表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Gift~神からの贈り物~  作者: 縫月
11/25

level.4 その1

砦の頂上へとやって来た2人の目に飛び込んで来たのは

張り付けにされているリオンの姿と

剣を持ち佇む騎士だった


リオーン!

ロイの叫びにリオンは神託者が何者なのかに気付く


ロ…ロイ?

ロイなのか…


久しぶりだねリオン

この世界にいるって思ってたよ

里の皆は無事だよレムがいるからね


リオンの兄ちゃん!

今助けるから待ってて


キバ…ロイ…すまない

レムもこの世界に…

リオンは安堵の表情を浮かべる


感動の再会はその辺で満足してもらおう

我が部下を破ってくるとはなかなかに腕は立つようだな

我が名はグラムお前達を処刑する者だ


自分はロイ悪いけど殺される訳にはいかない

まだ成すべき事を成していないからね


里の皆によくもあんな事をしたな

絶対に許さないぞ!


一度拾った命…ここで落とす事になるとは

我々に歯向かった事を後悔せよ

グラムは強大なマナを放ち2人の前に立ち塞がる


くっ!そのマナの重圧感がグラムの強さを物語っていた


ゆくぞ!

グラムは物凄い速さでキバとの距離を詰める


うあぁとたじろぐキバを斬りつけその反動でロイに斬撃を飛ばしてきた


ぐっ!(強い…!)ロイも怯む


それを見ている事しか出来ないリオンは悔しさと申し訳なさで一杯だった

なおも続く圧倒的攻撃の嵐

ロイは何とか防ぎつつキバに反撃の隙を与えてあげようと

必死に耐えている


キバもそれに応えようと意識を研ぎ澄ませ

マナを足に集中させていた


オイラはワーウルフの戦士だ

皆の思いを背負ってるんだ!ぐおおおおおお…


無駄な足掻きはよせ

俺の剣はお前らに止められはしない

そんなグラムの声も届かぬほどキバは集中していた

全てはこの一撃のために


そのときロイが一瞬の隙をつきグラムの剣を弾いた

その刹那キバの一撃がグラムの体を穿つ


ーーーー奥義・旋堂呀突ーーーー


ぶはぁ…!!

キバの強烈な蹴りにグラムは血を吐き膝まづいた


どうだ!オイラの渾身の蹴りだ

キバはこれで勝ったと意気揚々だったが

ロイはまだ気を緩めていなかった


ククッ…俺もまだ修行が足りなかったな

剣一本で勝てると驕っていたよ

そう言いながらグラムは剣をもう一本抜いた


国王に選ばれし王の七剣には王自らより二つ名が与えられる

俺が与えられし二つ名は【双剣】

我が双剣のグラムの名は伊達じゃないぞ


先程より洗練され凄まじいマナがグラムから溢れている


オ…オイラ…こんな大きなマナ見たことない

キバはその圧倒的なマナの差にたじろいでしまった


俺にも分かる

今の自分では勝てない…けど諦めたりはしない


ロイは数々の本物の戦いの中で成長を続けていた

そして先の戦いから学んだマナのコントロール

それがロイに今更なる成長をもたらしたのだった


やっと…理解したよリオン


…ロイ…一体何を…

まさか…


そのまさかだよ

ようやくギフト本来の使い方が解ったんだ


ギフト…お前ら異界の者の一部が使う力か

だが俺には通用せんぞとグラムは双剣で構えている


確かに純粋な強さではまだ足元にも及ばないよ


では見せてみよ!俺を討つ力を

クレステア王国流剣技・双の型 飛閃刃!


ズバズバと斬りつけられるロイ


ロイの兄ちゃん!!

キバは助けに入ろうとするが先程の技の反動で足が動かない


はぁぁ!とどめだ刃翔双刃!!


グラムの斬撃が容赦なく襲い掛かる

そのときロイがついにギフトを発動した


!何が起きた!?

グラムの放った斬撃が一瞬にして消滅した


このギフトの名は【絶剣】自分が斬りつけたもの

全ての力が消滅する


私の知る絶剣はロイ自身に向けられる魔法などを

防ぐものだと思っていたが本来は絶剣により

絶つ力を造り出すものだったんだね


今だから分かる

この絶剣はゲームの時のためじゃない

この世界でその本来の力を発揮出来る力だったんだ


ごちゃごちゃと訳の分からぬ事を

うおー!

グラムが再び斬撃を放ってくる


ロイの剣は黒く染まり黒剣となっていた

絶剣はマナを剣に宿す事ではじめて扱える


ありがとう あなた方との戦いが自分を

成長させてくれた

はぁぁ!


ズバッ!!グラムの斬撃を絶ちグラムを斬り倒した


がはっ…俺が敗れるとは…

ぐっ…王の七剣に敗北はあってはならないのだ


止めるんだ!ロイ!!

リオンが叫ぶがその瞬間グラムは自分の身に刃を突き刺したのだった


どうしてそんなことをするんだ!


我ら騎士は王国を守るため悪に屈しない…

負け恥を晒し国民の見本となれるもの…か…


ドサッ グラムが大量の血を流しその場に倒れる


オイラ…許せないけど自ら死ぬの間違ってるよ


ふっ…里の件はすまなかったな…

ロイと言ったな

俺が敗れた事で王国はますます神託者を討つことに

尽力を尽くすだろう…

お前がこの世界で何をしたいのかは分からぬが

せいぜい生き抜いてみよ

あの世…から…みててや…る………


そしてグラムは息を引き取った

神託者は悪という王国の真意は一体なんなのか

ロイはグラムとの戦いでまた一つ悲しみを背負ったのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ