白亜紀の魔法文字
魔法の修行が終わり、俺は呪文の修行に入った。
「魔法に比べる、呪文のメリットは、火力と種類、自由自在さ。
例えば、剣の刃に呪文を囲むように綴れば、剣技と呪術が合わさって、とてつもない火力が出るわ。」
「では、デメリットは、時間がかかるということですね。」
「そう。呪文はわざわざ魔法文字を戦闘中に、綴らなければならないわ。
省略もできるけど、火力は大幅に落ちてしまう。
ただ、今の世界なら、他の世界での能力を使って、攻撃をよけながら綴ったり、指を超高速にできたりすることができるわ。
まあ、他の能力を持ってなかったら意味がないのだけどね。」
「なるほど。
では、呪文を思い出す特訓というのはどのようなものですか?」
「呪文は、詳しい技の甦りを簡単にはできないのです。
戦闘をしているうちに思い出すのが大きな特徴。
でも苦労もしないで思い出せるわけじゃない。
まず、呪文に使う、魔法文字を覚えなければならないわ。」
「魔法文字とはどのようなものなのですか?」
「魔法文字は、白亜紀に誕生した、ある文明の文字。
その文明は、この魔法文字を歴史に残したまま、名前も何もわからないまま、なくなってしまったわ。
この文字は異形。だけどさすがに全部覚えるわけじゃないわ。
ちゃんと、読んでいれば暗記しなくても、頭の中に呪文のビジョン、つまり異世界の記憶が甦り、しっかりインプットされていくわ。」
「なるほど。その魔法文字はどこに記されているのですか?」
「それは、この辞書に載っておる。
昔、この世界に呪文の記憶を持ってきた正義感の強い者が、この学園に辞書を残しているのよ。」
「へえぇ。さっそく読んでいいですか?」
「というか読んでもらわないと困るわ。
どうぞ、読んで。」
俺は、生徒会長から辞書を受け取り、中を開いた。
すると予想はしていたが、かなり歪な形の文字が記されていた。
おそらく、左上からなのだろうが、どういう語順かもわからない。
「魔法文字は、各国で違うから日本での魔法文字はそれなりに分かりやすいと思うわ。
左上から、縦にあいうえお順よ。」
「おお。少し安心しました。」
「それはよかった。じゃあしばらく読んでてくださいね。
私は仮眠をとらせてもらうわ。」
「おやすみなさい。」
生徒会長は優しい眠りについた。
俺も寝坊したのだから、何も言う言葉はなかった。
「やるか。」
俺は、根気を出し、辞書を開いた。
とても歪な形の文字に、俺は翻弄されていた。
そして、感情を失うかのように辞書の中の世界へと入った。
気が付くと2時間たっていた。
でけどその成果もあって、頭にインプットされた手ごたえができた。
試せないことがとても悲しい。
あまりに試したかったので生徒会長を起こすことにした。
「生徒会長ー」
俺は肩をたたきながら、起こす。
すると、生徒会長は、嫌々という雰囲気で目を開けた。
「何、終わったのですか。」
「はい。終わったと思います。」
「そうですか。じゃあ確認しましょう。」
「はいっ!」




