第六話 弟子入りから半年
マイアとミツバの年齢が増えてたの忘れてました
マイアのスキル一部変えました
黒曜石の説明変更しました。
この為、途中の内容が少し変わってます。
話の流れに変更はないので大丈夫です。
ガーデとミツバに出会い、ミツバと共にガーデに鍛えてもらうことになった俺は、今、人生の壁と向き合っていた。
その相手とは……
「ウッゴォォオ‼︎」
そう、何時ぞやのゴリラである。
何故、今俺がこいつと向き合っているのか、それには色々と深い理由がある……いや、嘘です、深くはないです。
あれからもう既に半年が経っていた。
その間には色々あった。
俺のスキルを知ったガーデとミツバが驚いたり、騒いだりした。
その後は狩りをしたり、ミツバと試合をしたり、ガーデに戦い方や武具の造り方を教えてもらったり、武具を造ったりしながら過ごした。
あと、ミツバが料理上手で、大食いなのが意外だった。
そんな風に半年の間すごしたわけだが、その結果俺のステータスはというと……
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
マイア ♀ 人間 16歳
級値:15
職業:転生者(変更不可職、非公開職)Lv18
副業:剣士Lv6
称号:なし
HP:210/210
MP:225/225
攻撃:211
守備:210
俊敏:226
○スキル○
種族:獣魂【狼】
種族:竜鱗【雷竜】
種族:精霊の友【火】【風】【水】【土】
種族:天翼【鋼】
種族:加護付与
種族:魔性【吸血鬼】
種族:魔術【空間】【光】【闇】【聖】
固有:叡智の声
固有:天啓
固有:経験は力なり
固有:絶対記憶
魔法:生活【A】
収納【S】
隠蔽【D】
偽装【S】
鑑定【S】
戦闘術【S】
状態異常耐性【A】
友誼
御返し【B】
走法【B】
気配察知【C】
危険察知【C】
空間把握【C】
剥ぎ取り【B】
投擲【D】
職業:農耕【E】
職業:収穫【E】
職業:開拓【E】
職業:長剣術【C】
職業:鍛冶【B】
職業:副業
職業:経験共有
職業:マッピング
職業:念話
職業:転職自由化
△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
となっている。
普通半年でここまではならない物らしいのだが、俺にはあのショタ神様がやり過ぎてくれた固有スキルがある。
この固有スキルが本当にぶっ壊れ性能であった。
まず、[経験は力なり]により級値や職業レベルの上昇速度はほぼ通常の倍だし、スキルランクの上昇速度も倍、更には通常スキルであれば経験さえすれば身に付けられるのである。
次に[絶対記憶]である。このスキルはその名の通り一度記憶した事は忘れないというスキルだ。これにより、ガーデの教えを取りこぼす事なく身に付けられた。
他には[天啓]により自分に及ぶ危険を感覚として察知出来るし、困ったらエイさんこと[叡智の声]で知る事ができる。
これらのスキルにより俺はミツバを超えた。
それをミツバが知った時の落ち込みようと言ったら……凄かった。
そして、今俺はガーデに卒業課題として目の前にいるこのゴリラの討伐を命じられたのである。
因みにミツバはこの森にいるオークというゴブリンの上位種のようなものを討伐するよう命じられていた。
「よし、やるか」
このひと月を振り返っている間に覚悟が出来た。その間にゴリラは攻めて来なかったのは少しばかり謎だが、今は気にしなくて良いだろう。
「行くぞ、クソゴリラ‼︎」
そう叫んで俺は長剣を構えてゴリラへと駆ける。
「ウゴッ‼︎」
それと同時にゴリラも動きを開始する。
まず始めにゴリラは右手を俺に向けて振ってくる。
俺はそれを体を屈めることで躱す。俺の上をゴリラの腕が音をたてながら通り過ぎて行く。俺はその腕に体を回転させて斬理かかる。
「そいやっ‼︎」
俺の長剣は少しの抵抗の後、ゴリラの腕を斬りとばす。
こんな事は前の長剣では出来ない。俺が今使っているのは黒曜石という斬れ味の凄い石で俺が造った長剣だ。これと同じ素材で短剣も造った。
「ウガァァ‼︎」
腕を斬り飛ばされたゴリラは激昂して残った腕で俺に殴りかかって来る。
俺はそれを躱して、ゴリラに斬りかかる。
しかし、今度はゴリラも学習したらしく、後ろに跳んで躱そうとするが、躱しきれずゴリラの身体に傷が付く。
「グッ‼︎ガァアッ‼︎」
痛みに耐えながらゴリラは叫ぶ。そして、跳ね上がり、回転を始める。
「はは‼︎来い‼︎」
俺はゴリラの回転しての体当たり、スキル[ニードルスピン]と正面から対峙する。
「二度も同じ手には……引っかからねぇよ‼︎」
俺はゴリラに対して[収納]から出した石を全力で投げつける。
バギッグシャ
「ウガッァ⁉︎」
その石がゴリラに当たると何か硬い物が砕ける音と抉れるような音がした後、ゴリラの叫びが続く。
そして、ゴリラの回転が乱れる。俺はゴリラを躱し、地面にぶつかる音がした後ゴリラの方を向く。そこには苦悶の表情を浮かべているゴリラが倒れていた。
「どうやら上手く言ったみたいだな」
ゴリラが倒れているのは俺が投げた石の所為だ。あの石はただの石ではなく、武器を造る時に使った黒曜石の残りである。
ゴリラの棘はサイのツノと一緒で毛が進化したものらしい。そのため、俺が[投擲]を使って投げた黒曜石はゴリラの棘を斬り砕き、身体に突き刺さったのである。
「さっきまでの意気はどうした?」
「ウッ、ゴァ……ゴフッ」
俺が近付くとゴリラは息も絶え絶えに鳴く。
どうやら、俺の投げた黒曜石はゴリラの内臓をかなり傷付けた様でゴリラは血を吐いている。
「これで終わりだ」
俺は黒曜石の長剣をゴリラの首に当て、振り抜く。
これにより、俺とゴリラの戦いは終わった。
あっ、スキルに[魔闘変換]と言うのが増えてました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ゴリラとの戦いを終え、俺はガーデの元に戻ってきていた。
俺が戻るとそこには既にミツバが戻って来ていた。
「くそっ先を越されたかぁ」
「大丈夫で御座りますよ。自分も先程戻って来たところで御座りますから」
俺がわざとらしく悔しがると、ミツバは微笑みながら返事をしてくれる。
俺とミツバはこの半年でかなり仲良くなった。どれくらい仲良くなったかというと側に居て当たり前と思う程である。
「きゅい」
俺がミツバの側まで行くとアカネが足元にやって来る。
この半年でアカネも強くなった。
どれくらい強いかというとステータスの数値だけならEランクの魔物と同程度である。
普通のスマイルラビットがFランクでも下なのを考えるとかなり強い。
『ごほん、揃ったな。では、結果を教えてもらおうか?』
俺とミツバ、アカネが戯れているとガーデがわざとらしく咳をするようなことを言ってから結果を聞いて来る。
「結果?そんなもの勝ったに決まってるだろ」
俺はそう言って[収納]に入れていたゴリラの死体を出す。
[収納]は中に入ってる物の時間を止めるので保存にもってこいだ。
『うむ、確かにマイアは勝ったようだな。では、ミツバ、お主はどうだ?』
ゴリラの死体を見て俺の勝利を確認するとガーデはミツバに訊く。
「はい。自分も当然、成し遂げたで御座ります」
そう答えるとミツバも[収納]からオークの死体を出す。
オークは大雑把に言えば二足歩行の太った豚だ。また、その豚が鎧を着て大剣を持った、オークジェネラルがおり、何も着ないで棍棒を持ってるのがオークだ。
オークジェネラルはオークの上位種で、その更に上にはオークキングがいる。
『うむ、両名確かに合格であるな。では、最終試験の締め括りとして、マイアとミツバ、二人で模擬戦をせよ』
俺とミツバの成果を見るとガーデは満足そうに頷く。そして、締め括りとして、俺とミツバによる模擬戦を指示してきた。
『最後にお互いの実力を知った方が良かろう?模擬戦に始まり模擬戦に終わると行こうではないか』
ふむ、なるほどな。そういう事ならやってもいいだろう……だが、条件があるがな。
「わかった、やろう。しかし、俺が勝ったら、ガーデ、お前も相手になれ」
俺は……俺達はまだ一度もガーデと手合わせをした事がない。
目の前にこれだけの強者がいるのだ、今の俺の実力でどこまでやれるかみてみたいのだ。
……それにこれを逃せばもう戦うことはできないだろうから。
『……ふむ、良かろう。その申し出、受けて立とう……言ったからには勝つのだぞ?』
ガーデがニヤつきながら返答する。
さて、許可も出たしやるかね……
俺がそう思い模擬戦の為に動き出すと、その前にミツバが立ち塞がった。
「……なんだよ?」
俺がそう質問するとミツバは一度目を瞑り、目を開ける。
そこには何かしら決意した様な眼があった。
「マイア殿、今回の勝負、本気でお相手願いたいで御座ります」
……成る程ね。俺のガーデへの発言が自分を下に見ていると感じたのだろう。
だから態々こんなことをしているわけだ。
……全く、馬鹿だな。
「何を言ってんだ?そんなの当たり前だろ?」
「……⁉︎そ、そうで御座りますか⁉︎そ、それなら良いで御座りますよ‼︎」
そう言いながら早足でミツバは移動して行く。
その顔がどこか嬉しそうに見えるのは俺の気の所為かね?
さて、ここで改めてミツバのステータスを確認っと
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
ミツバ・スメラギ ♀ 半竜人 21歳
級値:13
職業:槍武者Lv16
称号:なし
HP:143/143
MP:142/142
攻撃:161
守備:159
俊敏:154
○スキル○
種族:竜鱗【風】
種族:魔術【無】
固有:竜魔眼
魔法:生活【C】
収納【C】
気配察知【C】
戦闘術【C】
料理【B】
剥ぎ取り【D】
職業:我流槍術【C】
職業:我流歩法【C】
職業:敵影視認【D】
△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△
うん、強くなっている。これでも普通ならかなり強く成長している方だ。
……俺のステータスを見てからだとそこまでに見えるが……
そんな風にミツバを見ている間に俺とミツバは向かい合う。
そして、俺たちはお互い武器を構える。
それは、俺とミツバが初めて出会ったあの日と同じである。
同じ場所、同じ構図。しかし、立場も理由も今は違う。
あの時はミツバと俺は赤の他人で、ミツバは俺を敵だと思っていた。
今は仲間で、お互いの力を示すため。
「さぁ、始めるで御座りますよ」
ミツバは俺を見据えながらそう言う。
「あぁ……始めよう」
それに対し俺もミツバを見据えて答える。
『では、始めよ‼︎』
そして、ガーデの声と共に俺とミツバは地を蹴った。