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ソレイオス教聖典  作者: なうかん
ルキウス記
5/10

 ルキウスが身につけた魔法は≪照明(ライト)≫ ≪点火(てんか)≫ ≪回復(ヒール)≫の3つである。

≪照明≫は小さな光の玉を体の周りに浮かせる魔法、≪点火≫は指先から小さな火を出す魔法、≪回復≫は小さな怪我を治す魔法である。

これらの魔法はルキウスの旅を助けた。暗い森を照らし、火を起こし、魔獣との戦闘で負った傷を癒した。

各地で魔獣を討伐しながらルキウスは神の山を目指した。神の山のふもとにはたくさんの戦士が集っていたからである。

故郷の村を出ておよそ1年後ルキウスは神の山にたどり着いた。その頃にはルキウスはもはや数匹の魔獣に手こずるような事はなくなっていた。肉体もおよそ20歳になった。

ただ行くだけであればルキウスの故郷の村から神の山はそれほど離れてはいない。しかしルキウスは一年をかけ道中の魔獣をほぼ全滅させてから神の山へと至った。それゆえルキウスの名は民衆の英雄として広まっていった。

 神の山の戦士達にもルキウスの名声は届いていた。ルキウスが神の山の戦士団に挨拶に行くとみな、その若き英雄を讃えた。ルキウスは戦士団長のグファイルに自分が天使の転生した身であること、神託と加護を受け邪神討伐の旅をしていることを明かすとグファイルは戦士団を連れてルキウスに従った。

今までのルキウスの敵は群れたとしてもせいぜい数匹程度の魔獣だったが、これから戦うのは数万もの悪魔からなる軍団であった。そのためルキウスは戦士団を集めて軍団を作った。

軍団には強力な魔法の使い手が不足していたのでルキウスはグラファスを連れてエルフ族の里を訪れ、族長に謁見した。エルフの族長は数百年前からエルシアのままだった。エルシアはルキウスを見ると驚いた。ルキウスが転生したのは4、5年前だったにもかかわらず今目の前にいるルキウスは20歳だったからである。ルキウスは生まれてからの事を説明し、軍団で強力な攻撃魔法の使い手が不足しているのでエルフ族の戦士を欲していることを伝えた。

今まで多くの者が邪神に挑んだが破れてきた。しかし今回は天使ルキウスが挑むのである。それならばとエルシアは自らもルキウスと共に戦うことを決めた。 エルシアは族長の座を退き、自ら兵を率いてルキウスの軍に参加した。

エルシアの助言によりルキウスはドフィリアとケンティスも仲間に引き入れる為に説得することにした。

ルキウスはドワーフ族の拠点となっている鉱山を訪ねた。ドフィリアに会うとドフィリアはルキウスを待っていたと言う。なんとドフィリアは神託を受けルキウスに渡す聖剣を打ちルキウスが訪れるのを待っていたのだ。こうしてドフィリアとドワーフ族がルキウスの味方となった。

天使ケンティスは100年ほど前から行方不明となっていた。ケンティスの民であるケンタウロスや仲間の天使さえその行方を知らなかった。すでに邪神に挑んで死んでいるという話もあった。

ルキウスは今のケンタウロスの族長に謁見し、軍団への参加を募ったが族長はケンティスのいないまま重要な決定をするのを嫌がり、軍馬の提供と義勇兵の派遣は決定したが族全体で人族を支援することはしなかった。それでも民衆の英雄の名はケンタウロスの間にも広がっており多くのケンタウロスの義勇兵が集まった。

こうしてルキウスの軍団は大きくなった。

これらの旅の途中でもルキウスは多くの魔獣を討伐し【成長】の加護でさらに強くたくましくなった。

ケンタウロスの里から帰還したのちルキウスの軍団はついに邪神領への大侵攻を開始した。

ルキウスは腰に天使ドフィリアの打った聖剣ソルディヴァインを帯びていた。


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