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転生終者の覇技生誕〈ビッグバン〉  作者: 仮谷 真生
第一ノ二章  メタモルフォーゼ
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急な旅?

「よし、早速ですが任務があります。」


唐突すぎると思った。

さっき執事を認めたばっかなのに。


「私とアナタで、日本を旅立ちます。」


衝撃過ぎた…というのももう慣れてきた。

急展開なのに俺は、慣れきったかのように平然と聞き流す。

生徒会長の、予測不可能さはさっき見いだせていた。


「急すぎる気が…なぜ日本を旅立つんですか?」


もはや敬語らしき言葉も、出すのが恥ずかしくなっていた。


「切り替えが早いわ。そこを身に着けたのはいいですね。

 まあ理由については簡潔に言うと…スカウトです。」


「スカウト?」


「スカウト。言いたいことは分かりますわ。

 何のスカウトか、でしょう。」


「まあ、そうですけど…」


彼女の顔にドヤ顔が一瞬見えた。


「実は、ある目的のために、チームのようなものを作らなければいけないのです。

 もちろん私と君が加わったチーム。私たち2人以外を世界から招集して、メンバーで。」


俺も加わっているのが解せぬが、質問をした。


「目的とは、どういったものなんです?」


「秘宝、〈ヴァルキリアの涙〉の入手です。」


秘宝。とても冒険らしい目的。

そして率直な疑問があった。


「その秘宝を何に使用するんですか?」


「この秘宝は、何種類かあるのですが、その中に思想の儀で一気に5個の記憶を取り戻せるようになるものがあるんです。

 英傑(サムライ)に3か月という間の期間は厳しい。

 少しでも力を強め、侵入者(ディース)による崩壊の危機を、とどめなければいけません。」


だが、これだけだと俺は思えない。

理由だけでこの旅ができるわけがない。

そして俺は質問する。


「なぜスカウトなのですか?

 日本にもかなりの戦力はいるはず。」


そう、日本にも強い人がいるはず。

何故はっきり言えたかというとS級という人の中の、一人は日本人だからだ。


「さすがに勘が鋭いですね。

 でも簡単なことです。日本の強い人は大体、チームを作っているのです。

 大規模なチームから、小規模なチームまで。

 もちろん目的は、様々。私と同じ目的の人もいるわ。」


「なるほど…だから日本人のスカウトは難しいのですか。

 そこで世界の人々の中だったら、隠れた戦力がいると踏んだのですね。」


「まあそうね。私が望んでいる団員は大体7人。

 でも、この秘宝が見つかったら、チームは解散するつもりよ。」


チームは解散。まあそれが一番無難なやり方だと思った。


「もちろん行ってくれるわね。

 空き時間には能力について教えてあげるわよぉ。」


セクシーな声は無視。


「まあ、執事になったからにはしょうがないですよね。

 ただ一つ疑問があります。俺の力はまだ未熟です。

 連れて行っていいんですか?」


「急とは言いましたが、旅立ちの予想日は、再来月の6月。

 それまでにはあなたはとても強くなる。

 意味もなく推薦したと思わないでよね。」


「さっき、運命だとか言ってた気がするんですが…」


「何のことかしら。」


生徒会長は、頭の上にクエスチョンマークを浮かべるようにとぼける。


「具体的にどのようなことをしたら強くなれるんですか?」


「まあ、まず思想の儀での3つの記憶を最大限に発揮する。

 私のもとでやれば他の人の倍の速さで思い出すはずよ。

 そのあとは…ひたすら特訓ね。

 その特訓の後は、校内のある大会に出てもらう。

 詳細は後でね。」


「分かりました。

 生徒会長、頼りにしてますよ。」


「はは、言われなくてもだなぁ。」


「じゃあ、そろそろ休ませてください。」


「分かった。まあ、明日も来て。

 特訓をしてあげるから。」


「まあ、来ます。」


その疲れを、内心とても感じながら生徒会長室をあとにした。

俺は、疲れを癒すため、説明会で聞いた寮に向かう。

疲れを開放するように、頭を掻きながら寮への外道を歩く。

この学園は広い。

周りのどこを見ても建物があり、とあるところには、まさに絶景ともいえるガーデンもある。

学園の探検みたいなことをしているうちに寮についた。

寮を見て最初に思ったこと。

めちゃでかい。いやホテル?

目測30階建ての、縦長な建物がそこにはあった。

だが書いてあった。


〈霧美学園 男子寮〉


貧乏で、大層な暮らしをしていない俺からしたら、程遠いものだった。

でもそんなことも、気にさないぐらい疲れていた。

俺は、玄関を通り、エレベーターに乗り、指定された番号の部屋へといった。

部屋の中は、広かった。

一人で住むにはもったいなさすぎるほど。

でもそんなことも気にせず、目についたベッドに横たわった。

そして、静かに目を瞑り、夢の底まで眠りについた…


翌朝、俺は深い眠りから覚めた。

気持ちのいい朝だ。

昨日の激しい出来事が嘘だったかのように。

そんなことを思っていると、ドアをたたく音が聞こえた。


「誰だ…」


朝っぱらで少し、寝ぼけていたがドアの方へ、目を擦りながら向かい、開けた。

そこにいたのは、言うまでもない


生徒会長だった。


「お、生徒会長どうしたんですか?」


「今の時間見てみなさい…」


「え、分かりました。」


そして部屋にあった時計を見た。


PM 2:00


俺は、時計を確認すると、真顔で生徒会長のもとへ向かい、目の前に来た瞬間、表情をゆがめた


「あ、あはははは…」


「生徒会長室へ行きましょうか。」


その表情には、あからさまな殺気を感じた。

そのあと説教されたのは言うまでもないだろう。


「はい、そろそろ特訓を始めるわ。」


とうとう、説教が終わった。

安心感を本当に感じた。


「ちなみに、先生や生徒には、私のもとで指導しているって伝えておいたから。」


「仕事速いですね…」


「アラ、ナメナイデ。」


「はい。」


即答した。

ここから俺の実力を最大限に発揮していく特訓が始まる。





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