第十話 旅立ち、そして出会い
遅れてすいません。
マイアの魔術スキルに【聖】を増やしました。
その影響で第二話、第三話、第六話、第八話に修正が入っています。
物語の流れに支障は特にないのでお気になさらず。
前回のあらすじ
「さてさて、作者の謝罪から始まった今回の前書きですが、今回も前回のあらすじやるよ〜。今回も僕ことクリエラがやるよ‼︎……えっ?巻きで?さっと終わらせる?いや、でも……はい。……では、手っ取り早く言います。聖剣召喚したらとんでもない伝説の剣出て来て焦ったらミツバと戦うことになって勝ったよ、マイアが‼︎以上あらすじでした‼︎」
●追記
ステータスの内容を変更しました。
ステータスに級値というものを追加しました。
聖剣を召喚し、ミツバと模擬戦してから一日経って俺と茜、ミツバは一緒にガーデの元を離れることにした。
『儂が教えることはもう特にない。これからは己で経験を積んで鍛えて行け。そして、儂を倒せるようになったと思ったら戻って来い。その時は相手をしてやろう』
別れる際、ガーデはそんな事を言っていた。
その際に聖剣使えば勝てるのでは?と思ったがよく考えたらいくら聖剣でも当たらないと意味がないので無理だ。
ガーデと別れた俺と茜とミツバはエイさんの指示に従って森の中を進んでいた。
「ところで、マイア殿はどこに向かっているので御座りますか?」
森を進んでいるとミツバが唐突にそんな事を聞いてきた。
そう言えば言ってないな、と思うのと同時にガーデと別れてから結構な時間が経っているのに今の今までなぜ疑問に思わなかったのかとつっこみたい感情も湧いてきたが、俺は正直に答える。
「あぁ、俺は冒険者の街〈トレジオ〉に向かってるんだが……ミツバはどこか別に行くところがあったの、か⁉︎」
もし、そうなら行き先を変えようか?と続けようとしたところでミツバが俺に詰め寄ってくる。
「い、いえ‼︎特に自分は行く当てはなかったので、もし良ければ御一緒させていただければと思っているので御座りますが、どうで御座りますか⁉︎」
詰め寄って来たミツバは凄い勢いと形相で訊いてくる。
俺はその圧に気圧されながらも答える。
「そ、そうか。な、なら一緒に来るか?」
「も、もちろんで御座ります‼︎これからもよろしくで御座ります‼︎」
俺の答えを聞くとミツバはその表情を大輪の花の様に輝いた笑みにしてくれる。
ただ、その返事が引っかかった。
今、ミツバは「これからも」と言わなかったか?言ったよな?ということはまさか街に着いた後も一緒にいてくれるということだろうか?それは、少しばかり嬉しいものがあるな。
その後、俺たちはオークやゴブリン、アッシュウルフに何度か遭遇し、それを倒しながら後少しで森を抜けれるところまで来た。
しかし、そこで音が聞こえた。
その音によく耳を澄ませるとそれは金属同士がぶつかる様な音、魔物のものであろう鳴き声、そして悲鳴や叫び声だった。
「おいおい、これはまずいんじゃないか?」
それを認識すると俺は弾かれた様に走り出す。
ミツバと茜も俺は何も言わずに動いたが黙って着いて来てくれていた。
「くそが‼︎」
「どらぁ‼︎」
「このままじゃヤベェぞ‼︎」
森を抜けると、そこでは馬車を守りながら鎧を着て、大剣や長剣、弓を使いながら戦う人たちがいた。
更によく見ると攻撃を受けたのか血だらけになった人が他に二人いた。
片方はローブを着て魔法使い然とした格好で、もう一人は革鎧などの軽装だ。
因みに全員男だ。
男たちは切羽詰まっているらしくこちらには気付かない。
そして、この男たちの相手になっているのはゴブリンだった。
ゴブリンの方は立っているものが十体で、他に恐らく死んでいるのが同じ数ほどいる。一番近いゴブリンまでの距離は約十メートル。
ゴブリンどもも男たちに夢中でこちらには気付いていない。
さて、状況把握はここまでにして手を出すとするか。
「いくぞ‼︎」
俺は茜とミツバに対する合図を兼ねた声を上げてゴブリンに突っ込む。
俺は突っ込みながら黒曜石の短剣を抜く。
俺は聖剣を基本的に使わないことにしたのだ。だって、絶対悪目立ちするだろ?
短剣を抜き、逆手に持つと一番近くにいたゴブリンの背後から首を掻っ切る。
その一撃でゴブリンの息の根を止めるとすぐに次のゴブリンに向かう。
駆け出してからゴブリンの息の根を止めるまで一秒未満。
そして、二体目のゴブリンの息の根を止めたところでミツバと茜も一体ずつ倒したようだ。これで残りは六体。
ここにきてやっと男たちとゴブリンどもは俺たちに気付いた。
しかし、今更遅い。
俺とミツバ、茜によりゴブリンどもは瞬く間に駆逐されていった。
「これでラスト、と……で、お前ら大丈夫か?」
「……あ、ああ。お陰で助かったよ、ありがとう」
最後のゴブリンの息の根を止めると俺は男たちに声を掛ける。
男たちはしばらく呆然としていたが正気に戻ると、立っている三人のうち大剣を持っている男がお礼を言ってきた。
どうやらこの男がこの連中のリーダーの様だ。
「無事なら良かった。俺はマイアだ。槍を持ってるのがミツバで、そっちの兎は茜という。で、お前たちの名前を聞いてもいいか?」
「あ、ああ、これは失礼した。俺はゴトという。長剣を持っているのがセドで弓を持つのがカウィ、ローブを着てるのがカムトで革鎧奴がソリッツで」
「聞いといて悪いんだが、カムトにソリッツだっけ?その二人はそのままで大丈夫なのか?」
「え?……ああ‼︎そ、そうだった‼︎おいっ、まだ生きてるか⁉︎」
俺がゴトの言葉を遮りカムトとソリッツの容態を聞くと、忘れていたのか急に焦り出し二人の様子を確かめる。
そして、息をしているか確かめた後、濃い緑色の液体の入った瓶を取り出すと中身を二人に飲ませている。
「なぁ、ミツバ?あの液体はなんど?」
「ん?あぁ、あれで御座りますか。あれは回復薬で御座りますな。色の濃さからして恐らく下級か中級のもので御座りましょう」
ほう、そんなものがあるのか。まぁ、魔法がある世界だしそれくらいあるか。
俺がそんなことを思っているとミツバが何かに気付いたような顔をする。
「どうした?」
「いや、その、正直あのような回復薬よりもマイア殿が魔術を使った方が効果的ではないで御座ろうか、と思った次第で御座りまして」
……あぁ、そうだね。
俺はミツバの言葉を聞き、お節介かと思いつつ、ゴト達のところへ向かった。
すいません。他の作品読んでたら書くの遅れました。次は今度こそ近い内に出したいと思います。
次回「冒険者の街[トレジオ]」(仮題)




