表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議の国で引きこもり!?  作者: 神無 乃愛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/27

王都到着

 王都に行くまでモンスターとの遭遇率はかなり高い。

 その間、憲治は全く役に立たない。


 片隅で怯えるように見ているだけだ。その代り、皮をなめすとなったら、ものすごく早い。

「裁縫スキルだけがどんどん上がってるよな」

 鋏が呆れたように呟いていた。

「だって憲治だもの」

 ピンクッションがそんなフォローをしていた。


 そんなことも無視して、憲治は送られてきた毛糸で編み物をしていた。


「憲治ぃぃ。ほんっとそろそろ……ごめんなさい」

 そろそろ動き出したい鍵が憲治に声をかけたものの、すぐさま翻していた。

 睨んだ(憲治は睨んだわけではない。決して)憲治が怖かったのだ。

「悪い。もう少しでひざ掛けが出来上がるから、待ってくれ」

「誰が使うんだよ!? 誰が!」

「え? チシャ猫的ケットシー」

 さらりと憲治が答える。

「鍵。諦めろ。憲治は猫が寒がりだと思い込んでるからな」

「……その分の優しさを俺にくれ」

「無茶言うな」

 鋏がフォローになっていないフォローで鍵を慰めていた。


 本来ならば三か月で到着する行程のはずが、倍の半年経ってもいまだ王都にたどり着かず鍵はぐったりとしていた。

 憲治に言わせると「雪が降ったから仕方ない」とのことだが、半分以上は憲治が夜遅くまで編み物したり、縫物したりしていたせいである。


 そんなこんなで鍵は突っ込みする気力もなくなっていた。

「そのうちワーウルフの爺に文句つけてやる」

 人選くらいもっとましな奴にしてほしい。例えば地球(向こうの世界)でよく見かけたラノベとかいうやつに出てくる勇者に憧れるやつとか。何も顔だけ悪人な憲治を選ばなくてもよかったはずである。

「しっかし、この世界は今のところ天国だな。好きなだけ好きなものを作れるっ」

 当の憲治は気にすることなくせっせと作っていた。


 そして、鍵の作る空間は憲治の作った色んなモノで溢れていた。



 王都に間もなくというところで、憲治は疑問に思た。

「……そういや、大丈夫なのか?」

「何が?」

 珍しく鍵がつっけんどんに答えてきた。

「いや、今まで魔物以外見かけてないからさ」

「俺がこっちから逃げる前と変わらないんだったら、問題ないと思う。自分のことは何一つ満足にできないやつだから、最低限世話出来るやつは残してるはずだって最初に言ったろ?」

 すっかり忘れていた。そして憲治は女王を自分勝手だと思ったが、他のメンバーから見れば女王と憲治は同類かもしれないという。

「逆に考えれば、憲治でよかったのかも」

 ほのぼのとピンクッションがのたまった。

「何でそうなるんだよ!?」

「だって、女王というくらいだから、女性でしょ? 憲治に服を作ってもらえばいいと思うの」

「……理由」

「城下町にヒトはいるのかしら?」

「……多分ってしか言えねぇ」

「じゃあ、私たちみたいなイキモノは?」

「それは多少いるはずだ」

「そう。ならば案ずるより産むがごとしということで、行きましょ」

 楽しそうにピンクッションが促した。


 そこはまさに、憲治にとってパラダイスだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ