地獄族
しばらく歩き、闘技場についた。
「よし着きました。
これから、あなたには二つの選択肢を与えます。」
「何でしょう。」
唐突の二択。それでも動じずにしっかり受け止める。
「人型の実験獣か、怪物型の実験獣にするか。」
「一般的にどのような違いがあるんですか?」
「人型はかなりの意識を持ち、私たち、英傑に似た動きをするわ。
怪物型は、ファンタジー系のアニメや書籍で見るような、侵入者に一番多いシルエットの平均的なものよ。」
「怪物型で。」
もちろん怪物型を選んだ。
少しでも、侵入者との戦いに慣らさせておかないと、まずいと思った。
人型との戦いは、もっと知識で戦えるので良いかもと思ったが、やはりまだ慣れていない。
「即答ね…怪物型といっても、さっきの地獄族の巨人とは、格が違うわよ。
あの巨人は、地獄族といっても、その中の頞部陀獣という、一番弱い地獄族のコピー。
今回戦うのは、地獄族の中の三番目に強い、頞哳吒獣です。」
油断をした瞬間、死にそうな名前の敵だ。
俺は、すこし身震いをし、冷静な表情になる。
「では、三十秒後に始めます。
私は、観客席で見ていますわ。」
「意外とすぐっ」
急にもほどがある。
俺はすぐに態勢をとり、お札を取り出す。
そして、能力を思い出すように言う。
「壱、弐、参の世界よ、甦れ。」
この壱は、思い出した順らしい。
なので思い出すのは、剣、魔術、流力だ。
この言葉を放った瞬間、いつものように体が光る。
そして、制服のまま記憶が甦り、剣が腰に下げられていた。
どうやら、複数の世界を思い出す時は、設定しない限り、そのままの服になってしまうらしい。
体からは、魔術のオーラと流力のオーラが少しずつ揺ら揺らと出ている。
体が完全に、力を手にしたとき、目の前に突然ワープしたかのように、怪物が現れる。
その怪物は、まさに足が大きく、地面に足がついた龍のようだった。
色は、紺で毛が体中に纏わり生えている。
正直、神秘的で見るに堪えないということは全くない。
「ウガァァァァァァァァァッ!」
その見た目とは裏腹に、今、禍々しい咆哮をあげた。
「ふぅ…よしっ」
息を整えた後、俺は左の腰にある鞘から、契約の魔剣を手にする。
そして、初の一人での戦いを始める。
神秘の龍のもとへ走る。
三つの力を手に入れ、混合技で行う戦いへ。




