ステータス
〈異世界〉をタップした瞬間、スマホに異変が現れる。
タップした瞬時にで明らかに変わっているものがあった。
それは、スマホから浮き出る液晶画面だ。
それは透けていて、まさにゲームでよくあるステータス欄のようだった。
「発達もすごいですなぁ…」
関心の一言をもらした。
俺は、画面に表示されているものなどを調べた。
〈持ち物〉〈ステータス〉〈?????〉〈装備〉〈実績〉〈終了〉の5つのアイコンがあった。
持ち物がおそらく、異世界での所持品。
ステータスが、俺の異世界でのステータスor今のステータス。
装備は、その名の通り装備だろう。
おそらく、転生の記憶を解放した時の服も選べるのだろう。
実績は異世界で倒した敵などの実績。
終了は、この画面を閉じるものだろう。
だがこの〈?????〉は何だ。
おそらく、時間がたつにつれ分かるだろうと思い、今は他のことに気にする。
まず開いたのは、〈ステータス〉
その、透けていたタップできそうにないものを、普通にタップする。
するとそこから、二つの画面が現れた。
一つ目は、おそらく異世界でのステータス。
二つ目が、今のステータス。
二つとも見れるというのが少しうれしい。
まず、最初に目を通したのは、異世界でのステータス。
こちらには、左側に〈ソード〉〈ソーサリィ〉〈スピリット〉〈???〉〈???〉〈???〉〈???〉の七つのメニューがあった。
おそらく、思想の儀で思い出せた、この三つだけステータスが見れるのだろう。
まず見たのは、〈ソード〉。
ステータスを確認すると、
ラルフ=カティア 男
LV 470
クラス 片手剣 双剣
ソードスキル ???? ???? ???? ???? ???…
俺にはすごいと思っていいのかわからなかった。
この世界のLVの基準が分からないからだ。
ただ驚いたのは名前とソードスキル。
まず名前が、西洋風なのだ。
それぞれの世界によって違うのか…
そう思った。
そしてソードスキル。
まだ全部、?だが、見る限り数えるのが面倒なくらいある。
俺は、気を取り直し〈ソーサリィ〉を開く。
ソーサリィはおそらく魔法だろう。
ルシファー=ファーガナフ 男
LV 465
クラス 雷術師 呪術師
マジック 雷道 反逆の氷剣 ??? ??? ?…
これだとあまり驚かなかった。
〈ソード〉を見てしまったせいだろうか。
この世界では、呪術師をヘカウと呼んでいるのは多少気になった。
そして、現時点では最後の〈スピリット〉を開く。
聖 政宗 男
LV 472
クラス 洗練系統
気術 ??? ??? ??? ??? ??? ??? ?…
ようやく名前が、日本風になったと思った。
それにしても珍しいがな。
クラスの洗練系統というのが気になった。
異世界でのステータスはとりあえず見終わったので、現在のステータスを見ることにした。
異世界のステータスは、とりあえず閉じた。
そして、現在のステータスに目を移す。
そこには、たいしたメニューはなかったのでステータスを普通に見ることにした。
伊都乃 桜牙 男
LV 79
転生の記憶 ソード ソーサリィ スピリット ??? ??? ??? ???
ソードスキル ???? ???? ???? ???? ??…
マジック 雷道 反逆の氷剣 ??? ??? ?…
気術 ??? ??? ??? ??? ??? ??? ?…
覇技 ―――――――――――――――――――――――
まずLV。
これは果たしてすごいのか。
自分では短期間でのこれはすごいと勝手に思ってしまった。
そして気になったのは、〈覇技〉。
これは何なのか。
気になったが深く考えるほどの体力がない。
俺は、ステータスを閉じた。
次に開いたのは、〈持ち物〉。
持ち物のアイコンをタップすると、一つの画面が現れた。
その一つの画面にのっていたメニューは多かった。
どうやらご丁寧に、ジャンル分けされている。
載っていたのはこの一覧
〈武器〉〈防具・服〉〈食料・飲料〉〈宝物〉〈その他〉
この時点で少し気持ちは高ぶっていた。
そして俺は、武器メニューを開く。
武器メニューを開くと、メニューが二つあった。
〈剣〉〈杖〉
この二つだけ。
おそらくここに表示されるのは、思い出している、異世界のものだけなのだろう。
次の思想の儀で、多少増えると思った。
俺は、先にあった〈剣〉を開く。
そこにあった剣は、これら。
〈妖剣クラウ・ソウス〉〈魔剣ダーインスレイヴ〉〈聖剣????〉〈覇刀????〉
この四つ。
腰掛けられている剣だろう。
名前は確認できないと、剣の種類しかわからないという風に推測。
でもこうなってくると、俺が持っているのは妖剣・聖剣・魔剣・覇刀ということになる。
ずいぶんすごそうだと思った。
一つだけ刀というのは、少し興味があった。
少し、興味を持ちながら、杖の方へ目を移した。
杖は見たことがないのでどのようなものかと思った。
その思いを乗せてタップ。
そして、杖が現れた。
〈破壊の杖????〉〈降魔の杖????〉
この二つ。
破壊や降魔と、何か、正義と反対のような杖。
杖には詳しくなかったので、あまり深くは調べない。
武器に関してはあまり情報量がなかったので、軽く見て閉じた。
次に表示したのは、〈防具・服〉。
これをタップすると、現れたジャンルのメニューは2つ。
〈服〉〈特効着〉
特効着。
おそらく着ると、効果がつくものなのだろう。
防具は、手に入れていないから表示されていないだけかと思った。
まず無難に服を開く。
そこに会った服は合計、20着程度。
意外と多い方だと思った。
スライドで覗くと、様々なジャンルの服があった。
剣の世界での、黒いローブはもちろんのこと。
ローブに関しては、紫色、白色、緑色のものがあった。
そのローブとは対照的に、着丈が脇腹の位置位の服もあった。
色は、黄色、シルバー、黒。
他にも、インナーやシャツもあった。
ついでに今着ている、学ラン、Yシャツなども載っていた。
一番気になったのは、〈メイド服〉
なぜか絶対女性が着るような、メイド服が合った。
(異世界の俺もいろいろあったのか…)
俺は天井を見つめ、誇りを持った顔で心の中で思う。
大体確認し終えたので、〈服〉を閉じた。
閉じた後、〈特効着〉を開いた。
開くと、服というよりアクセサリー的なものが、10個程度あった。
まず目についたのは、〈腕輪〉。
特効着なのでしっかり、説明も載っていた。
どうやら、契約したモンスターとの意思疎通をするために使うらしい。
これを見た瞬間ふと思った。
この腕輪、黒炎騎龍とのもの…?
見覚えのある腕輪と思っていたら、これは今日思い出した、雷で倒した龍との契約の腕輪だ。
おそらく、龍が現れるかはわからないが、その可能性はあるだろう。
でもここで使ったら…
そう思うと寒気がしたので、今はやめておいた。
次に目を付けたのは、〈マフラー〉
白色で、だいぶ温かそうなファーの物だった。
効果は、武器による攻撃力の二倍。
いたってシンプルだが、かなり役に立つだろう。
ほかにも、ステータス増加の二倍などの効果を持つインナーがあった。
また、両目を見えなくすることによって、その目を除いた五感を三倍にする〈眼帯〉、心臓に刺して、痛みを伴いながら戦うことによって、体力の減少を大幅ダウンさせる、〈ナイフ〉という呪いの様な物もあった。
中二病というのは恐ろしいと思う。
恐ろしいと思いながらも、面白みがあると思ってしまう俺はどうなんだろうか。
少々、楽しんだので満足して、〈防具・服〉を閉じた。
〈食料・飲料〉はあまり見る気になれなかった。
意外と満腹だからだ。
特訓前、会長と食堂に行ったら、やたらと目線がこちらに向けてきているのに、会長がイチャついてきたので、食べて必死にごまかしていた。
そのせいで、かなりお腹は満たされている。
よく戦えたなぁ、と思う。
なので次、開いたのは、〈宝物〉。
これは会長が言っていた、〈ヴァルキュリアの涙〉の様な物だろう。
タップで開くと、ジャンル化はされずに、そのまま全て画面に映された。
こちらには、あまり興味のあるものはなかった。
大体が、女性が好みそうな、ネックレスなどだったからだ。
異世界では、こんなものを持っていたんだと思った。
でも時々、反応してしまうものもある。
〈永遠の命〉や、〈アーサーの髑髏〉などといったものだ。
でも、やはりそういうものは少なかったので、あまり見ないで閉じる。
〈その他〉も見ようと思ったが、眠気がそろそろピークだったのでやめる。
俺は、スマホから映し出される、そのビジョンをすべて閉じる。
スマホも切り、寝ながらでも届くテーブルの上に置く。
目覚ましを、朝の5時にセットする。
そして、眠りにつくため、目を瞑る。
寝るのが好きな俺にとって、とても至福のひと時だ。
その好きなものへ向かって俺は、意識を遠のける…
ピピピピピピピピピピピッ
待っていなかった音が部屋に鳴り響く。
目覚まし。
それは、悪魔だ。
俺は、欠伸をして大きく息を吐く。
そしてベッドから降りて立つ。
片目を眠そうに瞑りながら、朝に行う歯磨きなどを済ませ、制服に着替える。
「行くか。」
そして向かう。
生徒会長のもとへ。