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むさぼられるもの

掲載日:2025/12/08

 私たちは、大勢でひとまとめにされた。正に『無造作』という表現の通り、乱雑に、放り投げられるように集められた。


 乱雑に見えるが、見た目の良くない私は、隠されるように中央へ押し込められ、見た目の良い子が目立つところに並べられている。


 私たちはみな、どこかへ連れていかれた。


 そこは、明るくて騒がしい場所。

 たくさんの男たちがいる場所。


 男たちは、私たちを『待ってました』と言わんばかりに、嬉しそうにニヤニヤと見ている。


 私たちを取り囲む男たちは、まるで『誰でもいい』かのように、手前から上から、手当たり次第に私たちの誰かを連れていく。


 連れていかれた子たちは、まさしく『むさぼる』という表現が当てはまるように、扱われる。


 残りもわずかになり、次は私が連れていかれるかもしれないというときだった。


 私たちとは違う子たちが運ばれてきた。


 すると、男たちの注目は、新しい子たちへと移る。

 それはまるで、肌の茶色い私たちなど、『前菜』でしかないと言わんばかりに。


 男たちは、白くて柔らかな肌の子たちを、丁寧に扱う。それは、私たちの時とは違う。優しく触れながら、平等に分け合う。




 男たちは私たちに飽きたのか、ゲラゲラと汚い笑い声を響かせ、騒いでいる。


 数人だけ残されている私たちは、このまま無事でいられるようだ。そう安堵した瞬間だった。


 思いだしたかのように、隣の子が不意に、雑に、連れていかれた。



 すると男たちは、再び私たちを連れていく。


 そして、ついに私一人になってしまった。



 覚悟を決める。


 

 しかし、気付くと男たちの声が遠ざかっていく。

 見渡すと、荒れ果てたそこには誰も残されていない。

 ただ一人、最後に私だけ取り残された。



 助かったのに、助かったはずなのに…


 最後に残された私。


 それはまるで、『お前はいらない』といわれたかのようで…






 大皿の真ん中に…





 唐揚げと揚げだし豆腐が人気で、安さとボリュームが売りの居酒屋。


 今宵もまた、遠慮のかたまり の唐揚げが残される。

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