むさぼられるもの
私たちは、大勢でひとまとめにされた。正に『無造作』という表現の通り、乱雑に、放り投げられるように集められた。
乱雑に見えるが、見た目の良くない私は、隠されるように中央へ押し込められ、見た目の良い子が目立つところに並べられている。
私たちはみな、どこかへ連れていかれた。
そこは、明るくて騒がしい場所。
たくさんの男たちがいる場所。
男たちは、私たちを『待ってました』と言わんばかりに、嬉しそうにニヤニヤと見ている。
私たちを取り囲む男たちは、まるで『誰でもいい』かのように、手前から上から、手当たり次第に私たちの誰かを連れていく。
連れていかれた子たちは、まさしく『むさぼる』という表現が当てはまるように、扱われる。
残りもわずかになり、次は私が連れていかれるかもしれないというときだった。
私たちとは違う子たちが運ばれてきた。
すると、男たちの注目は、新しい子たちへと移る。
それはまるで、肌の茶色い私たちなど、『前菜』でしかないと言わんばかりに。
男たちは、白くて柔らかな肌の子たちを、丁寧に扱う。それは、私たちの時とは違う。優しく触れながら、平等に分け合う。
男たちは私たちに飽きたのか、ゲラゲラと汚い笑い声を響かせ、騒いでいる。
数人だけ残されている私たちは、このまま無事でいられるようだ。そう安堵した瞬間だった。
思いだしたかのように、隣の子が不意に、雑に、連れていかれた。
すると男たちは、再び私たちを連れていく。
そして、ついに私一人になってしまった。
覚悟を決める。
しかし、気付くと男たちの声が遠ざかっていく。
見渡すと、荒れ果てたそこには誰も残されていない。
ただ一人、最後に私だけ取り残された。
助かったのに、助かったはずなのに…
最後に残された私。
それはまるで、『お前はいらない』といわれたかのようで…
大皿の真ん中に…
唐揚げと揚げだし豆腐が人気で、安さとボリュームが売りの居酒屋。
今宵もまた、遠慮のかたまり の唐揚げが残される。




