ロイは今までの経緯そして丘の上の白い家を目指している事を告げた
やはり…あそこならいるだろうミリーが
私も同行しよう
リオンの兄ちゃんも行っちゃうの?
キバは寂しそうな表情でここに残ってと懇願するが
私には彼らと共にやるべき事があると断った
そんなぁ
最初会った頃に比べ戦士の顔になったね
キバ…君がこれからは里の皆を守る存在になるんだ
オ、オイラが?
オイラには無理だよ
いや君しかいないよ
里の皆のために私を助けるために立ち向かった勇敢さ
大切な人のために行動出来るその強さがあればこれからも
守っていける
彼の言う通りだ
じっちゃん…
キバよ今回の件で里の者みながお前を新たな長と認めとる
頼むぞ
じっちゃん…皆…
オイラやるよ族長になって皆を守る!
この日新たな族長の誕生を祝う宴が催された
夜通し宴は続きそして次の日の朝を迎えた
さあ行こう!丘の上の白い家はここから近い
皆さんお元気で
お兄ちゃん達またね
何かあったらオイラ必ず助けにいくよ
頼もしいね期待してるよ
里の皆に見送られ里を後にした一行は新たにリオンを加え
丘の上の白い家を目指すのだった
その直後何者かの手により土の女神ハトラが解放された
ロイ…!
あぁ!感じたよ土の魔法が復活した
リオンは確か土の魔法が多少使えたよね?
うん多少ね
そう言うとリオンはマナを手に集め
ロックボール!
枯れ木めがけ放つとドカーン!!と枯れ木を粉砕した
間違いない誰が解放したか分からないけどこれは戦力アップだ
よかったねリオンと
レムも喜んでいる
いよいよ残りは火の女神クリュシナか
レム!リオン!
自分達が進む道はこの世界の王国とぶつかる道かもしれない
その先に元の世界に戻る術が見つかるかもしれないし
見つからなくてこの世界に居場所を探すのかも分からない
だから改めて問いたい
戦い続ける覚悟があるのかを
愚問だなロイ
私は何があろうと君が進む道を共にする覚悟だよ
私も変わらないよ
ロイに付いていくあの頃もこれからも
ありがとう…
ロイは顔を伏せ下を向いていたがその表情からは
嬉しそうな表情が見てとれた
それから2日…3人はついに目的地である
丘の上の白い家に辿り着くのだった