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第一話 死は生の始まり

一作目も二作目も全然進んでないのに三作目です。


仕方ないじゃん、思い付いたんだから。

 俺は村上 武。何処にでもいる高校一年だ。

 そう、何処にでもいる高校一年のはずなんだが……今俺は自称神と向き合っている。それも、何処かもわからない真っ白な空間で……


 何故こうなった……落ち着け俺、考えろ、思い出せぇ‼︎

 そうだよ、確か今日もいつも通り過ごしてたはずで……


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


 今日も良い天気だなぁ、そう思いながら今俺は授業をサボって学校の屋上で寝そべっている。今は確か三時間目。そのあとは昼飯だ。

 ……よし、それまで寝て待つか。



 キーンコーンカーンコーン……


 三時間目終了の合図のチャイムで俺は目を覚ます。


「よし、飯だな」


 俺は起き上がって教室へと向かう。

 今日はもうこれで帰ろうかなぁ、そんな事を考えながら歩いていると後ろから声が掛けられる。


「おい村上‼︎お前、またサボりおったな‼︎」


 そう言って俺の腕を掴んで引っぱるのは、三時間目の授業を担当していた教師のおっさん。

 おっさんは怒気を隠そうともせずに俺を睨んでくる。


「なんだよ。放せよ、おっさん」

「なんだと⁉︎調子に乗るのもいい加減にしろよ‼︎」


 俺が文句を言うとおっさんは更に顔を赤くして怒る。そして、腕を掴んでいる手にも力が入る。

 痛えな、おい。


 そろそろ鬱陶しいので殴ろうとした所で俺とおっさんの間に声が割り込む。


「こんな所で立ち止まられて、どうかされたんですか、湯島先生?」


 そう言って割り込んできたのは、俺のクラスの担任である女性教師。

 この先生は若くて、スタイルも良く美人。その上どの生徒にも分け隔てなく接するので学校の人気者である。


 そんな先生は俺にも平等に優しいわけで……

 おっさん改め湯島に事情を聞き、その上で俺を弁護してその場をおさめてくれる。


「ふん。神崎先生の優しさに感謝するんだな。次は無いぞ‼︎」


 そう言って湯島は去っていった。

 五月蝿えよ。お前の授業になんて出るわけ無いだろ。

 湯島の姿が見えなくなると女性教師、神崎先生は俺のほうを見てくる。


 え?なんで神崎先生だけ先生ってつけるかって?それは尊敬に値するからだよ。あのおっさんは尊敬に値しない、するわけが無い。


「村上君?また、湯島先生の授業をサボったんですか?」

「……えぇ、まぁ」


 神崎先生は俺に確認をしてくる。それに対して俺は何とも気まずい感じで返事をする。


「はぁ……いいですか?村上君、君が賢くて、授業を受けなくても良い点が取れるのは知っています。しかし、これとそれは話がですね……」


 神崎先生の説教を聞きながら俺は思う。

 そう、俺はこの学校では賢い方だ。湯島以外の授業もある程度は出ている。一切出ていないのは湯島の授業だけだ。それでも、殆どの授業はそんなにためになるとは思っていない。何故なら出なくても分かるから。


「……ですから、これからはちゃんと出るようにしてくださいね?良いですか?」

「え、あ、はい」


 俺が考え事をしている間に説教は終わったらしく、最後の確認をされた。それになんとか不自然でないように返事をして俺は神崎先生と別れる。


「……帰るか」


 それから、俺は教室に戻り、鞄を持って家への帰路につく。

 帰っている途中、電柱に貼ってある張り紙に何故か目がいった。

 そこにはこう書いてあった。


『火の用心。火事にご注意下さい。それから、最近放火が起きています。この一帯の方はお気をつけ下さい』


 それは消防署からの火事への注意を促す張り紙。そう言えば最近ボヤ騒ぎが多いなぁ、と思いながら歩いて、家に着いた。


 俺の家は両親共働きで誰も居ないので自由だ。

 なので、俺は昼飯を食べてから、テレビをつけて観る。そして俺はいつの間にか寝てしまった……


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ガヤガヤ……


 なんだか周りが騒がしく、俺は目を覚ます。

 そして、俺は固まる。

 ……だって、周りが火の海と化しているのだから……


 は?一体全体何がどうなったらこうなる?火は使っていない。だって、持って行った弁当を食べただけなんだから。


 俺は混乱に陥っていた。早くこの中から逃げようとかも考えたが、まず、この状況でどうやって逃げろというのか。無理である。


 そこで、ふと、俺はある事を思い出す。それは、帰りに見た張り紙。あそこにはなんて書いてあった?そうだ、放火だ。これは放火されたのだ。そして、運悪く俺の家は全焼しているのだ。……なんてことだ。


 そうこうしている間も火の手は俺へと迫って来る。

 そして、遂にその時が来た。燃えていた柱が崩れ、天井が落ちてくる。

 あ、これは死んだな。不思議と冷静にそんな事を思った。


 ところが、そこである事が起きる。部屋のドアが開いたのだ。俺は天井に潰される直前にそれを見た。

 そこには神崎先生がいた。彼女の服はこの火の中を進んできたがために所々焼け焦げており、その被害は髪にも及んでいる。


 おいおいおい、なんでここに神崎先生が居るんだよ⁉︎


 俺は意味がわからなかった。

 それでも、この場から逃げるように叫ぼうとした所で……


 △▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


 そうだよ。俺はそれで死んだ、はずだった。

 だけど、その後俺は何処とも分からない空間にいた。辺り一面真っ白で、上下左右も分からない場所。そこに俺は突っ立っていて、そしたらクリエラとかいう自称神が現れてこう言いやがった。


「放火で死んじゃってドンマイ‼︎でも、喜べ少年‼︎君はとても運がいい。何故なら君には異世界への転生権があるからだ‼︎」


 ドヤァという文字が背景に見えそうなくらいいいドヤ顔で、自称神はそんな事を言ってきた。

 そして、今、俺と自称神は向き合っている。


 うん、考えても分かんないわ。


「おーい?聞いてる?もしもーし?」


 俺が回想に耽っていると、自称神が不安そうな顔で聞いてくる。


「あ、はい。聞いてますよ」

「そ、そうか‼︎それは良かった」


 俺が返事をすると自称神は安心したような顔になる。

 うん、悪い神?ではなさそうだな。


 因みに、この神様、見た目どう見ても子供である。所謂ショタだ。


「じゃ、じゃあさ、話進めていい?」


 そんなショタ神様は俺に話の続きをしていいか聞いくるので頷く。


 ショタ神様の説明は以下の通り。


 放火による火事で死んだ俺は運が良いのか悪いのか俺が生きていた世界とは違う異世界に転生できる権利を得た。そして、ここからが大事。俺が転生する異世界には職業とスキルと言うものがあるらしい。これには俺も心が踊った。だってそうだろ?俺は漫画とかも読んでいたから、その漫画に描かれていたような世界に行けるなんて嬉しく仕方ない。

 そして、今この空間に居るのは、突然異世界に転生しては混乱するだろうからというのと、転生後の職業とスキルを決めるためらしい。


「って事で、自由に決めて良いよ‼︎」


 そう言ってショタ神様は俺に何処から取り出したのか巨大な辞書のような物を渡してくる。


 辞書の表紙には『職業&スキル名鑑』と書いてある。


「それの中から選んでね‼︎あ、ポイント制だからしっかり考えて決めなよ。因みに君のポイントは千七百四十七ポイントだよ‼︎」


 ポイント制ですか、わかりました。てか、ポイントの数値言われても高いのか低いのか分かりません。

 まぁ、それはさておき決めますか。どれどれ……お‼︎種族まで自由に出来るのか。性別は……男で良いな、うん。


 ーーーーーーーーーーーーーーー


 暫くして俺は種族、職業、スキルの構成を決めた。我ながらかなり良い出来だと思う。因みに種族は人間族にした。


「よし、じゃあ、これでお願いします」


 そう言ってショタ神様に構成を記した紙を渡す。この紙は名鑑の一ページ目に付いてあった。


「ふむふむ……なかなか良い出来だね。初めてとは思えないよ」


 紙を受け取ったショタ神様の太鼓判も頂けたようで何よりだ。


「じゃあ、早速やろうか」


 そう言ってショタ神様は俺に掌を向けて、腕を突き出す。


「汝、村上 武よ。我、転生神クリエラが汝を異世界へと転生させることに異議申し立てはあるか」


 ショタ神様が先程迄とは全く違う張り詰めた雰囲気を纏って俺に問う。

 俺はその雰囲気に飲まれつつも首を振る。それを見たショタ神様は一度目を閉じると、再び目を開ける。

 そして、告げる。


「汝の同意を持って契約は成ったものとする‼︎さぁ、新たなる生の始まりであるぞ、歓喜せよ‼︎」


 ショタ神様がそう言った瞬間、俺の足元と頭上に魔法陣が浮かび上がる。そして、魔法陣が回り出し、輝きを放つ。


「さぁ、行け‼︎新たなる生を汝は得た‼︎汝に幸あらん事を‼︎」


 その言葉を最後にショタ神様の姿は見えなくなる。

 これからの生活楽しみだな。うん、頑張ろう。

 俺は気合いを入れる。


 ……だが、そこで終わる事はなかった。


「ん?あれ?……あ、やばっ、設定ミスった……村上君の決めた設定じゃなくて、これ、ランダムになってる……あれぇ、どうしよう、これ……」


 ……どうやら何かしらミスがあって俺が悩んで考えた構成は反映されなかったらしい……ついてねぇな、俺。


 そう思ったのを最後に俺の意識は光に飲まれる。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 村上 武が居なくなった真っ白な空間、そこでショタ神様ことクリエラは焦っていた。


「ど、どうしよう、どうしよう……コレは完全に僕ミスだしなぁ……」


 クリエラは暫く頭を抱えながら唸った後、諦めにも似た表情になり、決める。


「うん、こうなったら、もう、僕に出来る最大限の恩恵与えちゃおう。うん、それが良い‼︎」


 どうやらクリエラは吹っ切れたようである。そして、クリエラは何やら操作板のようなものを出して操作を始めるのであった。

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