俺の魔法属性
特訓は、生徒会長室に来てすぐはじめられた。
「まず、あなたが思想の儀にて思い出したものを教えて。」
「はい。一つ目は、剣を使って戦っている感じです。
二つ目は、魔法というか、呪文を唱えていたりしてたと思います。
三つめは、体から妖気のようなものを出して、攻撃やサポートをしていました。」
「なるほど。大体わかったわ。」
「分かるんですね…」
「まあ、能力は分かった。
そういえば、昨日の戦闘見ていたのだけど、君、新入生にしてはすごいレベルだったわよ。」
「え、そうなんですか?」
さすがに驚きだった。
絶対、下の方で戦っていた人の方が強かった気がした。
「おそらく能力を開花させられるの、頑張れば今日中にできるかもね。
というわけで早速やりますか。特訓。」
「分かりましたが、練習ってどこで行うんですか?」
聞いておくべきだと思ったので聞いてみた。
「ここよ。」
「え…」
もう、オーバーリアクションも出ない。
「大丈夫。この部屋には、魔法陣、霊術による守りが入っている。
むしろここ以外でやる方が危ないわ。」
「そうなんですか…」
何故生徒会長室にこんなガードを入れたんだ…というのは置いておこう。
「多分、剣の記憶はある程度取り戻せました。
だからこの特訓は後にしましょう。
効率は大切さッ。」
「はい。」
受け流した。
「じゃあ、魔法・呪文の特訓からやります。
その前に魔法と呪文の違いを教えてあげます。
魔法は、瞬時に出せる技。ですが人によって限られた一つの属性の、技しか使えないのです。
しかも、剣や弓と連携する合わせ技として、使用することができない。
だからといって、悪いことばかりではない。魔法は覚えやすいし、特訓を積み重ねると、自分の属性の 技はとてつもない火力になります。」
「質問しますね。
自分の属性ってどうやって、分かるんですか?」
「簡単なことです。
まず一枚の紙を用意する。
その紙に手を向けて、念じてください。
自分は、何の属性だ…と。
そうすれば頭の中に自分の魔法のビジョンが浮かび上がってくる。
ちなみに言っとくとこれは霧美学園校内でしかできないから安心してね。」
その一言で安心した。
「早速やってみましょう。」
「分かりました。」
そう言って生徒会長は、机の引き出しから紙を出した。
「この紙に念じて。」
そういわれたので、俺は念じる。
属性の正体を知るために。
念じていると、紙から、眩いものが見えた。
その眩い光は、次第に大きくなっていき、ついに部屋を覆いつくした。
その大きくなった光を見て俺は気づいた。
「雷属性…か?」
そう。その部屋に広まった光は、雷のようなものだった。
「もう念じるのをやめていいわ。」
言われた通りに、やめた。
「やっぱり、凄い。こんなことはないよ、ワトソン君!」
「な、何がですか?」
「最初に、発動してこれだけになるの、おそらく世界で君だけ!」
「すごいんですね…」
生徒会長は、テンションが上がっていた。
「説明すると、ワトソン君は雷属性。
使い方次第ではとても強いものになるわ!」
「なるほど。雷は操れたらすごそうですもんね。」
「そうだね。よし、このペースで呪文もやろう。」
そして呪文の特訓が始まろうとしたとき、ふと頭に記憶がよぎる。