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02 呪いか罰か

 いつからこうしていたのか。いつの間にここに立っていたのか。ただ気付けば、地面を踏み締めていて、自分が夢に落ちてきたのだと悟った。


 これは異常事態ではなかった。珍しい事でもなかった。街が滅んだあの日から、眠る度にこの夢を見る。夢から覚めれば忘れてしまうが、ここにいる間だけは何故こうしているのか、自分が何をしでかしたのか、全てを思い出せる。そう造られた夢の世界だ。夢の世界ではあるけれど、お伽噺に出てくるような可愛げのあるものではない。




 それは、いつも通りの一日だった。十歳の頃、何かを探している子がいたから話しかけた。特にこれといった理由はない。幼馴染みのフィリアとナナイアなら、きっとそうすると思った。それだけの理由で話し掛けてみた。

 どうやら初めてこの街に来たらしく、大事な髪飾りを落としてしまったらしい。あまりの慌てように、可哀想になって一緒に探してあげた。見つけた時の喜び様は、それはもう凄かった。懐いてくれて、俺の事を『兄様(あにさま)』だなんて呼んでくれた。今まで友達が少なかったからそれが嬉しくて、小さな頭を撫でてみればその子は可愛らしく笑うのだ。


 その後、彼女は街に越してきて、それからは一緒に遊んだりもした。それはそれまでの十年より断然楽しい三年間だった。

 この日もいつも通り、幼馴染み達とその妹のような女の子と一緒に他愛もない話をしていたのだと記憶している。それとも、いつもよりも楽しい一日だったのかも知れない。そう、確か…その日は、学園への入学が決まり、機嫌が良かったのだ。

 ただ、楽しく話していた事は確かだった。


 筈なのに。



 不吉な曇天に陽が隠れ、余波ですら肌を焼くような熱量に辺りを見渡せば、燃え盛る家屋が目に写る。夢の世界を焔が舐め取り、血の赤が咲く。色の死に絶えたこの世界で、炎と血による紅だけが目に焼き付く。炎は次々と燃え移り、家は音をたてて倒壊していく。至る所から悲鳴が、断末魔が響き渡り、その数は今も増え続けていた。


 そして俺の目に映った少女。

 落としてしまったのだろうか、少し大人びた髪飾りを、小さな手に持っている少女。

 あにさま、そう呆然と呟いた少女はやはり呆然と、そして軽々と死んだ。

 十にも満たない少女は、俺に手を伸ばしていた。


 それなのに、この体は動かない。幾ら体を動かそうとしても、肉体の主導権は俺にない。この夢は八年前俺の住んでいた街を襲い、俺も体験した悲劇を機械的に、淡々となぞっていくものだ。この肉体を動かす権利を持っているのは当時の俺だけだった。

 なのに、当の本人は呆けて、現実を受け入れられずに、ただただ阿保のように立ち尽くす。何も出来ない上に何もしない。それに絶望することだけが俺に許されたことだった。


 何度体験しても慣れる事はない。どころか絶望は夢を見る度に少しずつ、少しずつ深くなっていく。目を瞑る事も出来ずに、悪夢を甘んじて受け入れる。これは忘れてはならない事で、俺が選択した結果の悪夢なのだから。



 事の始まりは魔境から魔獣が溢れ、大氾濫(スタンピード)が起きた事から始まる。大氾濫(スタンピード)は魔獣が何らかの原因で群れを作り、人間の領域に攻め込んで来る、極めて危険な現象だ。

 しかし、ただの大氾濫ならばここまでの被害は出ていなかっただろう。村が幾つか無くないたかもしれないが、要塞都市と呼ばれたこの街が壊滅する事はなかった筈だ。


 けれど、実際にそれは起こってしまった。その原因は溢れ出た魔獣の全てがここ、要塞都市アルキスに向かって来たからだ。通常、魔獣が大群を作り、攻め入ってくるならば、ある程度は途中で別れ、被害が分散するものだ。魔獣の群れの全てが一つの街を襲うなど、本来ならば有り得ない。だが、この有様だ。そしてそれら全てが、俺に端を発していた。



─────この世界には、神宿者(ホルダー)と呼ばれる、死んだ神々の魂を継ぐ転生体が存在している。彼ら神宿者(ホルダー)は、神の魂と共に、その権能、『固有魔法』と呼ばれるそれを受け継いだ。そして同時に、特有の『気配』もまた。

 ただそこにいるだけで発せられる、神であるがために持つ気配…『神気』と云うべきそれは、兎に角周囲の目を引いた。他の神宿者を惹きつけ、場合によっては魔物までも誘い出す。この惨状は、後者の効果に依るものだった。俺は何らかの神の魂の器となり、魔物を街に誘導し、そして住人を餌にした。故意ではなかった。だが、だからと許してくれと言う口もなかった。




 夢の中の俺は、首無し騎士(デュラハン)に狙われている事に気づくと、(ようや)く動き始めた。しかし、Bランク、つまりは一国の軍の大隊長格が相手にならなけば殺せない魔物を相手に、剣も持っていない状態で勝てる道理はない。

 攻撃を避けるのが精々で、それも相手が遊んでいるからできること。避けているうちにも少しずつ身体中に傷が付き、動きが鈍くなっていく。どんどんと死に近付いて行く。


 そこに、一人の男が飛び出した。俺の父親、アゼルだった。彼は勢いに任せて突進、当て身を喰らわし、瓦礫に埋もれた首無し騎士を、刃一振りで殺し切った。


 父上は首無し騎士を殺すと剣を一振り俺に投げる。『人の為に力を振え』と、いつものように父上が言う。それを受け、幼い俺は緩慢な動作でその剣を握り、まだ息があるかも知れない、そんな根拠のない理由で、妹のようだった少女に手を延ばす。だが、あと数歩で届くかという時、焼け崩れた家屋が倒壊し、彼女と俺との間を遮った。

 この時俺は確か、安心してしまったのだと思う。もう助からない事は明白で、その死を受け入れるには、当時の自分はあまりに小さかった。


 夢の中の俺は、動揺に痙攣する手を握りしめ、剣が零れ落ちないようにすると自分に向かって言い聞かせた。『もう助からない彼女に手を尽くすより、一体であろうと魔物を切る方が意義がある』と。そんな言い訳は、咄嗟に思い付いたものにしては上手いものだった。


 神宿者(ホルダー)のクラスの一つ、『捧剣士(ソードマン)』の魂を持ち、過去には剣聖の座にすら近かったという父上が、首無し騎士ごときに負ける訳がないと、夢の中の俺は判断した。父上から渡された黒の刀身を持つその剣を構え、フィリアとナナイアが戦っている腐屍騎士(ゾンビナイト)に切りかかっていく。


 今、俺がフィリア達と共に戦っている相手である腐屍騎士はDランクの魔獣だ。強さで言えば中堅の冒険者と同格。この程度の相手、今の俺ならば余裕を持って倒せるが、この体は十二歳の物で、その技もまた、当時の自分のものだ。目眩がする程稚拙な剣技と圧倒的な違和感に、眉を顰めたくなるが、この世界で体が動くはずもない。俺はただ、何も出来ずに見守るしかなかった。


 馬上から、槍による一突きが放たれる。それを避け、馬上の腐屍騎士の心臓を狙って突きを繰り出す。腐屍騎士がそれを防ごうとした隙に、ナナイアが馬上に居る本体の首を狙って魔術を放った。魔術を避けた騎士は俺に槍をもう一突きするが、フィリアが馬へと攻撃したことで、それが届くことはなかった。腐った馬の足は簡単に切り裂け、騎士は忽ちバランスを崩す。その隙に俺が心臓から脇腹にかけて袈裟掛けに斬りかかる。馬から転げ落ちた騎士の首をフィリアが断ち、息の根を止めた。そこを狙ってフィリアに遅いかかる新たな腐屍人(ゾンビ)を俺が切り捨て、直ぐ様次の敵に切りかかる。


 凄まじい違和感だった。現実世界の俺ならば、腐屍騎士(ゾンビナイト)程度馬ごと巻き込み騎士を切り捨て、その間五秒と掛からなかっただろう。突きは弱々しく、腕力も足りない。この頃の自分に、もし今の自分の実力が備わっていたらと思うも、詮無い妄想は、所詮空想の域を出なかった。


 程なくして、我が家に仕えてくれていたメイド、リンカが俺達と合流した。

 リンカは、ここ要塞都市でも屈指の戦闘力を持つ女性だ。その実力は未知数で、その気になれば首無し騎士すら打ち倒せる。

 そのリンカの参戦により、徐々に戦闘は安定し始め、落ち着きを取り戻し、先程よりは大分マシな戦闘をするようになった頃、最初は押されていた城塞都市側も体勢を立て直し始めた。今は、男爵である父上が、貴族然とした余裕のある笑みを浮かべ、冒険者達に指示を出し、また一体の首無し騎士を倒したところだった。


 街の至る所で金属と金属がぶつかり合う音が響き渡る。元々魔物との戦闘を前提に作られた要塞都市というだけあって、街中での戦闘も想定されており、家屋の一つにすら罠が仕掛けられている。

 現れる魔物も首無し騎士を抜けば低ランクばかり。事実として首無し騎士は強敵であり、全ての敵が不死(アンデッド)系統であるのは厄介だ。だが、父上を初めとした、場慣れした冒険者達が揃っているのだ。

 幾多の犠牲が出るであろうが、勝てないことは無い。リンカから少し焦りを感じられはしたが、それが俺を含める、ほぼ全員の見解だった。…………()()()()()



 終わりは一瞬で、そして同時に唐突だった。


 突然世界が色を取り戻し、瞳にやたらと訴え掛けてくる。記憶の奥深くに沈んだ世界において、それでも尚忘れようもない程、鮮烈に刻み込まれた映像。ソレは、正しく厄災だった。

 多数の首無し騎士(デュラハン)を率いたソレは、変異体なのか、無い筈の首が確かに付いていた。僅かに差す陽の光を吸い込み、鈍く吐き出す銀色と、一際目立つ黄金の装飾が入った鎧に身を包み、青白い幽霊の様な馬に乗った死霊騎士は、どの首無し騎士より美しく、同時に、吐き気を催す程の死の気配を纏っている。それは形を得た死そのものだった。遍く生命に、最期の運命を押し付ける、この世全ての悪意に跨った強大な死の呪いだった。

 ソレは悠々と戦場を闊歩すると、此方(こちら)を見て笑った、気がした。





 遂にこのときが来た。目を逸らそうとも逸らせない、最悪の始まりだった。

 馬から降りてゆっくりと歩く死霊騎士の前に一人の男が立ちはだかった。その男はこの街においても強者とされる、Bランク冒険者の一人で、勇猛果敢で知られる男だった。素行に問題は見られるが、腕が立ち、技と力だけならAランクに相応しいと言われていた男だ。


 だが、一撃だった。ソレの、死霊騎士の左目は兜に傷が付き、眼が潰れているだろう事が窺える。そんな丁度死角になる筈の左からの攻撃を、当たり前の様に防ぐと、無造作に、しかし目視を許さぬ速さで手に持った銀剣を一閃する。それは的確に男の心臓を穿ち、男はそのまま息絶えた。

 一人では勝てないと判断したのか、次の瞬間には、AからBランクの冒険者が十六人、揃って切り掛かかる。だが、銀色の死霊騎士の攻撃は、彼らよりずっと速かった。単純な身体能力の差だ。だが、単純故にその壁は高い。ヒトの様に思考し、ヒトの技術すら利用し、ヒトの考えを理解する。そんな敵に、肉体の性能の差は、ヒトがヒトである限り越えられない壁だった。

 死の覚悟を持って切り掛かる彼らを、死霊騎士は下らないとでも言う様に、片手間に、全員余さず切り殺す。そうして死体から淡々と剣を引き抜くと、ゆっくりと、今度は俺の方へと歩みを進めた。


 リンカが、未だ動く事が出来ない俺の手を取り走り出す。それに気付いた死霊騎士は、剣を俺達の方へと向けて、指揮棒のように軽く振るった。それを合図に、剣を媒介にして魔術が発動する。俺達の周囲に闇色の球体が複数個現れ、弾けた。リンカは礫となって迫るそれらを避け、それでも当たりそうなものは魔術でもって打ち消していく。


 その死霊騎士を、仮に冒険者ランクに当て嵌めるなら、最低でもAAA(トリプルエー)、推定ではSランク。とてもではないが只の人間が勝てる相手ではない。それこそ神宿者(ホルダー)、それも少なくともAAAランクに匹敵する冠持ち(クラウンホルダー)——王の名を冠する神宿者(ホルダー)——でなければ、まともに戦闘する事さえ許されない。彼こそが、この世界の上位者であり、絶対者だった。


 だと云うのに、その化物の前に立った大馬鹿が居た。父上は、アゼルは、俺とヤツの間に入る様に立ち塞り、周囲に浮かぶ闇色の球体をその双剣で切り裂いた。参戦しようとするリンカを押し留め、俺を逃がす事だけに集中するように命ずる。

 そして、俺を横目だけで捉えると、貴族らしからぬ漢臭い笑みを浮かべて、化物へと切り掛かって行く。



 『神宿者(ホルダー)』のクラス、その一つである『捧剣士(ソードマン)』は、凡庸な魂だ。神の力を引き継いでいる以上、強力ではあるが、ランクの差を覆す程の鬼札を持ち合わせてはいない。この魂の強みは、精巧な剣技と立ち回りにあった。銀騎士の技も極まっている現状、もしアレとまともに打ち合いたければ、命を削って肉体性能を上げる他なかった。それはヒトと怪物の差が如実に現れるということで、即ち自分から死にに行く様なものだ。事実、彼はそのつもりだったのだろう。


 父上は先手必勝とばかりに斬撃を()()()()。ヤツはそれを難なく剣で打ち消す。が、神宿者である、詰まりは己に危害を与え得る存在であるということには気付いたのか、俺を追うことをやめ、その剣を構えた。そして一瞬で距離を殺すと、流れるように銀の剣を繰り出した。父上はそれを受け流し、御返しとばかりに心臓に当たる部位に、鋭い突きを見舞う。騎士は下から剣をぶつけて突きを弾き、無理矢理軌道を変えると、瞬く間に胴に横薙を一閃放った。それを右の剣で防ぐと、父は左の剣で袈裟掛けを放つ。死角からの攻撃に、騎士はやはり当たり前の様に反応すると、迫り来る剣を迎え撃ち、()()()()。確かな技量と身体能力の証左に、しかし父上は怯まなかった。


 動揺を押し殺し、懐に潜り込むと、父上は剣を淡く輝かせた。捧剣士の固有魔法とまではいかなくとも、魔殺しに特化した魔剣技。光を纏った釼は胸元にある心臓を穿ち、砕くべく渾身の一突きが放たれる。ヤツはその攻撃を受け流すも、反らし切れなかった攻撃が、浅く脇を抉った。


 剣を受け流し、弾き、切りつける。僅かに当たった中段が銀騎士の鎧に傷をつけ、銀騎士が放った突きがかすり、父の首筋から血が吹き出す。闇を纏う剣と、光に包まれた剣がぶつかり、相反する魔力が衝突した事で、半壊した街に轟音が鳴り響く。凄まじいまでの剣戟の応酬。

 それを、リンカの小脇に抱えられながら、目に焼き付ける。


 幾度も剣を交わし、父上の身体に傷が目立ち始めた頃、鍔迫り合いになることを嫌った父上が、後方へと跳ぶ事で一度距離を取った。銀の死霊騎士は、追い撃ちをかけずに剣を下げる。全員が不可解に眉をしかめる中、騎士は体を震わせると、初めて言葉を放った。



 ───── 見事だ ─────



 確かにそう呟くと、歓喜に今一度体を震わせる。ただ楽しげに、一切の邪気もなく。

 その気配に、リンカの脚が更に加速した。リンカを除く全ての者の視線が、縫い付けられた様に彼の騎士を見つめる中、それは何かを堪える様に身を縮めさせる。




 そして、空気が凍り付いた。その身体中から禍々しい魔力が溢れ出し、地面に亀裂が入る。ヤツの周囲には黒が漂い、集い、剣を、鎧を、ゆっくりと覆っていく。

 そして現れた姿は、何処までも、何処までも禍々しく、懐かしかった。


 反転したように全身を黒く染めた死霊騎士は、剣を眼前に構えると、茫然とする俺に向かって愉しそうに、嬉しそうに、口を開いた。



 ─────今は未だ、雛鳥か。だが、いずれ音高く羽ばたくだろう。その時は、その時こそは必ずこの手で殺すと誓おう。この手で、越えて見せよう。それ迄どうか待っていてくれ。■■■■、■■■■■よ─────



 その呼び声が(こだま)した瞬間、体の奥底から、いや、もっと深い何処かから、何か恐ろしい怪物が、身体を喰い破ろうと沸き上がって来るのを、強く感じた。


 父上が何かを叫ぶ。奴は、騎士に相応しい厳格さと誠実さで、しかし邪悪に愉しげに嗤い、叫び、その極黒の釼を上段に掲げ─────────










冒険者・冒険者ギルドについて


 遥か過去の神代、国といえる人間の集団がまだ帝国と聖王国しかなかった頃、その両国も広い領地は持たず、大陸は現在の半分も開拓されていなかった。無論、開拓されていない土地に人間が住むことはできない。人口の増加に伴い、新たな生存圏の確保が急務とされていた。その対策のため、未開の土地を冒険し、開拓する、それを目的として作られた職が冒険者である。(中略)


 比較的に安全な職である騎士は貴族が、何が起こるかもわからない職である冒険者は平民が、基本的になっていた。(中略)


 元は魔物が棲む魔境の探索や薬草の採取などが冒険者の主な仕事であったが、冬季になると冒険者達が外出を止めて村中に留まるため、手が空いている彼らに対して手伝いの依頼が出始める。最初は個々人の間での依頼であったが、段々と需要は高まり依頼の幅も増えていき、その依頼が冒険者へと集中したためいつしか報酬が発生。結局冒険者ギルドの仕事として正式に取り入れられた。それが騎士との最大の違いである。(中略)


 始めは国家傘下の組織で、騎士と同じ枠組みだったが、騎士は貴族、冒険者は平民と、はっきり二つに分かれ、冒険者側の扱いが悪かったために両者の仲は悪化。次第に冒険者たちの間で独立の声が高まり、結果神没歴225年に冒険者ギルドは民間組織へと独立した。しかし独立した後も国の影響からは逃れられず、優秀な冒険者の引き抜きや、国家からの無理のある依頼等も受けざるを得ない状況にある。

 現在は聖王国側の北部ギルドと帝国側の南部ギルドの二つにおおまかに分けられ、双方ともに国からは独立している。

 それぞれ二つの冒険者ギルドはグランドマスターを頂点に、各都市や村にギルドマスター(グランドマスター直下の部下)管轄の冒険者ギルド支部を設置している。(中略)


 今も開拓者としての特性は持っている上、実際に北部では『冒険者』と呼ばず『開拓者』の呼称が一般的ではある。しかし、神代の頃よりは開拓者としての特性は薄れ、近年では魔物討伐屋兼、手伝い屋としての特性の方が強い。特に、魔物討伐を専門にしている冒険者を指して『討伐屋』と呼ぶことが多い。


『騎士と冒険者』 セルド・アンカリア著 より一部抜粋


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