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**ターゲット・タウン(バージョン2)**

**ターゲット・タウン(バージョン2)**


こうして、エイリアンの侵略計画は失敗に終わった。人間関係を破壊するというエイリアンの策略は非常に恐ろしいものであったが、心配はいらない。この出来事は未来の話だからだ。え?どうしてかって?それは、人間の関係性が浅薄で脆すぎて、エイリアンがそんな方法で攻撃しても意味がないからさ!


「教えてやろう。この人間たちは、信頼関係に基づいて動いている。暴力を使わずに地球を征服するには、彼らの信頼を壊せばいいのさ。そうすれば人間は自分たちを滅ぼし、全てを終わらせるだろう。どうだい、気に入ったか?」—エイリアン


「ジョニーさん」


「ケーキはいらないって言っただろ。それに、誕生日パーティーもしなくていい」


22歳の日本人青年ハマダは、23歳のジョニーと会話を試みた。ジョニーは首と左手首にほくろがあり、彼が好きなケーキについて話し始めたが、ジョニーはいつもそれを拒否していた。


「ワトソン、情報は揃った。これで事件は解決だ」


ジョニーは紙とUSBメモリーを女性探偵ワトソンに手渡した。ワトソンは、青い目に短いブロンドの髪、白い肌を持つイギリス人女性で、まるで日本のアニメキャラクターが現実に飛び出してきたかのような見た目をしている。


「ジョニーさん、ワトソンさんよりも事件を解決してる回数多いですよね。もっと成功するんじゃないですか?どうして働かないんですか?ジョニーさん、僕と同じでウルトラマンが好きだって言ってましたよね?日本で働いてみませんか?それに、どうして自分の誕生日を祝わないんですか?」


「だって、誰も助けてくれないだろ。夢なんて叶わない。外の人間から何かを受け取ることなんてできない。どこの出版社に原稿を送っても受け取ってもらえない。そんなのどこにも居場所なんてないさ。ウルトラマンのヒーローになりたかったけど、そんなの無理だ。23歳だぞ。もう23年も無駄にしてきたんだ。9月10日まであと2か月で24歳になる。初めて漫画を書いたのは小学校5年生のときで、しかも書き上げられなかった。もうやめだ。だから人生で訪れたすべての機会を拒絶してきたんだ。仕事のオファーだって全部断った。助けなんていらない。スカウトされて俳優になれたとしても断る。ワトソンの相棒をやってるのはお金のためだけだ。何かをするときは自分でやる。誰にも連れて行ってもらいたくないし、助けもいらない。人生で訪れるすべてを拒否するんだ。ワトソン、もう顧客と話を済ませていいぞ」


「本気ですか、ジョニーさん?」


「そうね、ジョニー」


「ゴメンナサイ(ごめんなさい)」


「また日本語で謝ったね、ジョニーさん」


「ハマダさん、ワトソンは顧客がいるから、これから顧客と話をしないと」


「僕のことはハマダくんって呼んでください、ジョニーさんは僕より1歳年上ですから」


「そんなに年は離れてないさ。生まれた月だって隣同士じゃないか。8月27日と9月10日、1年も違わないだろ」


「ちょっと失礼」

ワトソンは2人に挨拶をして顧客の元へ向かった。


「ジョニーさんはどんなケーキが好きですか?」


「ハマダさんこそ、どんなケーキが好きなんだ?」


「えっ、でも…」


「だから、いらないって言っただろ」


「もし助けが必要なら…」


「助けなんていらない」


ジョニーは携帯電話を取り出し、画面に表示された時間を確認した。正午を示していて、ブラウザの通知が「男が銃を乱射中」というニュースを知らせていた。


「戻ってきた」


「ワトソン、早かったな」


「今回の仕事は他のより早く終わったのよ。ジョニー、乱射事件のニュース見た?ここら辺だわ」


「見たよ。殺人事件は私立探偵の仕事じゃないだろ?」


「そうだけど、ほら、テレビでもニュースになってる」


レポーターは報じた。「犯人はタバコを吸っていて、その後の記憶がないと供述しています」


「ニュースは見たけど、これは解決できないよ、ワトソン」


そのとき、銃声が響き、ジョニーは「耳が痛くなるな」と呟いた。


ジョニー、ハマダ、ワトソンは秘密の部屋に逃げ込み、ジョニーは携帯電話で警察に通報した。


警察は乱射していた男を逮捕した。


ジョニー、ハマダ、ワトソンが外に出ると、地面にタバコの箱が落ちていた。


ジョニーはそれを見て、「警察はこれを回収しなかったのか?」と言い、箱から1本のタバコを取り出して折ると、タバコの葉と赤い結晶が中からこぼれ出てきた。


「これ、何だ?」


「今は答えられないな。知りたいなら、別の時に聞いてくれ」


ジョニーはタバコから出てきた赤い結晶を分析にかけ、結果をハマダとワトソンに伝えた。


「これは宇宙植物だ」


「テレビで言ってたよ。犯人はタバコを吸って記憶がないって、ジョニー」


「本当だ、ジョニーさん」


「でも、どうやってその宇宙植物をタバコに入れた奴を見つけるんだ?」


「ジョニー、タバコを売ってる店があるだろ?」


ワトソン、ジョニー、ハマダはワトソンの車に乗り込み、最寄りのタバコを売っている店に向かった。


「タバコが売り切れだ」


「いや、売り切れなら、誰かがタバコを補充しに来るはずだ」


すると、配送トラックが店に到着し、運転手がタバコを下ろして店に届けた後、再びトラックに乗って去っていった。


ワトソン、ジョニー、ハマダは車に乗り込み、そのトラックを追いかけた。トラックは大きな一軒家の前で止まり、運転手は家の中に入っていった。ワトソン、ジョニー、ハマダは車から降りた。


「ワトソン、ハマダさん、外で待っていてくれ。俺一人で行く」


「ジョニー、大丈夫?」


「ワトソンとハマダさんは外から援護してくれ」


「わかった」


ジョニーは一人でその家に入っていった。


ジョニーが家の奥に進んでいくと、仕掛け扉に連れ込まれ、秘密の部屋に閉じ込められた。


「エイリアンか」


「教えてやろうか……」


「ジョニーさん、外から援護しろって言ってた」


「今すぐ始める?」


「そうだな、ジョニーさんを助けに行こう」


ワトソンとハマダは車に乗り込み、ワトソンは車を全速力で家に突っ込んでいき、壁を突き破って秘密の部屋にたどり着き、エイリアンを轢き殺した。


「一体、どんな映画を見たんだ?今夜はゲームは禁止だな、2人とも」


「ジョニーさん!」


終わり。



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