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【翻訳】の才能で俺だけが世界を改変できる件 〜ハズレ才能【翻訳】で気付けば世界最強になってました〜  作者: 蒼乃白兎
第二章

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リヴァイアサンの変貌

『でも一つ気になったんだけど、君はどうしてこんなところで寝ていたんだ? リヴァイアサンはもっと沖の方に生息しているはずだろう?』


 陸に近い海域でリヴァイアサンの目撃情報はない。

 この周辺の海域で寝ていること自体があり得ないのだ。


『……恥ずかしい話だが、俺は逃げてきたんだ』

『逃げてきた? リヴァイアサンが?』

『あの気配は俺の本能が強烈な危険信号を放っていた。それほどまでに危険なヤツがいたんだ。案の定、あの近海に生息していた魔物はどこかに連れて行かれてしまった』


 海……魔物……。

 俺はその言葉を聞いて、ある魔物が思い浮かんだ。


『もしかしてそれって、シーサーペントじゃないのか?』

『……たしかそうだった気がするな。よく分かったな』


 その返事を聞いて、俺はリヴァイアサンが恐れた存在が闇の精霊だと判断した。

 森の湖で出会ったシーサーペントを闇の精霊が捕まえたとき、リヴァイアサンも近くにいたのだろう。


『詳しく話を聞かせてくれないか?』

『悪いがそれ以上話せることなんてないぜ。俺は一目散に逃げだしてきたんだからな。まあそのせいでこんなところまできてしまった訳だ』

『……そっか、ありがとう。でもリヴァイアサンが此処にいた原因が分かって良かったよ』


 しかし、闇の精霊の影響はかなり大きいみたいだな。

 何か行動するたびに副次的に悪影響を及ぼしている可能性が高い。

 早く倒さなければ、多くの被害を生むだろう。


『……お前変なヤツだな。話してたら戦う気なんて失せちまったよ』

『え?』

『仲間意識が芽生えちまった。へへ、人間にも良いヤツがいるんだな』

『リヴァイアサン……! ありがとう!』


 め、めちゃくちゃ良い魔物じゃないか!

 港を襲っていたみたいだけど、まだ被害が出ている形跡はないし、ちょっと驚かせてやろう、ぐらいの気持ちだったのかもしれないな。


『だがどうしたもんか。またあの存在に出会うのが非常に怖い……。海に敵はいない俺だが、アイツだけはどうにもならん』

『闇の精霊はリヴァイアサンでもそれだけの恐怖を与えるんだね』

『闇の精霊とはアイツの名か? なにか知っている様子だったな」

『ああ。俺はそいつを追っているんだ。多分リヴァイアサンが出会ったヤツが闇の精霊だ』

『……なるほど。では逃げ出してきたヤツについてあることを思い出したことをもう少し話してやろう』

『本当か? ありがとう、リヴァイアサン!』

『もちろん良いぜ。アイツは──あ、あが、あがが』

『どうした……?』


 突如としてリヴァイアサンの様子が変わった。

 震えだして、目が深紅のように充血していく。

 俺はその様子を見て、シーサーペントの変貌が脳裏をよぎった。

 おいおい……嘘だろ。

 やめてくれ。


『ガ、ガガガガ……ッ!』


 リヴァイアサンの口が碧色に光る。

 魔力が込められていくのが分かった。


『リヴァイアサン! 正気を強く保て!』


 俺は叫んだ。

 自我を失い、暴れればリヴァイアサンを倒すしか選択肢はなくなる。

 そんなの俺は選びたくない!


『頑張れ! 負けるな!』


 そう叫ぶが、リヴァイアサンは強力な水の光線を放った。

 クソ!

 無理なのか!


「ノア、危ない! 《魔力障壁》」


 アレクシアが結界を展開し、水の光線を防いだ。


「悪い、アレクシア。助かった」

「大丈夫。でもノアがさっきまで仲良く話していたのにリヴァイアサンの変わり具合は一体なに……?」

「……闇の精霊の仕業だろう。リヴァイアサンは遭遇したことがあって、逃げるようにこの場所にやってきたという。だから、遭遇したときに無事で逃げられていなかったんだろう。何か魔法がかけられている可能性が高いはずだ」


 なんとかしてやりたい。

 だけど、そのためにはどうすれば……。


「ノアは助けたいの?」

「助けたい。リヴァイアサンは良いヤツなんだ。出来ることなら闇の精霊の呪縛から解き放ってやりたい。倒したくないんだ」

「じゃあ、その方法を探そう」


 平然とそう言ってのけるアレクシア。

 いつもと変わらない声。

 俺はその言葉を聞いて、すごく落ち着いた。


「……そうだな。やってやるさ!」


 俺はリヴァイアサンを直視する。

 記憶をたどると、シーサーペントの時と様子は少し違う。

 あのときシーサーペントは白目を剥いて、涎を垂らし、意識のない様子だった。

 だが、リヴァイアサンは違う。

 どこか闇の精霊の呪縛に抗っているように見える。

 そして、あのときと決定的に違うのは『本の力』の有無だ。

 夢幻亀のときと同じように『本の力』を使えるかもしれない。


「アレクシア、ありがとな」

「ん。どういたしまして?」


 アレクシアはきょとん、と首を傾げた。


「ガアアアア!」


 リヴァイサンは海上から宙に飛び上がった。

 巨躯の全貌が明らかになり、口から水の光線が溜められている。

 首を捻って、広範囲に及ぶ攻撃を繰り出すつもりだ。


「させるか!」


 俺は宙に飛んだリヴァイアサンに接近した。

 水の光線を撃ってもいい。

 だが、方向は変えてもらう。


「《魔力衝撃》」


 リヴァイアサンの頭部の下から《魔力衝撃》を使用。

 衝撃が流れ、リヴァイアサンの口は上空に。

 天に向かって、水の光線が放たれた。


 そして、これがリヴァイサンの大きな隙になる。

 このチャンスは逃さない。

『本の力』を使用して、闇の精霊の呪縛を解き放つ!

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