時渡りの姫巫女 どうでもいい話
「2幕 12 選択 」より
「一人でここに来るなんて、珍しいわね。……あの、お嬢ちゃんは良いの?」
「それが目的だ」
そう答えられて、女はようやくそこにいた少女の姿に気付く。
ヴォルフがそのままリィナへと歩み寄った。
「あ、ヴォルフ」
かかった影に気付いて顔上げるリィナに、ヴォルフが「よぉ」と表情を和らげた。
「俺ができる事はあるか?」
「はい、じゃあ、こっちの洗った分、絞ってもらえますか?」
そこは共同の洗濯場になっている川辺。
珍しくそんな場所に姿を現したヴォルフはリィナのとなりに座り込む。
「ああ、それは俺の方が良さそうだな」
指された洗濯物を見て肯くと、ぐっと絞った。
「さすがヴォルフ、よく絞れてます! でも破らないように気をつけて下さいね!」
「もちろんだ」
女は眼を細めながら、小川のほとりで洗濯をせこせことする座り込んだ少女と、その隣で大柄な体をまるめて洗濯物を絞る男をみていた。
大小の丸まった背中が、なかよさげに、ころんとふたつ川辺に並んでいるのが、何ともかわいらしかった。
……という話が、サブタイトルを打ち込んだときに「洗濯」変換されたもんで、脳裏をよぎりました。
ほのぼのふぁんたじー!
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おまけのどうでもいいはなし。ぱーと2
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「2幕 14 選択3 」より
腐っている間に、彼女は一人耐えながら傷ついていたのだ。
↓ 腐るって?? ↓
以下、腐臭が苦手な方注意。というか、見ちゃダメです。
↓ ↓
「俺、ヴォルフのことが好きなんだ。あんたがあの女の子を大切にしているのは分かっている。邪魔なんてしない。…でも、少しでも良いから、俺のことも、見てくれよ…!!」
「何を……。男にそんな事を言われても……」
「笑って誤魔化そうとするなよ!冗談で済まそうとするな!男とか、女とか関係ない!俺は、あんたが好きなんだ……!! 俺を、見てよ……」
「……エドワード、やめるんだ! それ以上、言うな……っ」
という別の腐り方を想像したヤツは挙手!!
(……私です……|ω・`)ノ
ヴォルフが腐っていたら、そりゃ、リィナは一人で耐えながら傷ついていただろうと思います。
それにしてもエドワードって誰。
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おまけのどうでもいいはなし。ぱーと3
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「2幕 15 選択4 」より
書いていてボツにした文章。
●アフター
けれどヴォルフが選んだのは、手放さない覚悟だった。
↑
●びふぉー
けれどヴォルフが選んだのは、全く逆だった。
……選ばれたのは、綾鷹でした。
あの声が頭から離れず、「選んだのは、手放さない覚悟だった」の一言が書けませんでした。文章がしつこくならずすっきりして良かったです。さすが綾鷹。伊達に選ばれていません。
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おまけのどうでもいいはなし。 ぱーと4
リィナがヴォルフに愛を囁かれた場合。
「リィナ、愛してる」
ヴォルフの言葉に恥ずかしくてうつむいたリィナが、いたたまれなくなって叫んだ。
「わ、私、胸ないですけどっ」
胸元辺りで両手を握りしめたリィナが上目がちにヴォルフを見た。
「……残念だがな、ちびすけ」
「う……っ」
ヴォルフが呻くように呟き、その言葉を否定と取ったリィナが小さくひるんだ。
その時、ヴォルフがぐっと拳を握りしめ、力説をする。
「今の俺には、どんな立派な胸よりも、その胸の方が比べものにならないぐらい魅力的なんだ。頼むから、そこの所は自覚してくれ……!」
抱きしめて、その首筋に顔を埋めると、リィナが「うひゃっ」っと肩をすくめる。その色気のない声が、ヴォルフをたまらなく誘惑する。
「この、ささやかな胸がたまらない……!」
リィナは抱きしめられながら「なんだか、ほめられた気がしない…」と、何とも複雑な気分を味わったのであった。
どんなに不味い物でも、お前が作った物は、何でもおいしいよ。という理論。
それは愛の囁きにはなっても、決して褒め言葉ではない罠。