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転生終者の覇技生誕〈ビッグバン〉  作者: 仮谷 真生
第一ノ三章 サドンリークライシス
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バトンタッチ

その仮面をかぶったオオカミは、春馬の分身の後ろへとワープする。


「そっちじゃねぇよっ。」


そう言って、青の流力(スピリット)を拳に纏い攻撃しようとする。

するとその敵は消えた。

まるですべてを悟っていたかのように。

ここで桜牙は察する。

敵は頭脳もかなり発達している。

これはまずい。

相手が空間移動をすることができ、頭もいいとなるとかなりチート級だ。

その人智を持った敵は、最悪の場所にワープした。

春馬の後ろである。

現在、空振りをして怯んでいる春馬の真後ろにいる。

これは敵にとってはチャンスである。

だが止めた人物がいる。

それは無論、俺だ。

春馬に気を取られている隙。

これ程、絶好なタイミングがあるのに攻撃しない方がおかしい。

取った攻撃は、春馬の分も秘めたような、紫の流力(スピリット)のパンチ。

なんとも可憐で驚異的だ。

紫色の流力(スピリット)利用者は、個性的、美術的などと言った特徴を持つ。

そういうことからか、その攻撃はまるでアート。

綺麗だ。

そんな攻撃をすると、敵が苦しそうにしていた。

先手を取れたことだけでも、かなりいい。

だがそれぐらいで倒れる、やわではない。

攻撃をくらい、まずいと思ったのかまたワープを始めた。

そのワープ先は、掴めない。

つまり電光(フラッシュ)の範囲外ということだ。


「逃げたか…」


「おそらくだけど、この建物にはいないだろう。」


「敵は人智を持っている。

 なら不利な状況から抜け出すのが、選択肢として正解だからな。」


こうして桜牙と春馬の戦いは、一旦終わった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



白鐘、清水の二人は、桜牙たちから離れた南の地区を散策していた。


「いないわね。」


「まあ、そう簡単には見つからないでしょ。」


敵の気配がないのか、退屈している。


「千里眼使おうかしら。」


「えーー。

 あれは女子が使っても効果があまりないよぉ。」


「そうだったわ。」


千里眼は、男性が使うと圧倒的効果を見せるのだが、女子はほぼ役に立たない。

なので見つけるのも一苦労。


「目の前にでも、現れねえかな。」


「そんなことあるわけ…?」


白鐘が絶対にないと思っていたことが実現した。

目の前にいる。

2人はとっさに、後退する。


「ま、マジで現れた…」


言った本人もさすがに驚いている。

だがこれは、敵が予測してやっているとは思えない。

つまりこちらとしては、ラッキーなことだと予測。

そして腹にかすかなパンチ跡があるため、誰かとすでに戦っていたことが見える。

このことから白鐘と清水はすべて予測できた。

この状況は、有利だ。

それを察した瞬間二人は声を合わせて言う。


「「甦れ!」」


その掛け声とともに、二人のもとに武器が顕現する。

白鐘が手に取ったのは、杖。

清水が手に取ったのは、剣。


「行くわよ。」


「りょーかい。」


そう話した直後、白鐘は持っていた香水を人差し指につけ、杖に綴る。


()け 炎の宝玉よ そは革命の印

回り始めた時のその先に 不滅の亀裂を起こせ

そして時から脱出したまえ 救済をおくれ

炎とは艶麗なる 我と優雅を進もう


第五層呪術 〈妖艶なる紅の光(シュペルブ・レッド)


その呪文から現れたのは炎の玉の様な物。

そこに清水が突進する。

それと同時に剣を振りかざし、炎の玉を斬る。

するとその剣に、アートの様な烈火が纏いだす。

いわゆる混合技。

1人だと威力が落ちたり、出来ないものだが、2人だと難なくできる。

もちろん威力は、危険で猛威だ。

それでいて美しい。

何とも言えない光景だ。

その美しい(ほむら)の剣を仮面顔の敵に喰らわせる。

その敵は、とっさの判断で避けようとしたが、右腕を切り刻まれ、無くなる。

その傷口からは、大量の赤い血が噴き出る。


「グ、グアァァァ…」


バケモノが悲しく断末魔を迎えようとする。



否。

断末魔はまだだった。

バケモノは、特異能力なのかわからないが、傷口を止めてしまった。

そしてこちらをにらみつける。


「っく…まだ生きているか。

 かなりの力を出したんだが…」


「まずいわね…」


2人は、この攻撃にかなりかけていたため、気力をかなり失われている。

それを見計らったのか、敵は姿を消していく。

ワープだ。

もう適わない。

2人はそんな気持ちだった。

次のワープ先に、仲間がいることを願いながら。

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