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第三章<イルベッザの闇> 第三場(1)

 里菜がその次にリューリに会ったのは、それから三日後の夕方だった。里菜とアルファードが宿舎の管理人室に届いた伝言に従ってイルベッザ城の通用門の前でユーリオンと待ち合わせし、やがて出てきたユーリオンに案内されて歩き出したところへ、後ろから、元気な声が響いたのだ。

「リオンさまぁ、待って!」

 足を止めて振り向いた三人に、リューリが駆け寄ってくるなりわめいた。

「ああ、よかった、間にあって。リオン様、ひどいわ! アルファードとリーナを食事に誘っておいて、あたしだけ誘ってくれないなんて! ずるい、ずるい!」 

 息をきらしながらわめくリューリは、今日は白衣ではなくラフな私服姿で、無駄な飾りのない少年物らしい上着を無造作にはおり、この寒いのに、下は短い半ズボンだ。キャテルニーカといいリューリといい、妖精の血筋は北方出身だから寒さに強い人が多いのかもしれない。

 そのボーイッシュであっさりした格好は、さばさばした気性の彼女にとても似つかわしいと、里菜は思った。童顔でやせっぽちの里菜がそんな格好をしたら、ただ子供っぽいだけだろうが、華のある美貌で抜群のプロポーションのリューリなら、そういう無造作な格好をしても、やたらと様になる。しかも彼女には、なよなよした、媚びたところがないから、思いきりよく脚を出しても変にいやらしくなることもなく、健康的で潔く、爽やかだ。……と、里菜は思ったのだが、それは『あちら』の世界でショートパンツやミニスカートを見慣れたものの感覚で、この世界の人から見ると、これは、かなり勇敢な、ぎょっとするような格好らしい。

 その証拠に、リューリの半ズボン姿を見たとたん、ユーリオンは、顔をしかめていきなり説教を始めた。

「リューリ。いいかげんに、そんな男の子みたいな格好をするのはよしたまえ。もう小さな子供じゃないんだから」

「あら、リオン様、あたしが子供じゃないって、やっと分かってくれたの?」と、リューリは涼しい顔をしている。

「そんなことは、前から言っているじゃないかね。君のような年で、そんな、脚を丸出しにして半ズボンなんか穿いている女の子は、他にいないだろう?」

 そういえばたしかに、里菜はこの世界で、小さな女の子以外で膝より短いスカートを穿いた女性は見たことがないし、半ズボンに限らず、ズボンの女性も、あまり見た覚えがない。そういう文化なのだろう。

 だが、リューリは、まるで気にかける様子もなく、しゃあしゃあと言う。

「いいじゃない。他の人が何を着ようと、あたしは、この格好が好きなのよ。動きやすいし。女の子はズボンを穿いちゃいけないって法律でもあるの? シーン様に逮捕されちゃう?」

「いや、ズボンはいい、ズボンは。シーンだって、君くらいの頃は、いつもズボンを穿いていた。まあ、世の中には、女性がズボンを穿くといやがる男もいるが、私は別に構わないと思っているよ。だが、半ズボンはいけない! それだけはだめだ。他人に迷惑だからやめたまえ。ほら、気の毒に、アルファード君が目のやり場に困ってるじゃないか!」

 里菜は、リューリの脚にうろたえているらしいアルファードを睨みつけてやろうかと思ったが、半ズボンくらいで困っているならかわいいものだと思い直した。

「なによぅ、迷惑だなんて」と、リューリはふくれて、これみよがしに胸を張って顎をつんと反らし、アルファードを睨みつけた。

「あなた、あたしの服に何か文句ある? 何着ようとあたしの勝手でしょ!」

 もう脅さないと言ったくせに、やはり彼女はアルファードに、かなり根強い反感を持っているらしい。

 いきなり喧嘩腰でつめよられたアルファードは、

「いや、たしかに君の自由だが……」と口篭りながら、迷惑そうに目を逸らした。

 ユーリオンが閉口したように言った。

「リューリ。君はどうして、そう、むやみとつっかかるんだね。今日は、アルファード君は私のお客なんだから、彼に失礼な態度を取るようなら、一緒に食事に連れていくわけにはいかないよ。だいたい、君にはこのあいだ御馳走したばかりだろう。私は、この二人とゆっくり話がしたくて食事に誘ったんだ。私が誰かと食事をするたびに、毎回毎回君も誘うわけにはいかないんだ」

「だめよ、だめ。あたしも行く!」

「やれやれ、また、たかられるのか。リーナ君、君が彼女に今日のことを話したのかね。別に内緒でもなんでもないんだが、しかし、よりによってまずい相手に話してくれたものだ」

「ち、違います、あたしが話したんじゃ……」

「キャテルニーカに聞いたのよ」と、リューリは勝ち誇ったように言った。

「あの子、本当に素直でいい子ねェ。もう、かわいくてかわいくて、あたしの一の子分よ!」

 ユーリオンは、本気とも冗談ともつかない様子で大袈裟に溜息をついた。

「しかたない、見つかってしまったものは運が悪かったとあきらめて、君にも御馳走しよう。だけど、私はアルファード君たちと話がしたいんだからね。あんまり邪魔をしないでくれよ」

「やったあ!」と、叫ぶなり、リューリは、歩き出したユーリオンの片腕に飛びついてぶら下がった。

 ユーリオンは頭痛でもするように、こめかみを押えてうめいた。

「……リューリ、頼むから、人前でそういうふうにベタベタくっつかないでくれないか」

「えっ、じゃあ、人前じゃなければくっついていい? それなら今度、どこか二人っきりになれるところで……ねっ?」と、リューリが必要以上に大声で言ってますます甘えかかるのを、ちょうど終業時間で<賢人の塔>から出てきた職員たちが目にして、笑いをこらえながら通りすぎていく。このふたりのこんな様子は、構内の名物なのである。

「リューリ。みんなに笑われてるじゃないか」と、ユーリオンはますます渋い顔をして言った。

「君はそんなに私の評判を落したいのかね。だいたい、君が、『十三のとき、おでこに』というところを抜かして、私にキスされたと言いふらすから、ただでさえ私は困っているんだ。これがスキャンダルにならないのは、私が日頃、非常に品行方正だからで、そうでなければとっくに職を追われているところだよ。まったく、あんな罪のない無邪気な様子をしておいて、あれは最初から全部、私を陥れるための君の策略だったのかね」

 ユーリオンは、振り向きざまに里菜に話を振った。

「リーナ君、このリューリはね、私の失脚を目論む工作員なんだよ」

「はあ? し、失脚? 工作員?」

 いきなり訳のわからないことを言われて、里菜は唖然としたが、彼らふたりの間では、これは言い古された冗談ででもあるらしく、リューリは平然と笑っている。

 それを見てユーリオンは、怖い顔を作って言い聞かせた。

「リューリ。私はなりたくて<長老>になったわけじゃないが、それでも、なった以上はやりとげたいこともいくつかはある。まだその半分にも手をつけていないんだ。それに、同じ辞めるにしても、女性関係のスキャンダルでの――それも娘のような年の女の子に手を出したと白い目で見られての失脚なんていうみっともないことだけはいやだよ。それなのに、君ときたら……。リューリ! 聞いているのかね。君のおかげで私はみんなの笑い物だ! いいかげん離れないと、食事に連れていかないよ!」

「はあい……」

 リューリはしかたなさそうにユーリオンから離れると、一番後ろを歩いていた里菜の隣にやってきて囁いた。

「リーナ、抜け駆けしようったって、そうはいかないわよ! 見張ってるからね!」

「そんな、抜け駆けだなんて……。別にそういうんじゃ……。あたし、おじさんには興味ないって言ったでしょ。あなたこそ、アルファードにちょっかい出さないでよ」

「あたし、ボーヤには興味ないわよ。それに、あたしのリオン様はおじさんじゃないわ!」

「アルファードは坊やじゃないわ。リオン様が年上すぎるのよ。どう考えたって、おじさんよ。オヤジ! 中年! 年寄り! だって、なにしろ<長老>よ、<長老>」

「<長老>は役職名だってば! 何よ、あなたのなんか、ただの筋肉バカじゃないの! 若けりゃいいってもんじゃないわよ」

 ふたりは顔を突き合わせて睨みあった。

「年寄り!」

「筋肉バカ!」

「年寄り!」

「筋肉バカ!」

 思わず声も高くなる。まるで猫の喧嘩である。

 その時、ふいにふたりは、それぞれ後ろから襟首を掴まれて引き離された。ぎょっとして振り向くと、リューリの後ろにユーリオンが、里菜の後ろにアルファードが、怖い顔をして立っている。

「リーナ君。年寄りというのは誰のことかね」

「リューリ。筋肉バカというのはもしかして俺のことか?」

 それぞれじろりと睨まれて、里菜は真っ赤になり、リューリもさすがに首をすくめて小さくなった。

「リューリ」と、ユーリオンが怖い声で言った。「喧嘩をするなら、置いていくよ」

「やだ、やだ! 喧嘩なんかしてないわ! ね、リーナ。あたしたち、会ったその日に意気投合しちゃって、もう大親友なのよねーっ! 仲が良すぎて、ちょっと悪ふざけしてただけよね!」と、リューリが強引に里菜の腕を取ってくっついてきたので、里菜はあわてて調子を合わせた。

「う、うん。ねーっ!」

「なら、いいがね。同じ年ごろの女の子どうし、仲良くするのはいいことだ。リューリ、君はここでは先輩なんだから、リーナ君には親切にしてやらなけりゃいけないよ」

「わかってるわ。食堂にも浴場にも案内したのよ。ね! 今日も仲良くおしゃべりしましょうね!」

「ねっ!」と、むやみに大声で相槌を打ちあうふたりを見て、ユーリオンは笑い出した。


 ユーリオンが三人を連れていったのは、構内の目立たない一角にある、落ち着いた雰囲気の店だった。さすが<長老>いきつけの店だけあって、宿舎街の食堂とは大違いの、高そうな店だ。それもそのはず、ここに出入りするのは、お偉いさんばかりなのだ。

 別に、下っ端の役人でもただの学生でも、この店に入っていけないわけではないのだが、値段が高いので偉い人しか寄りつかないのである。

 まわりにいるのはなんだか偉そうな人ばかりで、里菜は自分がみすぼらしく場違いに思えて、ちょっと緊張してしまったが、リューリはいかにも慣れた様子だ。よほどしょっちゅうユーリオンにたかっているのだろう。

 ユーリオンとアルファードが、村の誰彼の消息や古いしきたりなどについて話し込んでいる間、里菜はリューリに小声で尋ねてみた。

「ねえ、リューリ、あなた、よくここへ来るの?」

「うん、たまにね」

「だって、ずいぶん高そうじゃない?」

「もちろん、自分でなんか払えないわよ。治療師の給料って、こんなに大切で大変な仕事なのに、たいしたことないんだもの。リオン様にたかるの。あと、ゼールおじいちゃまなんかも、よく奢ってくれるわ。あたしのこと、『恐怖のたかり娘』なんて呼ぶの」

「おじいちゃま?」

「そ。<賢人>ファドゼール様のことよ」

「えっ、あの、眉毛長くて、頭のてっぺん、ちょっと禿げた……?」

「そうよ。会ったの? あたしたち、とってもいいお友達なの!」

「お友達って……、あのおじいさんと?」

「そうよ。悪い? 愛に年の差は関係ないけど、友情にも関係ないのよ。あのおじいちゃま、かわいいでしょ!」

「か、かわいい……? かしら……。うーん、そうね……」

「そうよ、おちゃめで」

「確かに、おちゃめよね」

「でしょ? もう、いつもひょうきんで面白いの。何度かここで奢ってもらったのよ」

「賭けで儲けた老後のおこづかいでね?」

「そう、そう! よく知ってるじゃない」と、リューリは笑った。

「それでね、あたしの誕生日には、女神印の砂糖菓子を山ほど買ってくれたの! あ、あなた、田舎モノだから知らないかしら。イルベッザじゃ有名なお菓子なのよ。薄い花びらの形をした薄荷の風味の砂糖菓子でね、すっごくおしいんだけど、すっごく高いのよね。昔のお姫様たちが食べたような、王室御用達の、高級で上品なお菓子なの。自分じゃちょっと、買えないわね」

「へえ……。ねえ、リューリ、あなた、ただの治療師なんでしょ? なんでそんな、<賢人>様なんかと知りあいなの? 何かコネがあるの?」

「あら、あなただって、もう<長老>と知りあいじゃない。ゼールおじいちゃまとも会ったんでしょ。一度でも会えば、後は、そのチャンスを生かすも殺すも『押し』しだいよ。押しの強さと明るい笑顔。それさえあれば、ほんのちょっとしたツテからでも、どんどんコネができるの。あなたもそんなおどおどしてちゃだめよ! だからってね、何も、奢ってくれそうな人とか、偉い人に取り入れって言ってるんじゃないのよ。まあ、だいたい<賢人>になるような人は、みんなひとくせあって、それぞれ面白いけど、もちろん<賢人>じゃなくても面白い人はいっぱいいるから、要は、老若男女、職業を問わず、気が合えば友達になればいいのよ。いろんなタイプの友達がいると楽しいわよ。あなたもあたしを見習って、もう少しずうずうしくいきなさいよ」

「リューリ、あなたって、すごいわね……」

 そこへ、向こうの話がとぎれたユーリオンが口を挟んだ。

「リーナ君、いいんだ、いいんだ、リューリなんか見習わなくて。いくらなんでも、リューリのずうずうしさは度を過ごしてる。『たかり娘』は、一人で十分だ。リューリ、こういうスレてないおとなしいお嬢さんに、たかりのコツなんかを教えるんじゃない」

「たかりのコツじゃないわ。人脈造りのコツを伝授してたのよ」

「君の場合、どっちでも同じことだ。ところでリーナ君、今度は君の話を聞きたいね」

 それから里菜は、ユーリオンから、<マレビト>としてこの世界に現われた時のことや里菜の魔法の力のこと、前の世界のことなどをあれこれ聞かれた。リューリは、里菜を、ただの貧乏な田舎の娘だと思っていたから、この話を聞いてびっくりしていたが、すぐに一緒になってあれこれ尋ねだしてユーリオンにうるさがられた。

 ユーリオンは、職業柄、『あちら』の世界の社会や政治のしくみに特に興味を示した。里菜はほとんど質問に答えられず、もっと勉強しておけばよかったと後悔したのだが、それでもユーリオンは里菜の話をずいぶんと面白がってくれた。

「いやあ、実に啓発的な話だねえ。うむ、君の国では、政府がずいぶんいろんなことをするんだねえ。いくつかは、実にすばらしい仕事もしているようだが……。しかし、政府がそんなに大掛かりなことをあれこれやっていては、さぞかし金がかかるんじゃないかね。税金は高いのだろうねえ」

「さあ……。あの、あたし、まだ自分で払ったことないし、よく知らないんです……」

「なるほどね。君はまだ学生だったっけね。で、君の親御さんが税を払っていたわけだね? ふむふむ。いや、実に参考になる。ちょっと君の意見を聞いてみたいんだが――ああ、君が専門家でないのはわかってるから、君の、一民間人としての素朴な意見でいいんだよ。この国の常識に染まっていない、型に嵌らない意見が聞きたいんだ。実は今、私たちは、ある問題についてみんなで対策を考えてるんだがね……」

 こうして、里菜は、この国の政府が抱えている諸問題についていきなり意見を求められるはめになり、大いに困惑したが、里菜がごくあたりまえのことを言うだけで、ユーリオンはいちいち斬新な発想だと感心してくれる。

 彼と話していて里菜が驚いたのは、この国には福祉という概念がほとんどないらしいことで、それどころか、おそらくこれは宗教らしい宗教がないことと関係するのだろうが、福祉以前の、慈善という考え方さえひどく希薄であるらしい。そういえばこの国には、国立の学校や治療院はあるが、孤児院とか養老院とか、そういうものはまったくないのだ。この世界では、そういう問題は親戚縁者や地域の共同体の中で解決すべきもので、誰も、国が心配しなければいけないものだとは思っていなかったのである。そして数十年前まではたしかにそれで十分事足りていたし、古くから人の出入りが少ないエレオドラ地方では、今でもそれで何の問題もなく、うまくやっている。

 が、その他の地方では、国の統一で人々が流動的あちこち移り住むようになり、都会への流入も増えるとともに、だんだんと地域の相互扶助システムが崩れ始め、特に都会ではいろいろと問題が出てきていた。そこへもってきて、ここ数年の急激な避難民の流入で、そういうのどかなシステムは一挙に崩壊し、あらゆる社会問題が噴出してしまったのだ。

 この国の政治は今、おそらく、大きな転換期を迎えようとしているのである。ユーリオンは、そのことを薄々感じてはいながらも、その発想は時代の常識の枠を大幅に越えることはできず、多少新しいことを考えても国民や役人たちの意識がついて来ずで、なかなか苦しい板挟みの立場にある。その彼にとって、里菜の言葉は、まさに、自分がばくぜんと模索していた新しい行政のありかたに形を与えてくれる天啓と聞こえた。

 だが、感銘は受けても、それをそのまま実行できるというものではないらしい。

「うーん、なるほどね。国がそこまでするなんてことは、誰も考えつかなかったね。すばらしい。たしかに、それもひとつの解決だ……。特に、その、なんて言ったか、孤児院だっけね、それはぜひ作るべきだね。しかし、そのアイディアを実行に移すには、致命的な問題点があるんだ……」と、ユーリオンは溜息をついた。

「残念なことに、我々には金がない。今の財政の状況では、絶対に予算がとれない。かと言って、税金を引き上げると、暴動が起こるだろうなあ。私は火あぶりにはなりたくないからねえ……」

「えっ! 火あぶり?」

「そう。実は、昔、さっき待ちあわせをしたイルベッザ城前の広場で、王様が一人、火あぶりになったことがあるんだ。アルファード君は、知ってるね。王政に反対する民衆の暴動だったんだが、そこで王様を一人火あぶりにしても、結局王政は終らなかった。ただ、暴動を陰で操っていた王の従兄が、新しい王になっただけだ。まだ、時が至っていなかったんだろうね。その後、幾は熟し、今度は火あぶりなしで王政が廃止され、今の<賢人会議>が生れたわけだ。今でも、あの広場には、毎年、王が火あぶりになったその日の夜中に、幽霊が出るという噂もあるよ。いや、しかし、火あぶりは熱いだろうねえ」

 どうやら、この、『予算がない』というのと『暴動が起こる』『火あぶりにされる』というのは、ユーリオンの口癖らしい。この後、里菜は何度も、彼の口からこの言葉を聞くことになる。まったく情けない<長老>なのだ。

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