合唱同好会のエイプリルフール
4月になりました。
もう季節的には春だと言うのにまだまだ肌寒いです。
そんな今日も合唱同好会の練習はあるので学校にやってきました。
「おはよう〜......?」
いつもの第二音楽室に入ったらそこには見知らぬ子がいました。 金髪ロングの子なんてこの高校にいたの!?外国人かな...?
「あ、あの、ど、どどどうかされました、か?合唱同好会に何か、ご、ご用です、か?」
いきなりの事態にてんやわんやしながらなんとか言葉を発します。
「オハヨウゴザイマス。わたし、前から合唱に興味がありマシテ、今日は見学させて貰おうと思ってきたデス。先生の許可も取ってあるデス」
日本語は普通に話せてるからハーフか何か...か、な?
「そうだったんですね!是非是非見学して行ってください!もうすぐ他の人達も来ると思うので!」
こんな時期に新入部員のチャンス!?...嬉しいな〜
「おはよー。ん?...知らない顔がいるな、和音の知り合い?」
そう思っていたら若菜ちゃんが来ました。
「うん!さっき知り合った...あ、名前そういえばまだ知らないや」
「三条レンというデス」
金髪の子は聞く前に教えてくれました、三条さん...聞いたことない名前だなぁ。
「名前は漢字でどう書くんだ?」
「片仮名デスよ」
日本人みたいな名前だけどカタカナなんだ...!
「って事はハーフかな、よろしくな三条」
「そうデスよ、よろしくデス」
「改めてわたしもよろしくね、三条さん」
「よろしくデス。後名前呼びでいいデスよ、なんだか落ち着かないデス」
「わかった、んじゃレン、今日はどうしてここに?」
「同好会見学デスよ、合唱に前から興味があったので」
「そうなのか、まぁゆっくり見学して行ってくれよ。多分もうすぐ先輩達もこはるも来るから...そういえばいつもはこの時間にはいるはずなのにこはるの奴遅いな」
その時レンちゃんがピクッとしました。
「...?どうしたのレンちゃん」
「い、いえ、なーんでもないデスよ?」
そこでまた扉が開きました。
「おはよ〜♪」
「...おはよう」
現れたのは菫先輩と紗耶香先輩。
「...珍しくこはるさんがまだいないのね」
「そうねぇ... あら?その金髪の可愛い子はだぁれ?」
「三条レンというデス、今日は見学に来たデス」
「よろしくね!ところでぎゅーってしてもいいかしら?」
「...初対面の子にぎゅーってするのはやめなさいよ、また引かれるわよ?」
「はぁ〜い」
「それにしてもこはるちゃん遅いね、どうしたんだろう?」
こんなに遅いなんて珍しいな、せっかく同好会メンバーが増えるかもなのに。
「どうせアニメでも見てるんだろ」
「そ、それはないと思うけど...」
「ねぇ、私の勘違いかもしれないんだけど、この子ってこはるちゃんじゃないかしら?」
菫先輩が突然そんな事を言いました、まさかそんなこと...声も全然違うし。
「...すみれ、さすがにそれはないんじゃない?声は少し似てると思うけどそれ以外は違うし」
「カツラを被ってる可能性もあるじゃない?それにさっきからやけにこの子に抱き着きたくてたまらないのよね、普通の子ならここまではないのに」
菫先輩の感覚はよくわからないけど、そうなのかな?
「お願い!レンちゃん!10秒、いいえ5秒でいいから抱きついてもいいかしら?」
「い、い、いい、デス、ヨ...?」
「それじゃ遠慮なく...ぎゅー!」
.............だけどわずか3秒も保たずに
「..............う〜...限界です!いい加減離せです!」
いい加減ってまだ10秒経ってないよ!?
でもあれ、この聞き覚えのある声は...
「この金髪の子、やっぱりこはるちゃんと同じような声してる!」
「よく見たら顔もそっくりだな、もしかしてこはるの従姉妹なのか?」
「いいえ!この抱きつき具合はこはるちゃん本人よ!きっとこれはカツラだわ!」
その時、もがいていたこはるちゃん?の髪の毛がずれ落ちて、見覚えのある髪が見えました。
「...本当にこはるさんだったのね、というか抱きつき具合ってなによ。こはるさんじゃなかったらどうするつもりだったんだか」
「ふふん!私の勘に狂いはないわ!」
「...すみれも抱きつくまでわからなかった癖に」
「もぉー!そこは褒めてくれてもいいでしょう!さやかのいじわる〜!」
「それよりも早く離すですー!このっこのっ!」
気付けばいつもの合唱同好会の光景になっていました。 それにしても
「なんでこはるちゃんはそんな格好をしてたの?」
「格好もだが声も結構変えてたよな、喋っててもわからなかったぞ」
「2人とも今日が何の日なのか忘れているですか?」
「「エイプリルフール...!」」
若菜ちゃんも同じタイミングで答えに辿り着いたみたいでハモっちゃった。
「そう、エイプリルフールです!今日のために色々と準備していたのです!」
あはは、こはるちゃんらしいな。
「そんでさっきのは何のキャラのコスプレなんだ?」
「最近見たアニメの金髪ロングの子です!口調も少し似てたのでやってみたですよ」
「そうだったんだね〜。似合ってたよこはるちゃん」
言いながら、先ほどの金髪のカツラを見つめます。ちょっと、被ってみたい、かも。
「どうしたですか和音さん、そんなに金髪を見つめて...よければ被ってもいいですよ?」
こはるちゃんが私の考えを察してか、そんな提案をしてくれました。
「いいの!? それじゃあ...」
こはるちゃんがカツラを被せてくれました。
「わぁ…かずねちゃんなのね!髪が変わると別人そのものだわぁ」
「えへへ、ありがとうございます。」
「でも和音みたいな子がこういう髪色になると、なんかこう...」
「...不良っぽい...わね」
不良!?そ、そんな...
「冗談だって冗談!そんな顔するなって!でもほんと別人みたいだ、試しに今日1日それで過ごすか?」
「そ、それはちょっと...不良さんぽいのは嫌だから...はい、ありがとう、こはるちゃんにこれ返すね」
そう言ってカツラを返します。
「それは残念です。また付けたくなったら言ってくれたら持ってくるですよ」
「ね、ね、こはるちゃん 次は私に貸してくれないかしら?」
「もう今日は貸し出し期間終了です!ほら皆さん合唱するですよ!」
「も〜こはるちゃんのいけず〜!」
「...ほらすみれ、そろそろ切り替えて、やるわよ」
「は〜い♪」
「ほら和音も行くぞ」
「あ、ま、待ってみんな〜!」