第十二話 いざ、冒険者登録
前回のあらすじ
マイア達はガーデの所を立ち、冒険を始めることにする。
出発直後あった冒険者を助け、一緒に目的地へ。
目的地に着いたマイア達は冒険者登録をする事にした。
では、続きをどうぞ。
「『仕事取られた!?』」
街に入った俺たちはそのまま冒険者協会に向かった。
……冒険者協会って長いな……よし、これからはギルドって言おう。
冒険者協会改め、ギルドは関所から歩いて二十分程の所にあった。
ギルドは木製の二階建てだった。外見はこれぞ酒場、というような感じだ。
俺たちはギルドの扉を開けて中に入った。
中は入って右側に酒場があり、左側におそらく魔物などの素材の買取所があり、正面が少し開けていて、受付があった。
受付は5箇所あり、今は真ん中の所にだけ女性が座っていた。
運良く受付には誰も並んでなかったので、そのまま受付に行った。
「ちょっといいか?」
「はい、なんでしょうか?」
受付嬢は俺が声を掛けるとすぐに用件を聞いてきた。
それに対し俺は用件を伝える。
「冒険者登録をしたい、俺とミツバの二人だ」
「……分かりました。では、こちらにご記入ください」
少し間はあったが、受付嬢は俺とミツバに紙を渡してきた。
因みにこの世界の紙は上質紙などではなく羊皮紙が一般的だ。
紙には名前、年齢、性別、種族、職業を記入する欄があった。
職業は任意だったので空欄にして他を書いた。
書き終えてミツバの紙を覗いたが、どうやらミツバも職業は空欄にした様だった。
書き終わった旨を伝え、紙を返すと登録試験があると言われた。
「試験?」
「はい、試験です。目的としてはお二人の実力を見る、というものです。稀にですが素人ではない方が登録に来られる事もございますので、そういう方が適正ランクから始められる為の制度です」
「なるほど……」
と、いう事で俺とミツバ、茜は受付嬢に案内されてギルドの裏に来ていた。
ギルドの裏には拓けた土地があり、そこはギルドの訓練場になっていた。
試験はそこでやるらしい。
受付嬢にすこし待っているように言われ、待っていると受付嬢が男を一人連れて戻って来た。
「お待たせしました。こちらな今回お二人の試験をして頂くAランク冒険者のムッテ様です」
「ムッテだ。よろしくな」
名乗った男──ムッテは三十代程の茶髪に青い眼をした偉丈夫だ。その体はしっかりと筋肉が付いていて、鍛えられていることがよく分かる。
ムッテは握手を求めて来たのでそれに応え、こちらも名乗った。
「マイアだ」
「ミツバで御座ります」
「お、おう」
俺達が名乗るとムッテはすこし詰まりながら応答した。
その後、試験内容が告げられる。
内容は簡単なもので、ムッテと闘い、それによって実力を図るというものだった。
その説明の間にムッテのステータスを見させてもらった。
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ムッテ ♂ 人間 39歳
級値:162
職業:傭兵Lv31
称号:冒険者協会トレジオ支部長 剛断
HP:1843/1843
MP:899/899
攻撃:1509
守備:1609
俊敏:1582
○スキル○
種族:魔術【火】
魔法:生活【S】
収納【A】
剥ぎ取り【A】
隠蔽【S】
鑑定【C】
気配感知【B】
戦闘術【A】
状態異常耐性【B】
職業:大剣術【A】
職業:奮起の雄叫び【B】
職業:威圧【A】
職業:戦場適応【C】
職業:大地割【B】
職業:大剣壁【B】
職業:敵意感知【A】
職業:戦気【B】
職業:護衛【B】
職業:鎧重堅化【C】
職業:鎧軽軟化【D】
職業:剣重操作【B】
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なんと、驚いた事にムッテはこの街、トレジオの支部長だった。
しかも、かなり強い。Aランクというのは事実のようだ。
説明が一通り終わると試験に入る事になった。
ステータス的には負けているが、どこまでやれるか楽しみだ。
「じゃあ、どっちから先にやる?」
ムッテの質問に少し考えた後、ミツバに先を譲る事にした。
そして、俺と受付嬢は訓練場の端による。
俺たちが端に寄ったのを確認するとムッテはミツバに開始の言葉をかける。
「さぁ、好きにかかって来ていいぞ。これはお前の実力を見るための試験だから本気で来いよ」
「そうで御座りますか。では、遠慮なくいくで御座ります」
その言葉を聞いたミツバは一度息を吸うとムッテに向かって駆け出す。
ムッテに接近したミツバは槍をムッテの胸に向かって突き刺す。
それをムッテは余裕の表情で槍の刃の側面に手を添えてそらす事で躱す。
今ので分かったと思うがムッテは武器を使わないどころか持ってすらいない。無手だ。
……ムッテが無手……駄洒落だな。
それはさておき、その後もミツバの攻撃は続く。
突きをそらされたミツバはそのまま槍を回転させ柄でムッテを打撃しにいく。
それをムッテは身体を半身ずらす事で躱す。
そして、槍の柄が地面に当たるとそれをムッテは踏む。槍を踏むと次に掌底をミツバに対して繰り出す。
掌底はミツバに当たるが、ミツバもそれを読んでいて当たるタイミングでうまいこと威力を流している。
掌底の瞬間にムッテの足が退いた事でミツバは槍を引き戻し、ムッテとの距離を取る。
一連の結果を見て思う事は、ムッテは全く力を出していないという事だ。
武器を使ってないこともそうだがムッテからの攻撃が無い。
これは確かに試験だと、そう思った。
その後、ミツバが数度接近と離脱を繰り返し、それをムッテが躱し、返し、退けることを繰り返した結果最後はムッテの掌底を躱しきれなかったミツバが膝をついてその試験は終わった。
いやぁ、読んでると時間忘れますね。
すいません、投稿するの忘れてました。




