1/1
1
人間は、決めつけたがりだ。
いや、人間は決めつけないと判断できないのだ。
しかし、時々、人間の範疇を超えた、突然変異個体が現れる。
それが「天才」だ。
我々は日々、色々な場面で「天才」を使う。優れたアイデアに対して、優れた人物に対して、あるいは友人同士の褒め言葉として。
しかし、「天才」はそんな軽いものではない。優れているというのは、利用価値があるかないかということだ。
その人にとって価値がある優れたものも、ある人にとっては、価値がないがらくただ。
しかし、そんなことで価値が揺らいでは困る。発展するには、価値が皆の間で一致していないと駄目なのだ。
お金なんかはその代表だ。
みんなが、
「お金には価値がある」
と信じているから使えるのであって、
「お金には価値がない」
と思う人が多いと、途端にお金はただの紙切れに降格される。
お金はその瞬間、敗者になったのだ。
続く